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小説がお芝居になること

福岡に帰る新幹線に乗っています。ここ2日「コインランドリーで待ち合わせ」のお芝居を見るために山口に行っていました。7月の山口はとんでもなく暑かった。盆地の噎せるような暑さです。

村谷由香里です。
noteをご覧いただきありがとうございます。

劇団シバイヌに小説を舞台化してもらうのは3回目でした。同人作家で自分の小説を舞台化してもらえるっていうのはあんまりに幸福なことだと思うんですが、それも3回目。

すごいんですよね、舞台になるっていうのは。昨日も言ったけど熱量が全然違うんですよ。そりゃもちろん小説には小説の良さがあるよ。あるから書いているんだけど、受け取る側の人間として、わたしは芝居という媒体がとても好きなんですよね。あのエネルギーはやっぱりすごい。生身の人間がフィクションを演じるというのは、半分フィクションに浸かって生きているわたしみたいな人間には信じられないくらい刺さるんです。

ありがたいことに初回も2回目もたくさんのお客様にきていただけて、わたしは2回とも後ろで立って見ていたんですけど多分わたしが一番泣いてたんじゃないかな……。まわりのお客さん「すげー泣いてるやついるな」って思ってたと思う……原作者です…………。

綺麗な舞台でした。わたしが書いたものより光と色が鮮明で、人の気持ちが切実だった。人生が、生き様や死に様が、忘却の末に残るものが胸に迫った。わたしが選ばなかった結末が眩しかった。
わたしは人間とか現実とか、そういうものから逃げて生きているんだけど、わたしの書くものを掬い上げるのはいつだって人間だったし、目の前の現実だった。そんなことを思いました。

良い舞台をありがとう。
忘れたくないなと思います。

千秋楽が19時からなので、お近くの方はぜひ赤れんがまでいらしてくださいね。

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