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食養生って何?どうしたらいいの?

こんにちは。
台湾から、女性のためのいたわり薬膳を日本にお届けする、YUEZU from TAIWANです。
前回は産後の不調について、漢方の視点からお話ししました。今回は、前回触れた「食養生」について詳しくご説明します。特に産後の女性にとって、食養生がいかに大切かをお伝えしていきます。


「薬食同源」を実践する食養生

食養生とは、簡単に言えば「食事を通じて心身の健康を整えること」です。中医学には、「薬食同源」(=「医食同源」)という考え方があります。
これは、日々の食事同じ根源を持つという意味で、適切な食事によって病気を予防し、健康を維持できるという考え方です。

産後の女性にとって、食養生は特に重要です。なぜなら、前回お伝えしたように、出産と授乳で大量の「気」と「血」を消耗するため、その失われた気血を補う必要があることと、出産後の大きなダメージを受けた体は、他の養生を行いたくてもできる余裕がない、つまり毎日の「食」による養生が一番効果的で大切なのです。

 

産後の食養生:どうしたらいいの?


産後の食養生の基本は、失われた「気」と「血」を補うことです。具体的な方法をいくつかご紹介します。

 1. 「気」を補う食事

気を補うには、温かい食事を中心に、気を補う食材を適切に取り入れていくことが大切です。

【おすすめの食材】
- 根菜類(人参、ごぼう、れんこんなど)
- 穀物(玄米、もち米、押し麦など)
- たんぱく質(鶏肉、卵、大豆製品など)

【 調理法】
- 煮物や蒸し料理など、じっくり火を通す調理法が良いでしょう。
- 生野菜よりも温野菜を心がけましょう。

 2. 「血」を補う食事

血を補うには、栄養価が高く血を補うのに良い食材を意識的に選びましょう。

【おすすめの食材】
- 赤身の肉(牛肉、羊肉など)
- レバー
- ほうれん草などの緑黄色野菜
- クコの実、なつめ

【 調理法】
- スープや煮込み料理がおすすめです。
- 鉄分の吸収を高めるため、ビタミンCを含む食材と一緒に摂るのが良いでしょう。

3. 「水」のバランスを整える

水分バランスを整えることも大切です。

【おすすめの飲み物】
- 温かいお茶(ルイボスティー、ジャスミン茶など)
- スープ
- 甘酒(ノンアルコール)

【避けたい飲み物】
- 冷たい飲み物
- カフェインの多い飲み物
- アルコール

 4. 消化に優しい食事を心がける

産後すぐは消化機能が弱っていることが多いので、消化しやすい柔らかい食材を選びましょう。

【おすすめの調理法】
- お粥
- スープ
- 蒸し料理

【 避けたい食べ物】
- 油っこいもの
- 生もの
- 刺激の強いスパイス

 座月子(ズオユエズ)の文化と食養生

ここまで食養生の基本をお伝えしてきましたが、実は台湾には、この食養生の考え方を取り入れた伝統的な産後ケアの文化があります。それが「座月子(ズオ・ユエズ)」です。

座月子(ズオユエズ)では、産後約1ヶ月間、母体の回復に専念する期間を設けます。この期間中、新米ママは家族や専門家のサポートを受けながら、徹底的な休養と特別な食事療法を行います。この産後のための食事、=産後養生食を「月子餐(ユエズツァン)」といいます。

月子文化における食事は、まさに食養生そのもの。気と血を補い、母体の回復を促進するよう考えられた特別メニューが用意されます。

例えば・・・

1. 麻油鶏(マーヨージー):ゴマ油と一緒に調理した鶏肉料理で、体を温め、気と血を補います。
2. 魚のスープ:たんぱく質が豊富で、母乳の質と量を改善するとされています。
3. 紅棗茶(ホンザオチャ):なつめを使ったお茶で、血を補い、リラックス効果があります。

これらの食事は、先ほどご紹介した食養生の原則にぴったり当てはまりますね。

食養生の考え方に根ざした、台湾の産後ケア

食養生は、日々の食事を通じて心身のバランスを整える素晴らしい方法です。特に産後の女性にとっては、失われた「気」と「血」を補い、心身の回復を助ける重要な役割を果たします。

そして、この食養生の考え方は、台湾の伝統的な産後ケア「座月子」の文化にも深く根付いています。

次回は、この「台湾の座月子(ズオユエズ)」について詳しくお伝えします。お楽しみに!


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