触発される記憶
30年前、
朝一揃えるデータを全て無くした。
これでもかってくらい叱られて、
やり方と目的をクドクドと説明され、
「そんなの分かってる。なんなら、マニュアル一冊復唱してやる。」
って、思ったけど、
出来ない自分が悲しくて
涙がとまらなかった。
大人なのに泣くか?
ってくらい泣いたんだけど、
イサギヨイ泣きっぷりに、今では笑える。
その夜、遠恋の彼に電話をかけた。
「なんか凄い近くに感じるね。」
笑ってる顔が浮かぶ。
自分も、隣にいるくらいに感じた。
なんなら、温もりが伝わって来そうだ。
「なんで一緒に居てくれんの?」
記憶の連鎖で、余計なものまで引っ張り出す。
今では、
仕事より、こっちの方が悲しいと思う。
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