
エコフレンドリーなソックヤーン 2021 (1)
靴下向けの毛糸・ソックヤーンというと、スーパーウォッシュ加工(防縮加工)されたウールにポリアミド(ナイロン)が20〜30%程度混紡されていて、撚りが強くかけられていて、洗濯機で洗っても縮まないというタイプのものが主流です。(ソックヤーンでも、実際にそういった効果が発揮しきれていないものもあります)
最近では、環境への配慮のため、スーパーウォッシュ加工やポリアミドの使用を避けたり、環境負荷の少ないポリアミドに置き換えたり、エコフレンドリーなソックヤーンも種類が増えてきました。(♡)
日本で買いやすい毛糸も増えてきたので、私が知っている「エコフレンドリーなソックヤーン」をまとめて見られるリストにしてみたかったのですが、長くなってしまったので、何回かに分けて紹介したいです(書ききれるかな)。第一回目は、ノンスーパーウォッシュでナイロンフリー、100%天然素材の毛糸を紹介します。お買い物の参考になりますように。:)
・「メーカー名, 糸の名前」の順番で記載します。
・太さはすべてfingering weight〜light fingering weight(中細)。
・2021年9月時点での状況に基づいて紹介しています。
・コメントは私の主観です。実際のところは編んで履いて確かめてみてね。
・まとめ記事等への転載はご遠慮ください。
1. ノンスーパーウォッシュ+化繊不使用の毛糸
防縮加工をしていないナチュラルウールは、羊毛本来の暖かさや風合いが魅力。上手に付き合えばスーパーウォッシュの毛糸に劣らず、長く使えることもあります。今回紹介しているものは、数回の洗濯では縮みが気にならない糸ですが、何度も洗ってフェルト化が進むと縮みもでます。私が編むときは、いつもより1〜2段長く編んでおく程度のゆとりをみるようにしています。手洗いの方が、フェルト化のペースはゆるやかになります。
■ Retrosaria Mondim
ポルトガル産ウール100%。日本でもすっかり大人気、取扱い店も沢山増えました。色のロット差がなかなか激しいけれど、どのロットもよかったりするくらい、とにかく色が魅力的。手染め糸に比べると安価です。(手染めのmondimもあります)
mondimを使ったYuccaのパターン: Vega、Signal and Signaless、Yonaga、Tenkai (reversible)、NENE、NORA、Hina、nana iro、YY、mani-mani(10足!)
Yonaga
Signal and Signaless
■ mominoki yarn Finnwool
mominoki yarnが染めるフィンランド産ウール100%。酸性染料で染めたもののほか、天然染料で染められたものも時々発売されます。モケモケの毛足の効果もあってか、特に暖かい編地になる気がします。finnwoolソックスをヘビロテしたレポートはmominoki yarnのブログでどうぞ。ずっとウェアも編みたくて、今年ついにカーディガンを編んでいます。うれしい!
Finnwoolを使ったYuccaのパターン: Cinnamon、Etupirka、iro iro、nana iro、Kissani、Pochi
iro iro
■ mominoki yarn Ramie Silk
ウール(ノンスーパーウォッシュ)60%、シルク20%、ラミー20%。シルクとラミーが入っているので、多湿な日本にぴったりの素材。ラミー入りなので編むときにすこし硬さがあるので、写真のVegaを編んだときは、いつもより太い針を使いました。きれいな発色にラミーとシルクの光沢が、模様編みに素晴らしく映えます。
Ramie Silkを使ったYuccaのパターン: Vega(私の作例では使っていませんが、Cinnamonにもおすすめ!)
Vega
■ Harada Wool Epic Sock
コルモ種のウール(90%)に、nature's nylonとも呼ばれるモヘアをブレンドした、靴下にはちょっと贅沢なくらい、ふかふかのナチュラル毛糸。お値段高めにみえますが、1カセの量が120g前後あり、女性サイズなら2足分とれそうです。模様編みのウェアやショールも絶対ステキ(溜息)。
Epic Sockを使ったYuccaのパターン: Vega、Lolo、Panna
Vega / epic sockとmondimの組み合わせもよいです♡
■ Woolly Mammoth Fibre Company Natural Sock
50% Bluefaced Leicester, 50% Cheviot。天然染料、ノンスーパーウォッシュ、ナイロンフリーにこだわっている手染めブランドのソックヤーンです。Ericaというパターンで使いました。かさっとふわっと、素朴な雰囲気の糸です。(送料が高めなので日本でも買えるとよいですね)
Erica
■ Tamayura Yarn Gotland 4 ply
75% Bluefaced Leicester、25% Gotland、ノンスーパーウォッシュ。BFLに、希少性の高いゴットランドシープがブレンドされた毛糸です。こちらはまだ編んでいる最中なのですが、BFLとGotlandの艶が美しく、毛足が長くてナチュラル感たっぷり。ショールやセーター、模様がかっこいい大物を編んで、ブロッキングをばしっと決めたら、気持ちいいだろうなぁ。
参考)Gotlandの素材を検証してみました / Tamayura Yarn blogより
編みかけのGotland 4ply ソックス。
■ おまけ ■
届いたばかりの毛糸もおまけに二つ。(Tangled Yarnで購入)
<左: LITLG Corriedale Sock> Corriedale 100%。お店のコメントに靴下にもおすすめとあったので。カセをにぎにぎすると、柔らかさと弾力があって、羊の香り。ケーブルとか立体感のある模様編みにしてみたい。
<右: Raincloud & Sage Nord> メリノ (70%)、 Ostfriesisches Milchschaf (30%)。靴下の作品もあるようだったので。よくあるタイプのスムースなメリノ糸とは違っていて、かさかさっとした、編み込みに向きそうな毛糸です。epick sockと編み込み靴下にしてみるのもいいかな?
以上、靴下におすすめの ”ノンスーパーウォッシュでナイロンフリー、100%天然繊維だけの毛糸” のご紹介でした。(ちょっとコメントを添えるだけのつもりが、なかなかの分量に。おつかれさまでした。)
次回以降は、
・スーパーウォッシュ+化繊不使用の毛糸
・ノンスーパーウォッシュ+生分解性またはリサイクルのポリアミドの毛糸
・エコな防縮加工+リサイクルのポリアミドの毛糸
などを紹介していきたいと思います。(時期未定)