飲み放題なんてありえない。カナダの飲み文化

前回の記事でカナダではお酒は簡単に買えないというお話をしました。今回は日本よりも厳しいカナダの外飲み事情を教えます。

酒屋でしかお酒を買えないことに追加して、もう一つ、カナダのお酒文化で驚いたことはレストランでの飲酒量の制限です。私はお酒も扱うレストランでアルバイトをしていましたが、お酒を扱うバーやレストランでサーバーとして働く際には、"Responsible Beverage Server Program"を修了しなくてはいけません。これは$40払ってオンラインで受講するのですが、集中して勉強すれば最短一日で取得できます。各アルコールの量(ビール、ワインなど)やサーバーが果たすべき責任などについて学び、最後にテストを受けて、80%以上合格で資格をもらうことができます。この資格は持っているといいよとホストマザーに言われましたがまさか取ることになるとは思ってませんでした。でも思ったよりは難しくなかったです。ただやったことすぐ忘れちゃいます(資格の意味…)。サーバーはチップももらえていい仕事なので、チップをもらえる文化圏でのサーバーはお勧めです。

私の働くレストランではバーテンダーがいて、彼が大体のアルコールについては面倒を見ていたので私は誰がどれくらい飲んでいるかはあまり気にしたことはありませんでしたが、一つ驚くエピソードがありました。以前、駐在員の日本の方々が大勢でお店に来られた際、普通に日本の飲み会の勢いでウイスキーをボトルで注文してハイボールとして飲もうとされていたのですが、バーテンダーのストップがかかりました。彼曰く、そこには10人ほどの日本人がいたのですが、ボトル一本空けるとどれだけ薄めて飲んでいたとしても規定以上のアルコール数になってしまい州の違反になるからお店として提供してはダメということでした。ウイスキー響をボトルで開けようとしていたので、開いたら結構利益になるとは思いましたが規定には逆らえないので断念。皆さん、毎回一杯ずつハイボールを頼んでいました。

私はまだ大学生なので飲み会事情がよく分かりませんが、日本の飲み会でウイスキーのボトルを開けるのが普通なのであれば、かなりのアルコール度数になるんだろうなということをその時に学びました。

文化的に見てカナダと日本で違うなと思ったのは、”飲む”とはどういうことかです。日本人は私も含め、宅飲みもするけど外で交流、特に友達とだけではなく”飲ミュニケーション”という言葉があるくらいに社会的な交流のためにお酒の席を使うことが多いかと思います。カナダもそうした人もいますが、私がレストランに来る人を見る限りは、日本のような会社交流の飲みはほとんどなく、飲みは特別なイベントという感じがしました。驚いたのはガールズナイトで女性たちが飲む量の多さです。たまに女子会で女性だけ5人か6人でグループで来ることがありますが、こういった場合は大体ワイン5-6本空きます...。前回、響のボトルを10人で開けるのはダメと言いましたが、女だけでワイン6本はいいんかい、とツッコミを毎回バーテンダーにいれたくなりました。

そもそも、カナダではテーブルごとにサーバーがいてチップのことも踏まえてきちんとお客様をサーブすることが当たり前なので、特にお酒も出てくる少しお高めなレストランでは特に羽振りも良くなる+バーテンダーやサーバーがうまーくお酒を勧めることでかなりボトルを開けてくれるというのもあります。その辺の腕の見せ所は私の働いていたレストランのバーテンダーは本当にうまかったので、また別途カナダのレストラン事情について書きたいと思います。

日本の飲ミュニケーションについては良しあしありますが、これが文化と捉えればあながち悪くもないと思います。韓国に2か月交換留学をした際、同じアジアの国としてすごく似たことを感じましたし、一緒に飲むことで仲が深まることは確かです。ただそれを強要したり弱い人に飲ませるのは違うと思います。また、カナダの飲み文化を見ていると、仲いい人と楽しくお酒を飲むっていいなーとも思います。どの文化も飲み文化に違いはありますが、楽しく飲むことが一番ですね。

これを書いていたら日本の梅酒と韓国の果物マッコリがめちゃくちゃ恋しくなってきました...早く日本帰って美味しいお酒が飲みたいなー。

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