野球分析の基本の「き」

先日このようなツイートをTwitter上で見かけ、野球分析の基本の「き」を忘れないようにしようという旨の記事である。

野球に関わったことのある人間ならば、このツイートのどこがおかしいのか、すぐにわかると思う。
ショートがリトルリーグからMLBまで特別なポジションという扱いを受けているのは、その仕事量の多さと難しさ所以である。
仕事量の多さというのは単に守備機会そのものの多さだけではなく、二遊間や投手捕手との連携、外野からの送球のカット、シフト時における守備位置の変更といった様々な要素をこなさなくてはならないということである。
それを1イニングあたりの守備機会というデータだけで判断するのはあまりに短絡的と言わざるを得ない。
数字を分析するときにおいて、可能な限り関連する事象を網羅すし、多角的な分析を行うというのはもちろんだが、実際の野球の試合を見て、数字と現実とのギャップを埋めるための感覚を養うということも大切であると考えている。
極端な例になるが、野球を全く知らない人に対して、打率.250の打者と打率.333の打者は12打席に1度(1/3-1/4)ヒットが出るか出ないかの差しか無いから、打率はあてにならない指標だよと言ったら信じてしまうのではないだろうか。
だがIchiroとKhris Davis(打率.247の男)とではヒットに対する期待というのは天と地ほどの差が存在している。

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ツイート主のプロフィールを見ると、アナリストを本業としているということがわかるが、そんな人でもこのような初歩的なミスを犯すのだから、自らも同じ轍を踏まぬよう気を付けていきたい。

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