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#dreamless_wanderer
dreamless wanderer
自分が死ねないのだということに気付いたのは生まれて百年くらいが経ってからだった。
おかしいとは思っていたのだ。いくら年を取っても僕は二十歳くらいの見た目を保っていた。住む場所を転々としていたから訝しまれることはなかったけれど、だんだん自分の年齢がわからなくなった。老けにくいにもほどがあるとは思った。でも、自分がいつの間にやら不老不死になっていたなんて可能性はさすがに考えなかった。
生きるの
Dance on the Mars
カーテンから覗く星が火星だということを知ったのは大人になってからで、それまでずっと昔死んだ猫が星になったのだと信じていた。父はそう言ったし、わたしはその言葉を疑いもしなかったのだ。
あの星は猫やわたしが生まれるずっと前からあって、大昔には火星人がいたのかもしれないなんてことを知っても、わたしにとってはあの赤い星は可愛がっていた猫の生まれ変わりだった。猫の声も毛並みの柔らかさももうあんま