(1)夢の職場

今でも覚えています、入社日は3/22の大安の日。

やるなら世界最高峰の現場が良かった。

ご縁が重なりに重なって、無事就職した夢の場所。

 母のおかげで中学の頃から大人と関わる機会が

人一倍多かったと思います。

初めておやっさんに会ったとき、

「あ、この人には絶対敵わない。私がどんなに頑張っても、足掻いても、絶対敵わない。」

そう思いました。

凄さは色んな方から聞いていたけれど、

そんな感情、初めてでした。

採用が決まってからもずっとずっと毎日お店のホームページを見てたし、

SNSでエゴサをして、なんて綺麗な料理だろう。と思っていました。

初日はドキドキ。

みんなとてもいい人で安心したのを覚えています。

同期は私含め女の子2人、男の子2人、の4人。

負けず嫌いの私の中では、

よーーーい…どんっ!と何かが始まった気がしました。


専門学生時代、尊敬するシェフや先生はみんな、

休みの日も出て働いてたよ(笑)

と言っていたので、もちろん私もそのつもりでした。

知っている人もいるかもしれませんが、

超絶超絶、完璧主義なんです。

準備は完璧にしておきたいんです。

時間に追われたくない、自分の理想通りの仕事がしたい。

それが叶うなら朝早く行くのも苦じゃないし、休憩時間なんていらなかった。

使える時間全てを仕事に使いたかった。

先輩に何か頼まれたら、求められたもの以上のものを返したかった。

早く、早く上に上がって、そのお店初の女性料理長という肩書きが欲しかった。

そうすれば、ぜったいにもちたい自分のお店の繁盛に繋がると思ったから。

ざっくりいうと、7時から早くて21時、遅くて22時まで。

夜は着物を着て接客の勉強をしていました。

なので夜も調理場にいる男の子よりは勤務時間は短かったです。

料理のことだけじゃなく、作法、仕草、歴史、掛け軸、お花…

たくさんの事を毎日毎日新しいことを叩き込む。

1日14時間労働?

全っ然苦じゃなかったです。

楽しくて仕方がなかった。

休憩はないんじゃないんです。

あるけど休憩の時間が惜しいほど、

休憩取りなさいと怒られてもやめられないほど、

仕事が楽しくて楽しくて、時間が足りませんでした。

休みの日も出勤しました。

怒られたけど。

帰ります帰りますって言いながら

なんとか午前中までは粘って何か仕事をやらせてもらってました。

みんな優しいので、休みは休んでと言っていたし、おやっさんにも何度も注意されました。(ごめんなさい)

家に帰ってきてカバンを持ったまま、寝ていたこともあります。

でも、何度も言うけど、楽しかったんです。

仕事を本当に1秒もしなかったのは9月中旬にもらった三連休。

入社して半年経ったときでした。

せっかくだから、彼氏と江ノ島に1泊2日に旅行へ!

帰ってきて、連休最終日はゆっくり過ごしました。

連休が明けて、3日ぶりの調理場。

久しぶりに自分の時間も取れて、やる気MAXで朝の準備を進めてました。

徐々に出勤してくる先輩方。

私はいつも通りお昼のまかないを作っていました。

キャベツを切ってた。覚えてる(笑)

急に、めまいがしました。

本当にいきなりです。

やばい、と思い、トイレに駆け込みました。



今回はここまでで〜。

夜が明けてしまう。

読んでくれた方、ありがとうございます。