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夏の終わり、新しい空。

最近、新しい生徒が加わりました。
同業他校の先生からの紹介です。

「話聞いたらこの子は山本先生のところで勉強した方がいいと思ったから紹介したよ、見学行くと思うからよろしくね」と。

言わばライバル校です。
生徒囲い込むのが普通でしょう。
でもこの先生は違う。

客観的に目の前の転校先を探す生徒にどんな場所がふさわしいかのみ考えている。
野心や承認欲求ではなく、矜持を持って生徒と向き合っている。他人を利用するとかライバルを出し抜くとかも一切ない。
生徒のために駆けずり回るひと。

心から尊敬できる先輩です。
いつも長電話してしまいます。
なんだかホッとして本音で話してしまうんです。
そして、私も考え方はほぼ同じなので嬉しくてたまりません。
自分が間違っていないのかもなと答え合わせにもなり自信になります。

もちろんこちらに来た人を紹介もします。
先日は保護者の方がウチに見学に来た後、こんな学校もあるよと教えたら見学に行きたいと言うので、私がアポを取って先方の教室まで歩いて案内しました。

他人を蹴落とすことしか考えていない同業者にはクレイジーと映るでしょう。
でも、この割と特殊な仕事での職業倫理、矜持があれば「生徒に次はミスマッチをさせない」ことがどんなに大切か理解できるはずです。

ウチは他の通信制高校からの転校組も毎年います。
ミスマッチとわかっていながら、いや、生徒の内側を少しも知ろうとせず、誰でも彼でも入学させてしまえばそりゃミスマッチも起きますって。

私は、見学者には必ず、
「たくさんの学校を見に行こう」
「自分が何を大切にしているかしっかり考えて、自分の意思で学校を選ぼう」
「可能なら何度も体験入学して1日の雰囲気をつかもう」
と勧めます。

聞けば尊敬するその先生も同じことを昔から伝えてきたとか。嬉しくなります。

これからも先生の背中を追いかけていきたいし、努力して追いつきたいと思っています。
大好きな先生なので、これからもお付き合い出来ればと思っています。

そしてこの生徒の前籍校にご挨拶に伺いました。
公立の進学校だけど先生方に温かく迎えていただきお話を伺うと、生徒のことを大変心配しておられました。
この先生方の想いも背負って、生徒には幸せになってもらおう、そのために尽力しようとあらためて思いました。

本校の他の生徒同様、ただの優等生ではない、複雑な内面の一端を会話の中で感じました。
これから紆余曲折、簡単には物事は進まないかもしれないけれど、対話を通して道を切り開いていってくれたらいいな。本人には、

「これからは自分のために生きるんだよ。自分のために学び、笑い、何事も楽しもうぜ」
と伝えました。

「失敗してもいい。カッコつけるな。キミがもし逮捕されるようなことがあったとしても俺は見捨てることはない」
これは本気で思っているし遠い昔には本当にそういうこともありました。

こちらも腹括ってるから腹括ってしてぶつかってこい、これが私のやり方です。笑ってリラックスして、じっくり信頼関係を結んでから対話を重ねます。

先生方に託されたこの生徒、精一杯愛して、鍛えます。笑顔で卒業していってもらいたいと願うばかりです。

新しい空の下、どうか楽しく。

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