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未知の海洋怪物、倒すべし

惑星スリーテイルズの海は地球の海より緑色が濃く白い雲と海が水平線の端まで広がっている。穏やかな涼しい風が緩やかに浜を撫でる。
その波打ち際で重機が桟橋を組み立ている。少し離れた小高い丘では、4本足2腕の巨大重機タスマニアンGCを中心に大中小の重機が忙しく動き新スリーテイルズ星立生物研究所を建設中だ。

「ン?」
そのタスマニアンGCの操縦者は海の異変を察知した。沖で波しぶきが立っている。彼は右のサイバネティクス義眼で波しぶきをズームインする。
『どうしたテッツァン?』
地上の現場監督から通信が入る。
「監督、沖から大型の生物が次々とこちらに向かって突進してきます」
『港湾口には生物の浸入を防ぐために海底から海上数メートルまでごっつい網壁が設置されてるから大丈夫じゃねえかな?』

ガン!ガン!
何かが次々と網壁に激突する音が砂浜に響く。その場にいる全員が作業する手を止め、旧研究所の窓からも研究員達が一斉に海を見る。
その中の一人ガラシ研究員も茶を飲みながら眺めていた。
「なんだァ?スリーテイルズオオウミヘビが何やッてンだ」


ドォォォ!
突如巨大な水柱が上がった!
4mはあるオオウミヘビが空中へ放り投げられる!謎の巨大生物が舞い上がりオオウミヘビを捕食して海中に消えた!

それを見た全員が硬直し、同時にガラシ研究員は鼻と口から茶を吹き出した。


『桟橋組は今すぐ全員逃げろ!』
「ウワァーー!」
一瞬の静寂の後、現場監督の避難指示が下され作業員達が一斉に砂浜から離れる。
「ワオ!何だアレ?!」
一方で研究員達は未知の生物の出現に目を輝かせて盛り上がっていた。

轟音を上げ巨大な水柱が再び上がる!

ギィヤァァァァッ!!

咆哮を上げモササウルスめいた巨大生物が壁を飛び越えた!
「ウワァーーーッ!」
悲鳴が同時に上がる!

直後タスマニアンGCが巨体をジャンプしながら丘を駆け下りた!彼は巨大な鉄板を持った両腕を構え、砂浜で立ち塞がるように立った。


【続く】

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