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事業会社に活かせる最新のコンサル術を学んで得た気づき

Kindle本発出版という麻衣さんの本(以下「本書」)を拝読しました。ぼくは弁理士という肩書を活かして、知的財産(IP)に関するコンサル業もしているので、最新のコンサル術について学びたいと考えたためです。


コンサル系のノウハウ本も今まで沢山読んできたし、事業会社時代ではプロマネの仕事をしていたし、今は自分で会社も経営しているので、仕事をするための素養はそれなりに備えているつもりです。

ただ、経験や年齢と共に立場や働き方も変わるし、時代と共に仕事術のトレンドも変わるので、今はぼくより若い方々がどういうスタンスで仕事をしているのかを知り、受け入れる必要がある、と考えています。


「事業会社の業務」に応用した視点

冒頭にも書いた通り、ぼくが本書で最も魅力を感じたのは、外資系コンサル経験者が事業会社で活かせるコンサル術のエッセンスを紹介している、という点です。

正直、「コンサルタント」という仕事の定義はあいまいと感じています。名乗ったもの勝ちなのかもしれません。そのためか、有象無象にコンサル術はあふれています。

その点、本書は事業戦略・マーケティング・M&Aなどここ数年間の経験が現在の事業会社の業務に通用した、という実績をふまえたフレッシュなコンサル本であり、実用性が相対的に高いのではないかと感じています。

また20~30代の方々のキャリア構築の参考にもなると思います。コンサル会社から事業会社へ転職する場合、どういう風にキャリアを積み上げられるか、イメージできるかもしれません。


「補足説明」で相手に寄り添う

説明手法として有名なPREP法が万能かどうかはわかりません。P(Point:結論)→R(Reason:理由)→E(Example:例示)→P(Point:要点)という説明で理解してくれる人は、ひょっとして超有能な相手だけかもしれません。

相手の能力を即座に読み取るのは難しいですし、推測したところで的外れなこともあります。それなら、基本的に自分の常識は相手の非常識と考えて説明したほうが、結果的にコミュニケーションの質も上がるでしょう。

そこで、本書の教えの一つである、P(Point:結論)とR(Reason:理由)の間にE(Explanation:補足説明)を入れる、という一手間を惜しまないことで、相手も理解度が深まるため、仕事の効率も上がるのは納得です。


会議の目的は「業務の推進」

組織が大きいほど、またプロジェクトの規模(動くお金)が大きいほど、会議の関係者は増えるものです。そして会議の主催者は、関係者同士の人間関係や序列に神経を擦り減らすこともあるのではないでしょうか。

会議は開催することが目的ではありません。業務の推進が目的なはずです。言い換えれば、業務の推進を妨げる要素は全て無駄な要素である、という意識は合理的であり、年齢を立場を問わず意識すべきと考えます。

その点、本書では、会議に関係のない人は徹底的に参加を見送ること、会議の参加者は事前に配布した資料を読むことを前提とすること、といった割り切った考え方を薦めており、リモート会議ではより効果的だと思います。

ちなみ、ぼくの若かりし頃(10~15年くらい前)は、上司や目上の方々に上記のような”割り切った考え方”が通用しにくい時代だったので、いわゆる”根回し”に疲弊したことをよく覚えています。


まとめ

コンサル術は実用してなんぼだと思います。読むとなんとかなくできるような気になりますが、知っていることと使いこなすこととは違います。ノウハウ本は、実践向きかどうかが良し悪しのポイントです。

本書はボリュームも抑えられており、一つ一つの教え(コツ)にスライドもついているので、復習もしやすいと思いますので、コンサル術の入門用としても、また最新のコンサル術の勉強用としても活かせると思います。


ちなみに、下記のようなコンサル入門書もありますが、それなりのボリュームです。そこでまずは本書を前段で読み、その後に下記を読むと、理解しやすいかもしれません。今なら下記もKindle Unlimitedの対象のようです。