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素材の魅力-3

トップ画像のような、レンガが塗り壁に埋まっているような壁の仕上げを見ることはありませんか?ヨーロッパのお城などではこういう場合リアルにレンガ造りの建物の上に塗り壁仕上げがしてあったものが塗り壁のところが剥がれ落ちてできたものがほとんどだと思います。

でもこの写真は日本ですし、実際には60cm四方くらいの大きさのサンプルです。ヨーロッパの古いお城の雰囲気を模して描いた? 掘った?ものです。これはモルタル造形でその雰囲気を表現したものです。
よくカフェや美容院などの仕上げで見ることがあるかもしれません。

このように出来上がった時からすでに歴史がある建物のように仕上げることを「エイジング仕上げ」と言います。モルタル造形が得意とする分野です。

また上の写真の仕上げはトラバーチンと言います。大理石を模したものです。雨が多く湿度の高い日本では屋外で大理石を使うことはお勧めできません。すぐにカビが生えてしまったり風化するからです。石屋さんのカタログを見ても屋外使用は×となっているものが多いです。でもモルタル造形は職人がモルタルを形作り、そこに色を指して行く手法なので、屋外でも使えます。モルタル造形がいいのは本物ではないので、模様や凹凸感を好きなようにできるという点です。微妙な色の調整ができるので、建物と色を合わせることも簡単にできます。
殺風景なコンクリートブロックの上に職人がモルタルで基本の形を作り、その上に描いて行く様はアートのようです。

トラバーチンの中にある筋の模様などは筆で描いています。

黄色味を帯びた色にすると全く違った雰囲気になります。白い笠置モールとはとてもよく似合います。レンガよりも高級感があり、タイルや石を貼るよりもすっきりと瀟洒な雰囲気になる。輸入住宅や、輸入風な演出の家にはとてもよく似合います。こちらの門が建てられた住宅の全景は次の写真のような感じになります。建物と色が調和しているのがお分りいただけるかと思います。

モルタル造形は何かを「模した」デザインで「偽物」と言えばそれまでですが、その質感、風合い共に時に本物より本物らしく(記憶の中の本物と言えばいいのでしょうか)門や庭でよく使います。

職人が一つ一つ丁寧に描いているのを見ると、ワクワクして来ます。職人の圧倒的な熱量がその風合いにも現れるのだと思います。最近はモルタル造形という風に検索して、弊社に問い合わせされる方も増えて来ています。

さて最後にモルタル造形でこんなこともできますよ。のおまけです。

古いレンガの仕上げも入っていますが、ベンチの背もたれにあの有名なうさぎさんのレリーフを描きました。少し立体的になっています。
打ち合わせをしている途中でお嬢さんが生まれ、このデザインとなりました。

お子さんが書かれた絵などを下絵にしてレリーフを作るととてもアーティスティックで思い出深いお庭になるかと思います。


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