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炊き出しとおれの気持ち②

前回の記事はこちらから

早いもので新宿租界炊き出しも二か月位たったな
ストリートで聞いた話から感じた事を殴り書きする、乱文、誤字は勘弁

初めは笑顔、会話すら無かったホームレスのおっちゃん等も色々と話してくれる様になって来た。

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食事を通して心が少しずつ開けているのかもしれない。おれ達が冷やかしやネタでやっている事じゃないのが伝わっているのかもしれない。
そりゃ社会から断絶されて白い目を向けられている毎日を過ごせばそうなるのは必然である。

最近は必ずと言っても良いほど【次はいつ?】って聞かれる
その度におれは「火曜日は必ず来るからね」って答える
その言葉を聞くと安心した顔をするおっちゃん等がいる

中には情報通なホームレスさんもいて手書き炊き出しマップを作ってる30代のホームレスさんもいる。そこに新宿租界火曜日18時~って追加された時は嬉しかった感情が今でも忘れられない。


情報通のホームレスさんによると、自分は若いから炊き出しに行けるけど足腰が悪くて来れない人も沢山いるとの事、そんな人の為に自分は炊き出しマップを配ってるとの事、自分の明日の飯も確約されて無い状況で他人の飯の心配してる。普通に生活したら出来る事では無いし、そんな考えも生まれない。ストリートで生きているからのこその発想だと感じた。

人と人は助け合い


どんな環境化にあっても人を思いやり、人の事を考える事が大切なんだど痛感させられた。
ホームレスの方々もコミュニティが在ってお互いに支えあって生きている。
炊き出し当初こそは無かったけど、最近は足が悪い仲間がいて「お持ち帰りいい?」って遠慮がち聞いてくる人もいる。炊き出しでおかわりって思われるのが嫌で言えなかったんだと今になって感じる。
おかわり出来る炊き出しなんてまず無いのが現状。

この手書きで炊き出しマップを作ってるホームレスさんに聞いた話によると、別の団体がカレーを250食限定で毎週配ってる時期があったらしい。
その際にその情報を広げすぎて人が集まりすぎで中止になったんだってよ。
集まり過ぎて中止、そりゃそうなるよな。
食事だって作れる数に限りがあるし、今年なんかはコロナの影響で色々と壁がある。だから今は炊き出し情報は最低限にしているだってさ。

ここにも理由があって、生活保護があるのに炊き出しに並ぶ人もいる。
ストリート一本で生きている人にとって生活保護うけながら炊き出しに並ぶのは違うのでは無いのか?って思いがある様だ。
ストリートで生活している人に、「なんで生活保護受けないの?」と聞くと皆答えは同じ。
「散々社会に迷惑掛けて来て今更頼るのはな」って答える。
おっちゃん達の意地にも思えたし、それだけ悪い行いをしていたんだなと悟れる言葉であった。

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おれより1周り2周り上、自分の親世代の人達のおかげで今のおれ達がこうして毎日過ごせるのは「おっちゃんのおかげなんだよ」と心から言いたかったのを握り潰してぐっと堪えた。
それはおっちゃんにとって重い言葉になるかもしれないと感じたから

世の中の見方が変わった

おれが驚いたのが、炊き出しをしていると足を止めて社会の人が話けてくれる事。
「何してるんですか?」
こんな言葉を言われるのは警察か怖い人しかいない世界で生きて来たおれは、まず構えてしまった。
だがそれが間違いだとすぐ気が付く。
「寄付したいです」「頑張って下さい」「何か手伝いしましょうか?」
そんな言葉を一般社会の人が通りすがりに言ってくれるんだぜ?
優しい世界ってやつだよ。そんな世界は無いと思っていたおれを一瞬で否定させられた出来事だった。こんな時代で正体不明な炊き出し団体にこんな声かけてくれる人もいるんだと心が熱くなった。

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3年前のおれなら確実に何かの宗教かヤバイ団体だと思ってスルーしたな。


事実、色々な方が炊き出しに賛同してくれて、寄付をしてくれている。
洋服の寄付、食事の寄付、言葉の応援、全てがおれ達の活力になるしストリートで生きている人の力になる。
人と人は助け合いまさにこの言葉がしっくりくる。

逆に悪い人間もいる。
同じ人間として恥ずかしいし許される事では無い。俗に言う外道。
良いことは報道されず嫌な事だけを発信するのも違うと感じる、世の中には本当におれ達みたな団体に声を掛けて、優しい言葉をかけてくれる人も沢山いるって事をおれは伝えたい。自分自身の経験でそう感じたから。


9月からホームレス

今日炊き出しをしてると、代々木公園で初顔の人と会った。

年齢は凡そ40代の女性。
おれ達の炊き出しを見つけるなり、そわそわした目で見てきた。
見た目は小奇麗、とてもホームレスと呼べる身なりでは無い。
「よかったら食べますか?」
一言声を掛けると、気さくに話をしてくれた。

3か月前に完全に路上に暮らす様になったみたい。
元々は派遣で事務職に従事していた。
昨今の煽りで退職を余儀なくされた、再就職の為色々な面接も受けたけど不採用。話した印象ではおっちゃん達と違って社会に最近までいた話し方と仕草、おれからしたら全然普通にどこでもいるおばちゃん、そんな人が路上生活をしなければならない、今どれだけ世の中が大変か実感した。
まだ路上での生活に慣れていない様子で、炊き出しもどこでやってるかわからないし、知り合いもいないと不安そうに話しているのを今でも鮮明に覚えている。来週火曜日におれのしっている限りの事を教えたいと思う。

感謝の気持ち

炊き出しをしていると時にお礼をしたいと何かをくれる人がいる。
おれからするとこちらこそありがとう。その気持ちしかない。
ホームレスの人達もおれ達に何かしたくてお返しをしてくる


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これは書き途中の小説なんだってさ。
完結するまで必ず渡すって。
文章は何書いてあるか全く意味不明だが、物語は最後まで分からない。
もしかしたらこの先にこのおっちゃんが有名な作家さんになる事があるかもしれない。その時はおもいっきり自慢するぜ
これからもおれに続き読ませてくれよ。おっちゃん。

メリークリスマス


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