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コレクティブル資産の証券売買PF Rally/成長企業向け“revenue-based” finance Uncapped/スタートアップ従業員向けストックオプション行使アドバイザーSecfiが資金調達ほかー5/16週注目のFintechニュース

こんにちは。最近はジムには行かず、自重トレーニングに目覚めているZ Venture Capitalの湯田(twitter: yudamasak1)です。
今週もFintechニュースをどうぞ。

資金調達

<厳選>

1. Rally/コレクティブル資産の証券売買プラットフォーム

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設立:2017/米国NY
調達金額:$30M/SeriesB
主要投資家:Accel、Upfront Ventures、Social Leverage他
URL:
http://www.rallyrd.com/

Rallyは希少性の高いカード、漫画や本、スニーカーや車などの商品を株式にして1株あたり1ドルという少額から売買可能なオルタナティブ投資プラットフォーム。Accelが主導するシリーズBラウンドで$30Mの調達を完了した。
2017年にクラシックカーを公開したことを皮切りに順調に投資家数を拡大しており、第1四半期は前年同期比+575%の成長を見せている。現在Rallyには15のカテゴリーがあるが、今回の資金調達により知的財産権、ロイヤルティ、不動産などのキャッシュフローを生み出す資産を含む新しいカテゴリーを拡大。また、NFTにも対応しデジタル資産も拡充していく方針のようだ。

実際に販売されている商品の一例(2021/5/23時点)

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なお、Rallyの競合にはOtisがいる。

参考記事:Rally Raises $30 Million Series B Led by Accel To Make Everything in the World a Tradable Asset

2. Uncapped/成長企業向け“revenue-based” finance

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設立:2019/英国London
調達金額:$80M/-
主要投資家:Lakestar他
URL:
https://us.weareuncapped.com/

SaaS企業などの年間収益(=ARR)を元に成長資金の投資を行うPF、Pipeが$2billionの時価総額で$150Mの資金調達をしたことが記憶に新しいが、同様のモデルが各所で急速な成長を見せている。Uncappedは2019年に設立されたロンドンを拠点し、従来の銀行融資やベンチャーキャピタルの出資に加わる新たなオプションとして企業に対して成長資金を融資するスタートアップの一つ。今回Lakestarが主導するラウンドでdebtを含む$80Mを調達した。24h申込みが可能で企業が9か月の取引履歴データの提供と6%の定額手数料の負担をすれば、個人保証、信用調査、事業計画、ワラント、エクイティなどを必要とせず迅速に資金を提供する。昨年にはVISAカードの発行機能を提供。今後はAPIを元に提供された企業のデータを元にデジタルバンクのサービスを拡充していくようだ。このトレンドはSaaS企業だけでなく、eコマースセクターにも及んでおり、Clearco(旧Clearbanc)などが有名。Uncappedもeコマースセクターへの展開を予定している。

参考記事:Uncapped, which provides upfront revenue to digital companies, raises $80M in funding

3. Secfi/スタートアップ従業員向けストックオプション行使アドバイザー

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設立:2017/米国San Francisco
調達金額:$150M/Debt
主要投資家:Serengeti Asset Management他
URL:
https://www.secfi.com/

Secfiは、スタートアップの従業員がストックオプションをいつ行使するか、どのくらいの税金がかかるか等、ストックオプション行使の意思決定を行うのに役立つパーソナライズされた情報提供を行う"Pre-Wealth Management"プラットフォームを提供している。2020年1月の$550Mの資金調達に続き、$150MのDebtによる調達を完了した。米国を拠点とするユニコーン企業の80%の従業員が利用しており、$10 billionを超えるストックオプションが登録されている。2020年のコロナ失業、前例のない数のIPO、SPACの合併、直接上場がSecfiの需要の増加と急速な成長をもたらしたという。SecfiのシリーズA投資家でもあるNYのヘッジファンドSerengeti Asset Managementによる今回の追加融資は、Secfiがノンリコース融資を提供し、従業員が自己負担なしでストックオプションの行使をできるようにするパートナーシップを結んでいることが背景にある。

参考記事:https://news.crunchbase.com/news/secfi-secures-150m-round-to-walk-employees-through-complex-world-of-stock-options/

<その他>

Figure Raises $200M, Valuing Blockchain Mortgage Firm at $3.2B

More funding flows into Pipe, as buzzy fintech raises $250M at a $2B valuation

Amount raises $99M at a $1B+ valuation to help banks better compete with fintechs

Extend raises $260M on a $1.6B valuation to expand its warranty and protection plan services

Fintech startup Vise raises $65 million in Series C led by Ribbit Capital

オーストリアのBitpandaが取引プラットフォームを暗号通貨以外にも拡大、約185億円調達し評価額約1310億円に

ドバイを拠点とするP2P決済fintechMamoが800万ドルを調達

決済スタートアップNayaxがIPO、1億3000万ドル調達

オープンバンキングプラットフォームTinkが、ドイツの決済企業FinTecSystemsを買収

Banking-as-a-serviceプラットフォームOmnio、3000万ユーロ(40億円)を調達

ShiftTechnology、最近の資金調達でフランスで最初のインシュアテックユニコーンに

英国のフィンテックワイズは最新の資金調達ラウンドで1億6000万ポンドを調達

米国-イスラエルのフィンテックSunbitが1億3000万ドルを調達し、ユニコーンの地位を獲得

元メリルのバンカーが創業した金融取引アプリ、50億ドル超える評価額

Daily payが$500Mを調達

ComplyAdvantageがゴールドマン・サックスの新規投資によりシリーズCラウンドを7000万ドルに拡大

Sequoia leads $5m round for Egyptian digital bank Telda

Brazil's financial social media platform TradersClub seeks $565 mln valuation in IPO -sources

海外Fintech関連

米ゴールドマン、デジタル銀行の英ユーザー向けにロボアド開始へ

PlaidのCEO Zach Perretが$30Mの投資ファンドをローンチする模様

Ant Groupの2020年業績推測年間純利益575億元、前年比で239%増加

インドネシアの2大スタートアップGojekとTokopediaが事業統合、新会社GoTo Groupを設立

FacebookのDiem、ステーブルコイン計画と米国への戦略的移行を発表

国内Fintech関連

金融にSaaSモデルで挑むウェルスナビ国内ロボアドで一人勝ち
預かり資産額は1年で4,025億円、国内ロボアド市場における成⻑額の73%を占める。営業収益は78%増加し、8億9,700万円。顧客数は26.9万人、1人あたり預かり資産残高は約150万円。平均月次解約率1%以下、ARPU(ユーザー1人あたりの月間収益)は年間20%増加。

【速報】「ブロックチェーンを国家戦略に。」⾃⺠党国会議員有志によるブロックチェーン推進議員連盟が提言内容を発表

みんなの銀行、目的別の貯蓄機能「ボックス」を提供開始

読み物

Marqeta S-1 teardown
カード版Stripeとも呼ばれるMarqetaが上場申請を行い公開されたS-1資料の大解剖記事。必読

「CBDCが金融システムを混乱させる可能性」、米格付け会社フィッチ
フィッチはいわゆるリテール型(小口決済型)と呼ばれるCBDCについて以下の2つを主なリスクとして示している。
①市中銀行の預金口座からCBDC(中央銀行)の口座へ、資金移動の流れが急速に増加するリスク。(「金融の仲介機関(市中銀行)の排除」が起こり、金融システムの混乱につながりかねない)
②中央銀行と一般経済との接点が増えることで、サイバーセキュリティの脅威が高まる可能性。
一方で利点として、キャッシュレス決済の強化による恩恵(決済コスト、スピード、回復力の向上)銀行口座を保有しない層の金融包摂、金融取引データの追跡能力の向上による金融犯罪防止、さらに、プログラム可能なCBDCの特性を生かし、災害支援や景気刺激策の一環として、CBDC口座への直接送金など、新たな政策の選択肢を広げる可能性などをあげている。

最後に

フィンテックの大型調達が止まりませんね。今週だけでも何社もユニコーン以上級のスタートアップが生まれたと思います。

1のRallyは面白いサービスでした。
最近の動向として仮想通貨やNFTに加えて、未上場株、コレクター資産など様々なアセットへの投資の民主化が進んできていますね。

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