Kigi 波多野ゆふ

ハーブや精油、日本の薬草を使ったセルフケア講座や、植物生理学に基づいた植物の生き方を伝…

Kigi 波多野ゆふ

ハーブや精油、日本の薬草を使ったセルフケア講座や、植物生理学に基づいた植物の生き方を伝える講座などを湘南エリアを中心に各地で開催。 ハーブや薬草の薬効や利用法だけではなく、植物そのものの生き方の話が好評を博し、講座には全国各地から参加者が集う。

マガジン

  • ハーブとアロマ

    暮らしの中でお手軽にできるハーブとアロマの活用方法です

  • 植物

    季節ごとの植物を見て感じたこと、植物を使ったお手当、レシピなど、植物との暮らしを綴ります

最近の記事

ミツロウバームの作り方

我が家ではミツロウバームの出番はとても多いです。 ちょっとした怪我や肌荒れにはもちろんのこと、ハンドクリームにもリップバームにもヘアバームにも使えます。 用途によって無香料にしたり、精油でお好きな香りをつけてお楽しみください。 分量はあくまで目安です。オイルやミツロウの量を調整してお好みの硬さに仕上げてください。 【ミツロウバーム 30ml】 ●材料 ・ホホバオイル、スイートアーモンドオイルなどお好きな植物性オイル:22.5グラム ・ミツロウ:4.5グラム ・お好み

    • オレンジとラベンダーのヘッドマッサージオイルと、縁起の良い植物みかんについて

      明けましておめでとうございます。 年明け早々に、近所の漁港では無病息災と豊漁を願う「みかん投げ」が行われました。 船の上からみかんが盛大に投げられ、私も娘と一緒に必死でキャッチしました(笑) みかんはその輝くような色と形で昔から太陽の象徴とされていて、縁起が良い植物なのだそうです。 さて、今日はそんなみかんの精油「スイートオレンジ」と、気軽に手に入りやすい「ラベンダー」の精油を使ったヘッドマッサージオイルの作り方です。 作り方も簡単で、お風呂タイムに手軽にケアできる

      • ハゼラン〜星と3時の花〜

        この季節、アスファルトの隙間や道端でよく見かけるこの方。 ハゼランです。 その花は小さいながら蘭のように美しく、艶やかな丸い果実からは爆ぜるように種が溢れるので、ハゼラン(爆蘭)。 この線香花火のような果実が愛らしく、花が咲いているのを見かけることもあります。 興味深いことに、ハゼランの花は14時から16時くらいの、午後2時間程度しか開きません。 ハゼランの別名はたくさんあります。 大体3時くらいに花を咲かせるのでサンジカ(三時花)、サンジソウ(三時草)、サンジノ

        • ヒガンバナーなるべく競争しないで済むようにー

          この葉はヒガンバナ。 秋の初めにはこんな感じでお花が咲いていました。 サクラやウメ、ヒガンバナなど、「花の後に葉がでてくる」って言われる植物たち。 ヒトにはそう見えるんだけど、ヒガンバナからしたら花の後に葉を出す訳ではなくて、他の植物と同様に葉の後に花を咲かせています。 この時期ヒガンバナは、寒い風になるべくあたらないで済むように背を低くして地べたに葉を出して、お日様の光を満遍なく受け取るようになるべく葉が重ならないように並べてます。 この時期他の植物たちは葉を枯ら

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        • ハーブとアロマ
          17本
        • 植物
          63本

        記事

          セイタカアワダチソウのハンドバス

          少し寂しさを感じる秋、セイタカアワダチソウの明るい黄色を見ると心が躍ります。 ・ セイタカアワダチソウは薬草でその薬効はたくさんあるのですが、私は植物の何に惹かれているのかというと薬効ではなく、植物の持っている「感じ」です。 ・ 時々お世話になっているフラワーエッセンスはこの「感じ」を小瓶に閉じ込めたものだと思っています。 ・ フラワーエッセンスも手軽で好きなのですが、せっかく近くに植物が生えているので、季節ごとに自分のそばに生えている植物となるべく近くなりたいなと思うので

          セイタカアワダチソウのハンドバス

          クコの花と蜂のおはなし

          この季節によく見られる、小さな淡い紫色の花。 クコです。 今が盛りのクコの花の周りには元気な蜂たちがブンブンと羽音を響かせながら飛んでいます。 秋分を境に日はどんどん短くなり、気温も確実に下がっていき、虫たちが元気に動き回れる季節も残りわずか。 蜂が可愛いので見ていると、せっせと蜜を吸い、その足の付け根にはクリーム色の花粉団子をつけています。 こうやって虫たちが体中花粉だらけにしながら花から花へと飛び回ることでクコは受粉して赤い実を生らせます。 あの杏仁豆腐の上に乗

          クコの花と蜂のおはなし

          孤高の木 イチョウ

          我が家の近くにあるお寺の境内には大きなイチョウが植えてあります。 東京出身の私にとってイチョウは子供のころから見慣れた木で、都内の道端や車道沿いの並木など、どこでもよく見かける木でした。 そんな、自分にとってどこにでもいる木という存在のイチョウでしたが、大人になって植物のことを仕事にするようになって、イチョウは決してどこにでもいる木ではなかったことを知りました。 植物には、分類するためのグループ分けがあって、バラ科やキク科などの、「科」、その下の分類はヨモギ属やキジムシ

          孤高の木 イチョウ

          鳥に向かう花ハイビスカス

          この季節、我が家の近くでよく咲いているこのお方。 ・ ・ ハイビスカス。 ・ ・ 冷涼な八ヶ岳の麓に住んでいた時には見かけたことはなかったけど、暖かい海の近くのこのあたりではよく目にする植物です。 ・ ・ 大ぶりでひらひらとした、いかにも南国な感じの花びらも素敵ですが、ハイビスカスの何がかわいらしいって、この、先がくっきりと5つに分かれた赤いめしべと、黄色い花粉をたくさんつけたおしべのコントラストです。 ・ ・ 陽気で明るい感じの花は、鼻を近づけてみてもほとんど香りがしません

          鳥に向かう花ハイビスカス

          ワクワクの帰化植物たち

          この季節にそこここで見かけるたくさんの種類の植物たち。 ・ ・ 元々は園芸用として庭先やベランダなどで栽培するために海外から輸入された植物たちなのですが、どう見てもこれらの方々、誰かに栽培されてはいない趣ですね。 ・ ・ これらの植物たちは「帰化植物」といいます。 ・ ・ よく言われる「外来種」というカテゴリーに属しますが、外来種は人の意図とは関係なく海外から輸入された様々なものに種がくっついて運ばれ、日本に根付いて増えていった植物たちです。 ・ ・ それに対して帰化植物は園

          ワクワクの帰化植物たち

          植物とお相撲

          いつにないタイトルなのは、いまNetflixオリジナルの、「サンクチュアリ」というお相撲のドラマにハマっているからです(笑)。 さて、お相撲は日本で昔から行われてきた神事です。 世界各地の神事やお祈りには特定の植物が関係することが多く、お相撲では本場所初日の前日に、土俵の下にカヤの実を埋めるそうです。 これは土俵の神様を呼び寄せて邪気を払い、土俵の無事を祈る儀式で、カヤの実は場所中はずっと埋められているそうです。 お相撲とカヤの実については6年前にこちらの記事にも書き

          ホトケノザの命の繋ぎ方

          この季節、道端や田んぼの畔で見かけるこの方。 ホトケノザ(仏の座)。 なんだかありがたいそのお名前は、幾重にも重なる丸形の葉っぱが、仏様が座る蓮座の姿に似ているから。 花の形は唇の形。これは唇形花といってシソ科の植物のお花全般に共通する形で、この花の奥にある蜜を求めたやってきた虫たちは、複雑な形の花の中で蜜を求めてもがくうちに体に花粉がたくさんつくようになっている。 そうして体にたくさん花粉をつけた虫が他のホトケノザのお花に訪問することによってホトケノザは受粉し、種が

          ホトケノザの命の繋ぎ方

          夜の長さと花が咲くこと

          昨日は春分の日でしたね。 去年の12月、冬至の日に一年で一番日が短くなり、そこから徐々に日は長くなって、昨日の春分の日、昼と夜の長さが等しくなりました。 ここから6月の夏至に向かってどんどん日は長くなっていきます。 この、日が長くなる今の時期は、植物にとっては正に花の時期です。 植物はどんな風にして花を咲かせる時期を見極めているのでしょうか。 暖かくなると花が咲くとよく言われますね。 確かに花が咲くためには気温も必要なのですが、植物は気温よりも日の長さを頼りに花を

          夜の長さと花が咲くこと

          「今から咲くよ」「じゃあこっちも咲くよ」

          今朝久しぶりに近所の緑地に行ったら河津桜が咲いていて、思わず「わー!」と言ってしまいました。 ここのところ黄色や桃色のお花が次から次へと咲いていて、確実に春に向かっていることを感じます。 ところでサクラや梅ウメは春、ヒマワリやアサガオは夏と、私たちは花の咲く時期を当たり前のように思っていますが、同じ種類の花はなぜ同じ時期に咲くのでしょうか。 例えば人間でいうと、同じ年の思春期の人でも成長は様々で、女の子が初潮を迎える時期もバラバラですよね。 花が同じ時期に咲くことには

          「今から咲くよ」「じゃあこっちも咲くよ」

          地上で初めて立ち上がった植物

          日陰に入ると割とどこでも目にすることができるシダ植物。 植物は海藻のように海の中で生きる「藻類(そうるい)」、岩などに貼り付いている「コケ植物」、ゼンマイやワラビなどの「シダ植物」、そして私たちが所謂「植物」と呼んでいる「種子植物」に分けられます。 植物はこの順番で進化をしてきました。私たちが「植物」と呼んでいる種子植物が現れたのは植物の歴史からするととても最近のことなのです。 地球に最初に現れた植物は藻類で、35億年前に海の中で誕生したと言われています。 それから長

          地上で初めて立ち上がった植物

          実と種は誰のため

          この季節お散歩していると目に入ってくる色とりどりの種や果実。 赤い色、青い色、美味しい果実、美味しくない果実、甘い香りのする果実、あまり香らない果実などなど、私たちの目を楽しませてくれる果実ですが、植物にとって種や果実ってどんな意味があるのでしょう。 例えばこちら。 これはひと月くらい前のトベラの実。 ひと月前まではまんまるのこんな姿だったのが 果実が3つに割れて中から赤い種がのぞいています。 こんな赤い色の種や果実は、植物の、鳥に対するアピールなのです。

          実と種は誰のため

          調香のこと

          今年の夏から長島司先生の調香教室に参加しておりました。 ずいぶんと前から暮らしの中で精油を使ってはいて、我が家には50種類くらいの精油が揃っているのですが、使うときは大抵はシングル、多くても2~3種類の精油をブレンドして使ってきました。 少し前から一つ一つの精油の香りや効果だけではなくて、ブレンドした時の無限に広がっていくような香りの可能性に興味を持ち、調香の講座を探していたところ、お客様から先生の講座を紹介していただきました。 先日調香教室が終了して思うことは、香りは