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Rの壁は柔らかい印象だけど…

もうすぐ完成予定の外構の現場のお話です。こちらのお宅では1階の庭に面した部屋がお母様の部屋のリビングに当たる部屋となっています。高齢者というにはまだまだお若い、でもそろそろ足のことも気になり始めるお年頃、のお母様のために玄関ポーチまでの通路は将来のことを考えてスロープにしました。最初は勾配が気になるかと思ったのですが、出来上がってみるとそんなに気にならない、緩やかなスロープとなりホッとしました。

さて最初のご提案の時に気に入っていただいたのが、現在モルタルが塗ってある右側のRの壁です。大きな窓の前には2人掛けくらいのカフェテーブルセットが置ける広さのテラスがありその手前は植え込みのスペースとなっています。植え込みには植物をお母様が植えて、高い木、中木をバランスよく植えていただいて、適度に視線を遮るように自由にされたいということでした。どのため植え込みのスペースを開けてあるだけなのですが、
このコーナー部はやはり高い壁で視線を防ぎたいと希望されました。

でもこの壁を直角に曲げたのでは門のところが窮屈で壁が圧迫感のあるものとなってしまいます。

かといって45度に角を切る形で壁を作ったのでは味気ない。

そこで柔らかい雰囲気となるように、円弧を描いた壁を作りました。

通常私はこういう壁を作るときにはモザイクタイルといって小さいタイルとするか、塗り壁にしたりします。

でも今回のお客様は塗り壁よりタイルがお好きで、一番目立つところなので、タイルにされたいと希望されました。

モザイクタイルではなく細長いタイルがご要望でした。

でも、円弧を描いた(Rの)壁に細長いタイルを普通に横長の向きに貼っていくことは物理的に厳しいのです! 

横長のタイルは20cm以上の長さがあり、Rに沿わせることが難しくなります。

ではどうしたらいいでしょう??

こういうときには縦に貼らなくてはならないのです。

長いタイル(二丁掛けまたはボーダータイルと言います)を横向きに貼っていきますとどうしてもガタガタと多角形のようになってしまいます。
(というか、曲面に沿って行かないのです)

でも二丁掛けタイルなら短い方は7cmくらい、そのくらいなら、Rに沿って貼ることができます。

今週中にはRの壁に縦方向にタイルを貼っていきます。

縦は縦で素敵になると思いますが、一般的にはRの壁の仕上げは塗り壁にするのがより美しく壁を演出できるかと思います。

円形など曲線を使ったデザインとするときには仕上げ素材が限られる。という例の一つです。

ここではアンセルジュというとても高級感があり、凹凸の影が美しく見えるタイルを縦方向に貼り始めました。

縦方向に目地のラインが入るので、より一層アールの丸み、奥行き感が演出できることになるかもしれません。

しつこいようですが、形と使える素材は連動します。

特に曲線、曲面にでは注意しましょう。


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