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ちいかわがでかいという矛盾 ◆ 水曜日の湯葉137

越谷レイクタウンに行ったら「ナガノマーケット」というのをやっていた。バルーン製のでかいちいかわがいた。ちいかわがでかかったら「かわ」しか残らないのではと思った。

ちいかわたちがナガノさんの扮装をしているパネルもあった。「キャラが作者の扮装をする」って初めて見た。逆はたまに見る。

通りすがった古本屋で古雑誌をいくつか買った。コレクション趣味がほぼない僕にとって古雑誌は数少ない「積極的に集めてるもの」である。1冊100円くらいなので懐がまったく傷まない。

1986年の『科学朝日』。聞いたことのない名前だが2000年に廃刊したらしい。ボイジャー2号が天王星の写真を送ってきた、10万円を切る日本語ワープロが発売された、テレビを薄型化する液晶やLEDが研究されている、といった話がなされている。

「トップクォークは見つかるか?」「重力波は検出できるか?」「ニュートリノに質量はあるか?」といった当時の疑問は現在ぶじに解決しており基礎科学の進歩を感じるが、一方で僕が生まれた後の素粒子物理学って「仮説だったものが実証された」ばかりな気がするな。なんか理論的な進展ってあったのかな。

ヒトゲノム解読宣言よりだいぶ前だが、すでに個別の遺伝子の配列解析は結構行われていたらしい。このころのDNAシーケンスってまだ放射性物質とか使ってたんだっけ? 高校の理科の先生が「おれが学生のころ蛍光色素になったが、先輩は放射線でやってた」みたいなこと言ってた記憶がある。

科学雑誌に超能力の広告が載っており、70年代オカルトブームの残渣を感じる

現代ではわかりづらいトピックスもある。たとえば「海外でも使える太陽電池式電卓が発売」。どういうこと? と思ったら、当時は日本の照明は蛍光灯が主だったのに対し、海外では白熱電灯が主流だったので、波長の違いで発電効率が悪く、室内で電卓が使いづらかったらしい。別に日本と海外で太陽光の規格が違うとかではない。いくら日本経済の全盛期でもそんなことはない。

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