見出し画像

いい人に思われたい願望、どうしようもないプライドは捨てよう。さもないと「清張地獄」に落ちるぞ落ちるぞ…

U子

拝啓 松本清張先生

寒さの中にも春の兆しが感じられる今日このごろです。

ドラマや映画で先生の作品はよくお見かけしてまいりました。先生が描く世界はねちっこくてドロドロしてて、煩悩がたっぷりで……大好きです。「明日は我が身」と思って恐怖でヒヤヒヤしながらも、毎度釘づけでした。ただ、小説は読んだことがなかったことを、みうらじゅんさんの本で気づきました。

みうらじゅんさんによる『清張地獄八景』(文春文庫)は、作品の魅力や学び、清張先生のチャーミングなお人柄などがたっぷり詰まった一冊です。みうらじゅんさんの清張愛が炸裂していてとても清々しいです。作品の解説もまとまっているので、初心者も楽しめる本でございました。

清張先生や作品を知りたい、学びを心に留め置きたい。みうらじゅんさんによるこの入門書をまず読み、これから清張先生の作品を読み込もうという所存です。

かしこ

☆☆☆☆☆

みうらさんの清張愛に触れ、本を読みふけり、私もにわかに清張の虜になりました。四六時中、清張のことを考え、清張について語っています。清張小説初心者の私が、漠然とした清張愛をしたためて。感想文とさせていただきます。

「因果応報」を肝に銘じる

ドラマなどの映像で清張作品を見るたびに、そして今回『清張地獄八景』を読みふけり、“因果応報”という言葉がたくさんでてくることを実感しました。この因果応報という通り、身から出た錆、調子に乗ると地獄行き……清張作品はそう思わせる力が最強です。

みうらじゅんさんはこう記しています。

僕は30代半ばから、清張小説を反面教師ならぬ、反面清張と思って読んできた。

不倫がバレそうになり「身の破滅だ」と思って罪を犯す。隠し事につぐ隠し事をして、気づかぬうちに大きな闇に落ちていく。起きる事柄が身近だからでしょうか。我が身に起こらないともいえない事態を恐れ、私もまさに「反面清張」と思いヒリヒリしています。

“どうにかこのままバレずにいたい”“イチからやり直すのだけは御免だ”、そんな僕の心の声は清張地獄に筒抜けだった。
ちなみに清張地獄とは死んでからの地獄ではない。生き地獄のことだ。

失敗を隠すために辻褄合わせに必死になったり、ちっぽけなプライドを守るために右往左往したり。そんなことありませんか? 

私は正直あります。
これ、小さなことかと思いきや、実は爆弾・命取りとなり得ることを清張作品や『清張地獄八景』から切実に思わされます。私のちっぽけなプライドや見栄、小さな嘘が顔をのぞかせた途端に、清張先生は「見とるぞ見とるぞ、わしは見とるぞ!」と耳元でささやいてきそうな気がします。清張さんにはすべてお見通し。いつの間にか清張地獄にするりするりと手繰り寄せられ、気づいたら落ちているのかも。これぞ清張地獄。あぁ、落ちないようにしないと。身が破滅してしまう。恐怖、ホラーです。

『清張地獄八景』では、みうらじゅんんさんの視点で作品の考察や学びがまとめられています。また、船越英一郎さんや岩井志麻子さんをはじめ著名な方との対談やトークショーまとめなど、さまざまな方が清張を語っています。これらから、清張地獄の切り抜け方、脱出方法が得られます。

私は清張地獄に落ちる要素がたくさんある人間だとつくづく実感しました。地獄に落ちない手法を心に留め置かないと。この本は私にとってお守りだなと期待が高まります。

みうらじゅんさんが“学び”を教えてくれる

作品の解説とともに“学び”も紹介されています。

どれもおもしろくてつかみのある言葉たち。さすがみうらじゅんさんです。この学びが清張地獄へ落ちるのを食い止めてくれそうだ。自分のノートにメモをとりました。

特に気に入っているのは

あれも欲しいこれも欲しいが身を滅ぼします

『内海の輪』からの学びです。


破滅を防ぐ3原則 持たない・逃げない・慌てない

こちらは『書道教授』からの学び。

学びの理由は『清張地獄八景』で。そのあと小説を読むことで深く理解ができそうです。

清張ワールドを堪能するにはやはり小説を読むことだ!

因果応報、やるせなさ、戦後、GHQ統治下、権力、闇、権威、煩悩、不倫、どうしようもないプライド、二重生活、陰気、貧乏、霧、自ら墓穴を掘る、うしろめたさ、霧、日本海、崖、曇り空、曇天、極寒、冬、列車……

映像で清張作品から感じとる世界は、楽しいものではありません。怖い、そちら側にいきたくない、そんな感じ。ただこれらは映像から実感してきたもの。小説を読むことでもっと心に刻まれるものがあるはずと思います。

みうらじゅんさんの『清張地獄八景』との出会いをきっかけに、清張本を読み込んでいくのが目下の目標となりました。

『ゼロの焦点』の舞台、「ヤセの断崖」へ行きたい

能登半島にある能登金剛。険しい断崖と荒波が作り出した変わった形の岩々があります。そのひとつ「ヤセの断崖」はゼロの焦点の舞台で、みうらじゅんさんも行かれています。清張グッズも売っているっぽい。

作品を半分ぐらい読めたら、松本清張記念館に行ってみようと思います。

☆☆☆☆☆

松本清張作品を読み、みうらじゅんさんの入門書を読み、いったりきたりしながら、松本清張にずぶずぶはまっていこうと心に決めました。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
U子
読んだ本について書いてます。