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clusterに救われた特化Vの話

clusterとは日本発のメタバースプラットフォームです

おいでなんし~!
cluster生活をエンジョイしている由宇霧と申します!
普段は23万登録突破のYouTubeチャンネルを運営している専業バーチャルYouTuber。
YouTubeでは性教育に特化した発信をしている特化勢VTuberです。
(商業本も2冊出している作家だよ!)

初めてclusterを使ったのは友人の藤林檎ちゃんが主催してくれたイベントです。
2020年11月時点のわっちはまだ3Dの体もないしVR機器も持っていませんでした。
PCのディスクトップモードでの参加でしたが、入室の仕方や操作がおぼつかない参加者のために林檎ちゃんが丁寧にリハをしてくれたのを今も覚えています。

時が経ち、Vroidで3Dの体ができてVR機材も揃った2022年。
自分の特化ジャンルである性の話は物理世界ではなかなか人と話せないので、clusterのようなバーチャル空間なら参加者さんも悩みを打ち明けやすいのではないかと思い初めて自分でイベントを開いてみました。

初めて自分で開いたイベント

普段のYouTube配信や匿名質問サービスマシュマロなどでは自分の性器のサイズに対する悩みや外見に対する悩みが多く寄せられるのですが、
当時のclusterイベントではほとんど出てきませんでした。
最初に思い描いていたような効果は得られず、この施策は失敗かと思いきや予想外の収穫がありました。
それは人1人のインパクトを知れたことです。
こちらの画像を見てください

このイベントに来ている人の人数は、ざっと画面を見る限り25~30人ぐらいです。
YouTubeの同時接続者数25~30人とclusterで体感する25~30人があまりにも違うのでとてもビックリしました。
過去YouTubeで様々なコラボをして同接数百人のライブにも出演しましたし自身のチャンネルには100万再生以上の動画が何本もありますが、そのどれでも体験したことない「1人のインパクト」を感じる事ができました。
プロとして日ごろからなるべく想像力を働かせて視聴数を数字としてではなくその数字の奥に1人の人間が居るのだと意識するよう心掛けてはいるのですが、その想像をはるかに超えるパワーを感じる事ができました。
これは、言語化すると「情報量」なんだと思います。
1という数字から得られる情報量と
エモートやアバターデザインから得られる情報量に大きく差があるのは一目瞭然です。
「イイね数」や「再生数」に圧縮されてしまった1人1人が解凍されたような体験にとても感動しました。

特化Vは自分の特化以外のジャンルの発信をするとガクっと再生数が下がってしまったり同時接続者数が減ってしまうという悩みを抱えやすい。
特化しながらもタレント性をきちんとアピールできている方は問題なく数字を獲得できていると思いますが、由宇霧はどうにもそれが下手でした。
去年からその壁を打開するべくタレント性を鍛える努力をしてきたのですがなかなか成果には繋がらず、それどころか「特化コンテンツが求められているだけで、ほとんどの視聴者は自分自身には興味が無いのだ」と落ち込んでしまう原因にもなりました。
その分、他のコンテンツも見てくれるおゆかり様とのコミュニケーションに多くの時間をとれるようになったのは良い事でした。

こちらの動画も、今思えば十分すぎるぐらい視聴されてるじゃんと思うのですが確かに動画製作費が回収できる数字ではありません。
(こちらの動画は作家さんと編集者さんに発注して制作していました)
こういうふうに、毎回予算や数字とにらめっこしてしまう自分にも嫌気がさしていました。
予算を考えるとやりたい事だけやるわけにはいきません。

しかし、clusterで「1人のインパクト」を知ってからは普段の活動も楽な物になっていきました。
YouTubeで同時接続者数が普段より少なくても、頭の中でclusterの体験と照らし合わせることで楽になりました。

時が経ち、少しずつclusterの操作に慣れてきたころ音楽ライブを主催しました。

普段YouTubeの運営ではあらゆるスタッフにお金を支払ってコンテンツを制作しているのですが、このイベントは全員ボランティアで開催されました。
正直めちゃくちゃ戸惑いました。
演出、カメラ、警備、出演と色んな人に協力してもらっているのに、しかもめちゃくちゃ手厚く助けてくれてるのに、払わなくて良いんだろうか、頼んでしまって良いんだろうかと不安になりました。
ギフトの分配に関しても「こういうのは持ちつ持たれつですから」とお言葉をいただき頭の中は「Whats?!?!?!?!?!」でいっぱいに。
この言葉の意味がわかるようになるまでそう時間はかかりませんでした。

「持ちつ持たれつですから・・・・」この言葉を胸に生きていたある日
Twitterでclusterイベントのカメラマンが急募されていました。
いつか、やってもらったことを返すためにとカメラ操作用のコントローラーを購入していたのでお手伝いすることになりました。
もちろんボランティアです。

ここで完全に理解しました。
スタッフも楽しいということを。

ここ数年は専業VTuberとして自分でかじをとり、生存し続けるために臨機応変にあらゆる役職を同時に1人でこなしていました。
ですが、イベントスタッフでは「ロール」が与えられます。
このカメラマンというロールによって安心感や居場所感を感じることができました。
明確に主催さんや出演者さんや参加者さんの役に立てている実感も持つことができました。
なぜなら、自分が主催した時に本当に助かった経験があるから。

特化Vとして誰が投稿したかわからないマシュマロに返信し続け、本当に投稿主にメッセージが届いているのかもわからなかった時期は「だれのためにやってるんだろう」と落ち込んでしまう事もありました。
近くで支えてくれたおゆかり様たちのお陰でなんとか続けられていました。
この経験があったからこそclusterでのスタッフ体験はしみるものがありました。

お金を支払いあうからこそ得られる信頼関係や、成果物があるのは間違いありません。
だけど同時にお金を支払いあわないからこそ得られる信頼関係や成果物もあると知りました。
お金は信頼の担保ですが、同時にハードルやストッパーになることがあります。
予算がいくらだから、今回はこのぐらいまで妥協しないと仕事として成り立たないなとか、こんな予算もらえるほどの実力がないから受けられないなとか、いろんな事を考えます。
プロとしてやってきたからこそ払うこと、払われることを大切にしてきたし、商品になるようなものを出さなければと気を張り続けてきました。
わっちの場合は身バレという問題にも気を張っていて、物理世界では親や友達にも職業を言わず、新しい人間関係も作りにくくなっていました。
そうなると、すべてが仕事になってしまうし、仕事クオリティのものが「正解」のような思い込みをしてしまいます。
でも、そうじゃないんです。
有志で「やりたいから」という理由で開催される催しにしか出せない光もあるし、そこでしか得られない心の栄養もあるんです。
文化祭のダンスや部活の引退試合にしか出せない美しさがある。
町内会の運動会でしか得られない満足感がある。
それは商業の表現や試合と比べるようなものではない。
そのことをすっかり忘れていた自分が恥ずかしくなりました。

そして、こういう有志の輪から生まれた文化や技術が結果的に仕事になることだってあるんです。
むしろ、先駆者になる人達はそういう営みの中から生まれるのではないでしょうか。

clusterでは収益を生み出せるように頑張る人も居れば、自分たちの「やりたい!見せたい!」を実現するために頑張る人も居ます。
実際はYouTubeやVTuberもそうなのですが、なぜかその辺が見えにくくなっていたり、わかりあうのが難しくなってしまっていた。

先日MCとして出演したこちらのイベントも映像業界の方々が運営メンバーにおりアーカイブも見ごたえがあるものになっています!見て!

そんなわけで、clusterに継続的に足を運びコミュニティに参加することで自分の中にこびりついていた当たり前を壊すことができたし、状況はそんなに変わってないはずなのに毎日とっても楽しくなりました。
自分を苦しめているのは、自分の思い込みだったんです。
だから由宇霧はclusterという居場所に感謝しているのです。

今月は出演も裏方もいっぱいイベントがあるのでぜひ会いにきてね~!


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