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タッタラー!彼女は表現することを覚えた:英語の授業、英語以前に必要なこと

クロームブックを使った授業について書いていても、方法論に行き着かないのが悪い癖です。一つ前のブログでは、無料クイズアプリQuizletを使った自分に合わせた学びについてと、Jamboardを使った授業について話しました。

ぶっちゃけて言うと、クロームブックとかアプリ、授業の方法はどちらでもいいこと。

苛立つ生徒たち

今回、ピンチヒッターとして教えた単元のテーマはオリンピック。今年は東京オリンピックの年ですからタイムリーではあるのですが、すぐに教科書に入っていっても、大半の生徒にとっては別に興味のないことです。一応担当者に頼まれた範囲のところは言われた通り板書して説明しましたが、生徒は浮かない様子。

生徒が授業を聞かない、別のことをしだす、寝る。これは生徒のせいでもないと思うのです。

・スクショで何でも残す世代、スマホで何でも調べられる世代が、授業中、先生が書いていることを先生のペースに合わせて写すことを強いられる。
・自分の興味のないことを50分間、ひたすら聞かされる。
・自分を表現する機会を与えられず、決まったやりとりしかさせてもらえない。

これではやる気が削がれても仕方ないと思いませんか?

自分の想いを表現することで学びがジブンゴトに

一応担当者に頼まれたことは終えたので、ちょっと嗜好を変えてみることにしました。20分間で、3つのミニ課題から取り組みたいものを選んでやりましょうというものです。

1)古代と近代オリンピックをベン図で比較対照
2)4つ目のメダルをデザインするとしたら?どの理由は?
3)オリンピック選手一人についてタイムラインを制作

思い思いの課題に取り組む生徒たち。これは、出てきた意見です。一人一人、全然違いますね。親切心や、感動、開催地の子どもの手作り、ユーモアに情熱。オリンピックではもちろん速さや高さによる得点でメダルが決まりますが、彼女たちがメダルの価値を自分なりに捉え直しているところがみてとれます。

お題:Design your own medal.オリンピックのメダルは金銀銅ですが、もう一つ賞を与えられるなら何メダルを創設しますか?理由も書きなさい。

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だけど、やっぱユーチューブ見てるやん

ふと気づくと二箇所からメロディーが聞こえてきます。あれ?やっぱりユーチューブの誘惑に負けたようです。

そっと近づいて、後ろから覗き込んでみました。(やっぱ生徒のこと信頼していませんねw)いつも一斉授業の時はおしゃべりの多いグループだしなあ、なんて思いながら。

あれれ?覗き込んで、猛烈に反省しました。

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Youtubeは別タブでOnになっていて、それをBGMにしながらその生徒は猛烈にタイピングしていたのです。しかも、一つアイデアを出した後にもっと書いてもいいですか?と言ってきます。どの生徒も、自分のペースで課題に取り組んでいたのです。あちこち移動したり、おしゃべりしたりしていても、板書中心の授業の10倍はかどっている。(数字に根拠はありません)

タッタラー♪彼女は表現することを覚えた

英語の授業で必要なのは、まず表現したいと思える気持ちを育てることです。ICT活用でも同じですが、板書中心の一斉授業でそのままデバイスだけ取り入れても失敗するのは当たり前。それを使う必然性を授業デザインに組み入れる必要があります。

自分を表現することで学びがジブンゴトとなり、それが起点として単元の内容に興味を持つ。教科書の本文を理解することを目的にしないで、もっと遠くを見ませんか。

さいごに

いつも考えるのは、この授業が生徒の未来にどう影響しているかです。昼休みの会話にこんなことがでてきていたらいいな。10年後でも想いがあってしたことや、大きく心が動いたこと、新しい道具を手に入れたことは覚えているものだし、覚えていなくても身につけたことが別の分野で生かされていればいい。そんなことを考えながら、日々自分に向き合っています。

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