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今さらなんてなくて、良いものは良い。そうだよね、ヤクルト?

年齢を重ねるにつれて、名品とか定番とか呼ばれるものが忖度なしにめちゃくちゃかわいいと思うようになってきた。カルティエのタンク、エルメスのシェーヌダンクルやカレ、ティファニーの一粒ダイヤ、グッチのホースビットローファー、マルジェラのタビブーツ、ミキモトのパール、バーバリーのトレンチコート…

勿論どれもこれも、とても簡単には手を出せないし、まだまだ私が持つには分不相応な素敵なお品ばかりだ。それでもやはり…かわいいっ。かわいいというか、もうほんと、魅力的…なのだ。良いものの良さが少しずつわかるようになってきたのか、なまじ見聞を広めたために憧れのハードルがぐんぐん上がってるのかはわからない。しかし、歳を重ねるごとにどれもとても輝いて感じるのだ。

高価なだけじゃなくて、トラディショナルとかロングセラーという意味での定番ものも好きだ。そんなわけで先日プリーツプリーズのワンピと前原光榮商店の傘を恐る恐る買った。本当にドキドキするが、しかし袖を通した心地よさや雨の日の佇まいへの喜びは代え難いものがある。お手入れしながら大切に、長く使おうと思っている。

そして、もっとそういった「定番」を知りたい…と思って調べると、ほとんどのケースにおいて「今さら」とか「古い」とか出てくる。
まぁちょっとお待ちよ、と。長く愛されるものをいつ愛そうが自由だし、いつ愛しても色褪せないから長く愛されてるんじゃよフォフォ…という気持ちになってくる。

だし、そんな気持ちは誰しもがわかってくれると思うのだ。ヤクルトを飲んだ時に。

ヤクルトは1935年から売られているらしく、かなりのロングセラーだ。身体における腸の働きが改めて見直されてる今もなお腸活のトップランナーとして君臨しており、最近だとヤクルト1000の効果が各種SNSでバズったりしている。

我が家でも花粉症には乳酸菌らしいぞ、と最近改めて毎日飲み始めてあまりの美味しさからハマり、結論としてはヤクルト様…となっている。諸々のデータ以前に味が美味しすぎるし量も値段もちょうど良い。しかも継続して飲むことでお腹への効果も抜群!うれしい副次効果として、腸が元気ゆえに肌も調子が良い(当初の目的だった花粉症にはそんなにだった)
またも美味しい良薬を見つけてしまった。

子どもの頃は味だけを目的に飲んでいたし毎日継続してヤクルトはなかなか許されざる贅沢だっただけに大人になって改めてその魅力を感じているわけだが、これは良いものだ…長く愛されているのもわかるな…となり、ハッこの気持ちってブランド品とかに対する想いに似てるじゃんか…となって冒頭の陳述に行き着いたのであった。いつものことながら前置きが長くて恐縮である。

幼い頃に話を戻すと、母のジュエリーボックスを見るのが好きだった。セボンスターが唯一無二の正義だった当時の私にとっては全然ピンとこないが、どれもずしりと重たくてピカピカしていた。
母はわりとジュエリーを触られたりすることに寛大なのだが、どうしても触れさせないものがあった。それは、カルティエのトリニティリング。私が触ろうとすると必ず止めて、それは絶対にダメ、と釘を刺すのであった。

もちろん当時の私は価値がわからなかったし、欲しいというよりも興味であった。同様に当時の私にとってのヤクルトも、効果や味わいを楽しむためのものというよりはポップな小さい甘い飲み物としての興味しかなかったな、と思う。

歳を重ねる喜びはいくつも味わってきたが、見知った事物の見方が多面的になって異なる意味を持ち始めることも事実だろう。かつて「ママのお気に入り」でしかなかったトリニティは「ハイジュエラーの定番品で滑らかなつけ心地の3種の地金がどんな装いにも合う指輪、それを大切にしている母の素敵な青春時代の思い出」に見えるし、同様に「めっちゃ美味いけど量が少ない飲み物」だったヤクルトは「続けて飲むとお腹と肌に良くて飲みやすい健康食品としての乳酸菌飲料」である。

新しいも麗しいがロングセラーはほんといつだって素敵だ。椎名林檎さんもそんなことを『人生は夢だらけ』で歌っていた。古いものはそりゃ尊い!

ロングセラーな私でいられるように、健康第一、時々憧れに手を伸ばしながら引き続きやって行こうと思う。

ヤクルト、大好き。

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