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愛が憎しみを生む原理

「かわいさ余って憎さ百倍」
ということわざがあるように、
科学的にも憎しみという感情は、愛情から生まれます。

彼や彼女が浮気して、
「許せない!」
と思うのも、愛情があったからこそ、そう思うんです。

愛情ホルモン

この「愛情」という感情は、
「オキシトシン」という脳内ホルモンの分泌によって生じる感情です。

恋人に対して愛おしく感じるのは、オキシトシンが分泌するからですね。
恋人だけじゃなく、子供や友人、親族や仲間に対して親しみを感じるのもオキシトシンのおかげです。

オキシトシンの分泌が増えると、
仲間意識が高まったり、弱いものを助けたいと思うのですが、
その反面、人間関係をギクシャクさせてしまうこともあります。

敵を作るオキシトシン

オキシトシンは、仲間意識や絆を強くしてくれて、
その絆を守ろうとします。

ただ、仲間意識を強くするというのは、
仲間だけ優遇し、仲間じゃない者たちを冷遇することです。

なので、オキシトシンは差別という感情も作ってしまいます。

オキシトシンが差別感情を作るのは、
外からやってくる脅威に対して、仲間を守るためです。

例えば、ウイルス。
外国人は外から病原菌を持ち込む可能性があります。
現に新型コロナウイルスは日本じゃなく、中国から持ち込まれたものでした。
外国人に対して差別的な目で見てしまうのは、
ウイルスなどの脅威からから自分たちを守ろうと防衛本能
なんです。

だから、世界中でアジア人に対する差別的な現象があったんですね。

大昔は、自分が住んでいる地域に、肌の色が違う人間は住んでいなかったのですが、
グローバル化した今は色んな人種の人が街を歩くようになりました。

僕たちの脳の進化は、文明の進化に追いついていないので、
差別はダメだと知りつつも、本能的に違う肌の人を避けてしまうんですね。

お互いに、お互いを差別し合う状況で、
争いが起こらないはずはありません。

また、オキシトシンは限られた資源を、仲間に優遇しようとします。
資源にありつけなかった人も、オキシトシンによって仲間を守ろうとするので、資源を奪おうとします。
こうやってナワバリ争いが始まり、今では領土争いとなっているわけですね。

そう考えると、
人間はオキシトシンのせいで戦争を繰り返しているのかもしれませんね。

仲間割れさせるオキシトシン

オキシトシンはカップルや親子、仲間などをつなぎ合わせるための愛情ホルモンです。
しかし、ときにオキシトシンは仲間まで分裂させてしまいます。

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