A-111-6はいつになったら国内流通開始するのか

 たまには日記でも書こう。

 初っ端なんのこっちゃという感じだと思うのだが、『A-111-6』というDoepfer社の新製品がある。これが国内では2019秋頃流通開始予定とあるのだが、いつまで経っても開始しない。という愚痴である。言いたいことはそれだけである。おわり。
 ※追記:この記事を投稿した数時間後に流通開始したようである(笑)。

 おわらない。

 最近……というか、時期的には結構前からなのだが、ボクは所謂『ユーロラックシンセ』というものに大変オネツである。noteやツイッターで何度か話題として触れてきているので、ご存知の方も多いと思う。とはいっても、現状、あくまでイーストコーストスタイル……一般的な減算式シンセの範疇での使用に甘んじている。それは仕事的な意味で、である。残念だが、今のボクのいる世界ではモジュラーモジュラーしたような音楽なんて当然求められないし、作らせてももらえない。それは自分の実力不足による結果なので仕方がない。需要を生み出せるように精進したい。
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 ※ちなみに、仕事でモジュラー的な手法を用いたことが無いということではない。例えば『誰そら』の劇伴では、結構モジュラーシンセをモジュラーとして用いている。が、たぶん誰が聞いても気がつかないと思う。なぜならば、わざわざわからないような使い方をしたからである。
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 減算式に甘んじているとは言ったが、当然モジュラーシンセなので、同システム内においても、やろうと思えばいくらでも遊び様はある。パッチポイントの数だけ夢があるといっても過言ではないのである。皆も沼の住民になろう……(某氏風)。当然、面識は無い。

 さて、タイトルにある『A-111-6』についてだが、これはDoepfer社から発売されるモジュールのひとつで、分類的には所謂『SYNTH VOICE』という位置付けがされる代物だ。同社から発売されている、『Dark Energy』というスタンドアロンシンセがあるが、簡単に言えば、それをモジュール化したものが『A-111-5』で、本製品についてはその後継機種となる。
 ちなみに、『A-111-5』自体は当の昔にディスコンとなっているが、いつだったか復刻し、『A-111-5V』という、パネルが黒くなったバージョン(要するにDark Energyと同じ見た目)のものが再発された。
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 ※ややこしい話だが、『Dark Energy』は現在はVer3で、初代『Dark Energy』とは中身が違う。『A-111-5』『A-111-5V』は見た目が違うだけで、中身は初代『Dark Energy』である。
 『Dark Energy』は初代とそれ以降とでは、使用しているチップ(初代はCEM3394)が異なる。手に入らなくなっちゃったんだってさ。ちなみに、初代&3と2の違いは、VCOのコアが三角波かノコギリ波かの違いである。他にもフィルターが初代とそれ以降とで違っていたり、その他、細かい仕様変更は結構あるが、その辺は各自調べてくれ。
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 脱線したが、まとめると、『A-111-5』『A-111-5V』の中身は初代『Dark Energy』であるということである。
 文字だけではわかりにくいと思うので、画像をうpする。当然、テキトーに拾ってきたものである。

『Dark Energy3』画像1

『A-111-5』画像2

『A-111-5V』
画像3

『A-111-6』
画像4

 さて、何の話だかわからなくなってきたところで、ここでようやく『A-111-6』の話である。先ほども述べたが、これは、位置付け的には『A-111-5』『A-111-5V』の後継機種にあたる。まず、サイズが半分以下になった。数字的には24HP→10HPである。非ユーロラックユーザーにとってはパっとしない話だとは思うが、これは結構な事件で、「このサイズで出せるの!?」と、きっと多くの人が驚いたはずである。
 ただ、それに伴い、操作子やパッチポイントが減っている。これを好しとするかどうかは人それぞれである。個人的な意見を述べるとすると、モジュールに小型化の波が来ているのは事実だし、ケースに組み込める容量が限られている以上は、小型であることは実際便利ではあるのだが、なんでもかんでも小型化すれば良いってもんではないとは思う。多機能化の波についても同意見である。というか、単純に、小さいと操作しづらい。まぁ、そんなこと言うなら、最初から単機能モジュールを並べて使えやということになる。その辺は適材適所。各自適応すればよい。選択肢が増えるに越したことはないのである。

 さて、ここでおさらい(?)である。「SYNTH VOICEとはなんぞや?」という話。
 簡単に言えば、『皆の想像するシンセ』のことである。皆が想像するというのは、冒頭でも述べた『減算式シンセ』のことで、『(基本的には)オシレーター→フィルター→エンベローブ→アンプ』の流れを持つ、所謂『イーストコースト』シンセのことである。MinimoogとかMS-20とか、まぁその辺を想像してもらえればよい。シンセボイスというのは、『オシレーター~アンプ』の流れがひとつのパッケージとなったものであり、そういう意味で、『皆の想像するシンセ』という表現をした。
 では、モジュラーにおけるシンセボイスが、一般的なスタンドアロンシンセとは違う、決定的な理由は何か。そう、パッチポイントが存在するのである。って、そりゃモジュラーだから当然なのだが。それを言ったらそもそもユーロラックとかスタンドアロンとか関係ない。冗談である。許しておくれ。で、だ。ここまで引っ張っておいて、なんだそんなことかと思うかもしれないが、ズバリ言おう。モジュールだったら、ユーロラックに組み込めるのである。数多に存在する他のモジュールと一緒に使うことが可能なのだ。ここまで全て当たり前っちゃ当たり前なのだが、改めて考えてみると、やはり手軽さが違ってくる。なんてったって、電源がひとつで済むのである。最大の利点だと個人的には思う。ああ、なんて便利なのだろう。
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 ※電源がひとつで済むと聞いて、なるほどと思った諸君らへ。だからとて、間違ってもベリモーグ(Behringer Model D)とかに手を出さないように。ありゃあスタンドアロン前提である。電源食いすぎてとてもじゃないがラック内での運用は無理である。ラック内に別電源を用意するくらいなら、大人しくスタンドアロンで使いなさい。ちなみに、ベリンガーのあのテのシンセはみんなそうである。
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 先ほど「違い」と聞かれて、「鍵盤がないよ」という意見を持った人は多いと思う。しかし、それについては残念だが歴史の勉強が足りない。シンセにおける鍵盤というのは、ただのコントローラーの一種に過ぎない。最悪、殴って音が鳴るのであれば、コントローラーなんか無くても構わないのである。もちろん、本当に殴ってはいけない。
 シンセボイスは、コントローラーさえ繋げば、パッチングせずとも音が鳴る。これは所謂『セミモジュラー』形式と呼ばれるものである。殴っても鳴るかもしれないが、ここは大人しくコントローラーを繋いでおこう。んで、セミモジュラーと言うくらいだから、モジュラーでもあるわけだ。ここでは詳しくは書かないが、それっぽく言うと、「内部で結線されているからこのままでも良いけど、パッチングすれば色々変わるよ~」ということである。この辺は長くなるので各自調べてくれ。

 「わざわざモジュラーやってるのにシンセボイスなんて必要なの?」という意見もあるはずである。ごもっともである。ここで満を持して、ボクが欲しがる一番の理由を言おう。ズバリ、「ラク」なのである。ズコー!
 ……わりかし冗談というわけでもない。結局、持っていると便利なのである。小型化や多機能化に文句を垂れつつ、なんなら世間のデジタル化の流れにまで文句を垂れつつも(A-111-6はアナログだが)、でも結局便利だから使ってしまうのである。文明の利器、サイコー!
 何度も言うが、ボクはデジタルが大好きである。そもそも、直撃世代である。何を隠そう、吾輩は平成の生まれである。ただ、便利になるということは、必ずとも幸せにつながるとは限らない……という考えは、たぶん今後も変わることはない。人に押し付ける気はないが、世のアナログ回帰の流れを見ていれば、きっと誰だって思うことはあるのだろう。好きに生きれば良いと思う。その代わり、ボクも好きに生きる。
 近年、アナログの世界であったはずのモジュラー界に、デジタル製品が増えてきている。数の出回っているメジャーなモジュール内で比較すれば、アナログと半々くらいであろうか。非常に便利である。が、これの行き着く先って、結局ワークステーションシンセのそれなんじゃないかな~って思わずにはいられない。なぜわざわざ時代錯誤もいいところであるモジュラーシンセを、わざわざ大金を払ってまで手にしたのか。今一度考える必要があると思う。

 結局文句に行き着く。我ながら人生損していると思う。

 『A-111-6』の話題を出しておいて何だが、個人的にはどちらかというと『A-111-5V』の方が欲しい。しかし、こちらも残念ながらディスコンになってしまったようである。国内代理店サイトはいつまで経っても更新がなされず発売中のままとなっているが、ドイツ本国ではとっくにディスコンとなっている。新品が日本に入ってくることはもうないだろう。チーン。

 こういう話は面白い。いくらでもできる。趣味であり、仕事であり、生きがいでもあるからだ。しかし、いかんせんニッチすぎる。いや、個人的には一切そんなことは思っていないのだが、事実、皆興味ないのだから仕方が無い。音楽愛好家であるならば、ぜひ、楽曲の上面だけではなく、こういった機材面や、アカデミカルな部分、そして、スピリチュアルな部分にまで興味を持ってもらいたいものである……というのは単なる愚痴だが、需要があれば、またこういう機材的な話題についても触れたいなーなんて思う。どうなんだろう。
 シンセについて質問とか話したいこととかがあれば、気軽にツイッターにコンタクトとってください。って、自分自身、音楽の世界においては新参もいいところなので、話せることに限りはありますが。てか、まずはボクの音楽を聴いてくれ。そして、仕事をください。

 思考が先か、動作が先か。
 おわり。

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