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ハプスブルク展

10月19日から上野の国立西洋美術館で開催の
ハプスブルク展に行った!

休日は、早くもチケット行列が出来ているそうだが、幸いわたしが行ったときは、すんなりと入れて、場内もほどほどの混み具合。

好きな絵もじっくりと見ることができて、満足。


見所たっぷりの展覧会だけれど、わたしにとってはとにかくこの

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ベラスケス。

最高の肖像画家といわれる彼の肖像画が3点!そして、ボデゴンと呼ばれる静物画(人物を描いているけれど)が1点。

眼福だった。

ベラスケスの初期の作品、「宿屋のふたりの男と少女」は、1618/1619年の作品。

見た瞬間に、カラヴァッジョ?と思うほど、光の具合が似ている。

ベラスケスが宮廷画家になる前に住んでいたセビリヤは、大貿易港だったから、カラヴァッジョの影響はあって当然かな?もしかして、彼の作品を見たことがあったりして!?なんて、想像すると、わくわくしてしまう。

肖像画は、近寄ってみると絵筆のあとが見えるようなタッチや、光を描く白の絵の具が意外に粗かったりと、驚きに満ちていて、それが魅力にもなっているが、この初期の絵は細部まできれいに仕上がっていて、その変化も面白い。


そして、フェリペ4世とその王妃イサベル、王女マルガリータ・テレサの肖像画が並んでいる・・・


400年の時をこえて、21世紀のわれわれに、描かれた人物の人となりまでが伝わってくる、そのすごさ。

モデルに対して、熱くもなく、冷めてもいない、ほどのよい距離感。

上品な絵だと思う。

フェリペ4世の、頼りない雰囲気と同時に生まれながらの王ならではの格。
王妃イサベルの誇り高さ。マルガリータ・テレサの幼いながらも自分の立場を理解し、そうあろうとする意思。
絵の前にしばしたたずみ、色々なことに思いをはせる、厚みのある時間だった。


この展覧会、公式HPで、主な作品が公開されていて、それを見るだけで鼻血ものなのだけれど、ものすごい作品が隠れていた!

マンテーニャの「イサクの犠牲」1490-1495年

彼の作品を日本で見られるとは!!!

それを事前に全く知らず、会場をぐるりと見回した目にこれが飛び込んできた時は、脳内が祭り状態!
内心は、「ぎゃー!マンテーニャ!ルネサンスの巨人!!!まさか彼の作品が来てるなんて!!なんで宣伝しないかな?!この絵のすごさを皆見てみて!!!」と、ひとり(脳内で)大騒ぎ。

大理石の上に描いたのかと思うような、手の込んだ質感の、完璧なデッサンと立体感、もう凄すぎて、ひたすら凝視。

マンテーニャの知名度が高くないせいか(イヤホンガイドにも取り上げられていないし)、この絵に注目する人は10人に1人もいなくて、おかげでじっくりゆっくり、気が済むまで見られたのは嬉しいけれど、この絵の凄さはもっと知られてほしいなぁと思う。


他にも、ジョルジョーネ、デューラー、ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼ、ハルス、ブリューゲルと錚錚たる名前が並ぶのだが、おお!!と自然に足が止まるのは、やはり「画家の王」ルーベンスとレンブラント。

すばらしかった。

絵だけでなく、工芸品や甲冑も面白くて、この巨大かつ質の高いコレクションを作り上げたハプスブルク家が、どれほどの存在だったのかを垣間見た気がする。

あぁ、ウィーンで全体を見たいなぁ。でも、日本にいながらにして、これが見られるのも、幸せだなぁ。


と、嬉しい気分で秋の味覚も楽しむ。

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中庭の緑が青空に映えて、気持ちの良い日だった。

展覧会はどれもそうだけど、後半は恐ろしく混むので、早めにどうぞ!

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