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FLE x ICT Expo 2019から広がるカジュアルでフラットな学びの場(2)小学生x多言語学習

昨日登壇させていただいたFLE x ICT Expo。大学の先生が多いと聞いていて、少し緊張していたのですが、全く堅苦しくない学びの場でした。昨日のレポートはこちら。

ADE2013岩居弘樹先生

Flipgridや動画を使ったクリエイティブな大学の授業で有名な先生は、大阪大学のドイツ語の先生です。以前から、シナリオを学生が作ってスキットを演じショートムービーを作る実践はよく聞いていました。

小学生とオンラインで多言語学習

一方で力を入れておられるのが、多言語学習。最近インドネシア語を初めたわたしも興味津々!

岩居教授が現在もっとも力を入れていることのひとつが、博士課程の学生を対象に行っている複言語学習だ。ドイツ語と同じ手法で語学を学ぶが、こちらは1セメスター15回の講義で、なんとインドネシア語、トルコ語、ベトナム語の3カ国語を学ぶ。先生役は留学生に手伝ってもらい、それぞれの言語を5回ずつ学習し、15回の講座で3カ国語に挑戦する。岩居教授がドイツ語の授業で実施している語学教授法と同様に、iPadを使った発音練習、シナリオ作成、動画撮影というプロセスで学ぶというのだ。

岩居先生は、阪大の博士課程の学生だからできるのでは?という異論を完全に覆しました。

今回は、3つの公立の小規模な小学校と留学生をつないで、オンラインーリアルでの多言語学習に挑戦です。

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期待通り、いや思っても見ない進化が起こった

思ってもみないことが起きたと言います。手取り足取り指導するわけではないし、常駐しているわけでもないので、その合間に子どもたち自身で考えてアイデアを形にします。

一つ目は、キーボードや辞書も子供達が自分たちでインストールして活動したこと。ハングルを学んだとき、子どもたちがオンラインで調べてキーボードをインストールして文を書き始めたと言います。固定のキーボードを使っていれば起こらない現象で、iPadならではとも言えます。また、小学校の自主勉強ノートにヒンディ語が登場したり、京都での活動ではブラジル人に会った瞬間ポルトガル語で自己紹介。

また、スピンアウト企画として地元の食堂の多言語対応をお手伝い。最近インバウンド客が多いですからこういう取り組みは本当に喜ばれそうですね!

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挙げ句の果てに、教えていない言語まで登場します。上記の写真のイベントではよく見ると教えていない言語が入っているとか。子どもたちのクリエイティビティが大爆発!

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小学校、遠隔授業のヒントにも

最後に、この取り組みのハード・ソフト面のまとめ。双方向のオンラインビデオ会議ではZoomを使用、文字や画像のやりとりはロイロノートを使用されたそう。実はこの取り組み、ちょうどタイムリーだとも言えますね。

このシステムを使えば、学校での授業ができなくても自宅から学ぶことが可能に。それだけではありません。必要なツールが用意され、学び方が分かり、学ぶ気持ちに火が付くと大人が不在でも勝手に学び出すということが証明されたのです。

さいごに

この取り組みを聞いて、いくつか感じたことがありました。

・学校であれだけ長い時間子どもたちを座らせて拘束する意味はあるのだろうか?
・管理指導を徹底するよりも、学び方を学んだ方が子供の学びは広がり深まるのでは?
・そもそも言語学習の目的を生徒と共有できているだろうか?

ポケットサイズの翻訳機の性能は日々向上しています。では、言語学習は何のためにするのか、教師はもっと真剣に向き合う必要があるのではないでしょうか。

次回は江藤の発表についてすこーしシェアします。
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