働くことと仕事をすることと会社にいくということはみんな違う

「働くことが好き」な人と「仕事が好き」な人と「会社が好き」な人がいるとすると、みんな違うことが好きなんだな、というのはなんとなくイメージできるのに、自分のことになると、自分が「働くことが」好きな人なのか、「仕事」を好きな人なのか、「会社」が好きな人なのか、が理解できなかったりする。

私は「仕事」が好きな人であって、「会社」は別にどうでもいい。「働くこと」全般は嫌いじゃないけど、大きく好きではない。という自分の特性に、最近やっと気づいた。

「働くこと」と「仕事」は似ているけど、ちょっと違う。「働くこと」は、誰のためにを限定しない(自分のためにもある)し、お金という対価が発生するとは限らない。家事とか育児とかはお金の発生しない「働く」の代表格。

「働くこと」を好きな人を私は尊敬する。すごいと思う。こういう人は、自分のために、家族のために、世界のために、「働く」ことができる。なんとなくだけど、女性に多いと思う。

「仕事」を好きな人は「誰かのために働いて、それに見合った対価を得る」という行為を好んでいる。誰かのために働くだけ(つまりボランティア)のことは、理由がなければやらないことが多い。「仕事」が好きな人は、行為から対価までを一つのものとして好んでいるはずだ。おそらく男性に多いけど、私もこのタイプ。

「会社」に代表される「自分が所属する組織」をこよなく愛する人々がいる。それはそれで、すごいと思う。自分が所属する組織を自分の力でよりよくする、ということにやりがいを見出せる人たちである。こういう人は男女問わず結構な数で存在する。

若いころは、分類が嫌いだったけど、40を過ぎると分類にも意味があるのだと思い始めた。そして、分類したら、「混ぜるな危険」。この3つのカテゴリーは、混ざっていると思うけど、でも、結構峻厳に分かれるのだと思う。そして、そのタイプを理解して対応することがとても大事。(自分に対しても、他人に対しても)

私の元上司は、「会社LOVE」な人だった。そして、自分がそうだからみんなもそうに違いないと思い込んでいる幸せな人だった。私は「仕事は好きだけど会社は別にどうでもいい」という人なのに、それを自覚していなかったから、「仕事が好きってことは会社も好きってことだよな」と自分で思い込んで元上司の「会社LOVE」から発せられる過剰要求に応えていた。自覚できていなかったけど、今思えばかなりしんどかった。

あるとき、部署の業績が赤字になりそうなことがあった。やだなあ、と思っていたらお腹が痛くなって家のトイレに籠っていたら、夫に「なんでお前が責任感じる必要があるの?」と言われて、「会社が赤字決算とか部署の業績が赤字とか、それで困るのは社長と株主で、ただの従業員のお前が困る必要がどこにあるんだ?」と。その時は、「だって赤字嫌じゃん」と強がったけど、確かに仰る通り。「会社LOVE」な元上司が「赤字なんてあり得ない!」と騒いでいるから、私も従業員として何とかせねばと思っていたけど、私の「仕事」を切り出したら問題なく黒字なわけで、それは「会社の問題」であって「私の問題」ではなかった。

そのほかにも「会社が好きだったらこうだろう?」っていう押しつけが結構あって、単純に「仕事」が好きな私には息が詰まることが多くて、結局この会社を辞めることになった。

誘ってもらった先輩の経営する会社は、前の会社に比べて格段に息がしやすい場所で、何がこんなに違うんだろう?と考えていたら半年以上が経過してしまった。

一番は、「仕事」を好きな人しかいない、大人の集団、ってこと。これはすごいことだ。大きな会社になったら「会社LOVE」なだけでも生きていけるかもしれないけど、小さな会社は間違いなく「仕事」を好きな人を集めた方がいい。今いる会社はみんな「仕事」が好きで、会社というものを「道具」だと思っている感じがすごくいい。

しばらく考えていたことに、やっと答えらしきものが見つかったので、とりあえず書いてみた。

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