善いタンポポ悪いタンポポ
明るい太陽のようなタンポポにはいつも元気をもらっています。
今日は道端に咲くタンポポのお話です。
タンポポの仲間にはたくさんの種類があって、その中でも、「セイヨウタンポポ」と「ニホンタンポポ」があるのをご存じの方もいらっしゃると思います。
セイヨウタンポポとニホンタンポポの見分け方は簡単で、見分けるためにはガクに注目します。
こちらはセイヨウタンポポ。ガクの先が地面に向かって反り返っています。
ニホンタンポポは反対に、ガクの先は花びらのついている上側に向かっています。
今の日本で圧倒的に多いのは元々は外来種であるセイヨウタンポポ。
日本の固有種を守りたい気持ちのある人の中には外来種を嫌う人がいて、セイヨウタンポポがニホンタンポポを駆逐しているかのように言われることがありますが、実情はそうとも言い切れません。
ニホンタンポポとセイヨウタンポポでは、繁殖の方法が違うのです。
ニホンタンポポは、花粉を虫に運んでもらって受粉し子孫を繋いでいく、「虫媒花」と呼ばれる植物です。
ニホンタンポポは他の多くの植物と同様、自分の花粉を自分のめしべで受粉することはせず、虫によって他のタンポポの花粉を運んできてもらって初めて受粉することができます。
そして一年のうちに春先だけ花を咲かせて種を作ります。
一方セイヨウタンポポは「単位生殖」といって、受粉しなくても種を作ることができます。
周りに他のタンポポがいなくてもセイヨウタンポポは自分ひとりで種を作ることができるのです。しかもセイヨウタンポポは一年中花を咲かせることができます。
このように、生殖の方法としてはニホンタンポポよりもセイヨウタンポポの方がずっと単純で、子孫を増やしやすいのです。
ニホンタンポポが減っている理由はセイヨウタンポポが増えているからではなく、花粉を媒介してくれる虫が減っていることも大きな原因です。
そして虫が生きていける環境をなくしてしまっているのは他でもない私たち人間です。
悪者扱いされがちなセイヨウタンポポを擁護するお話をそのうち書きたいなと思っていました。
植物に良いものも悪いものもいなくて、どんな植物も生きやすい環境でただ生きているだけなのです。
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