剣盾シーズン振り返り②(2022/3世代連続世界Day2)

はじめに

2022年ルールが発表された後、感染状況も鑑みると世界大会の開催は確定的だったため、今年は本気で取り組みました。
他ルールと比べると、他人の協力を常に得たことで、また初めて同一ルールで色々な構築をハイレベルで扱えるようになった年だったと思います。
(全国大会ではそれによって調整がブレたことが仇になりましたが)

構築(時系列)

今年は以下のように、各構築の第一人者と呼ばれる人と会話をすることで自分の理解度をさらに高めることができたかなと思います。
その上で時系列で内容をお読みいただければと思います。
ザシオーガ: SNOW
グラザシ: リンヤ
パルバド: じーん
※WCSの調整段階では、各構築への理解度がハイレベルだったことで自分で判断できる段階まで来ていたため、考えが一致していたKTと調整

2月予選: ザシオーガとの出会い

使用構築: ライチュウザシオーガ(原案: SNOW 調整(特に配分): YT)
結果: 2月予選38-7(1854)、SNOW&YTともに海外大会で結果あり
テキスト(メタモンver): https://pokepast.es/19b2ebf283b29f61

※SNOWはメタモン⇒DSチョッキツルギを使用していることが多めでした。
また、グラ意識で霊獣ランドだったこともあります。

まずこのルールで一番最初に使ったのはトルネライチュウザシオーガです。
メタ対象は電磁波ロンゲ軸の構築、及びミラー。原案作成はSNOWですが、自身も2016年でライチュウグラゼルネ(対ドーブルのメタ)を使い、グロリア全国王者になった経験があったため、すぐに問題ないと判断して使用しました。
それ以外に
ライチュウ: +1ザシアンの聖剣+1霰を耐える
耐久型トルネ: ミラーで後追い風が打てる
巨獣2耐えオーガ: ミラーで一方的に有利に(当時耐久型は少ない)
といったところで主にミラーで差を付けました。
選択枠は
ツルギ: トドン入りやバナ入り構築
メタモン: 黒バド構築
と意識したものになりますが、前者はメタモンをうまく使えば何とかなることも分かっていたため、増加していた黒バドを意識した選択をしました。
勝敗も本来予選を通過していなければおかしい成績(これより悪い勝敗・勝率で予選を抜けた人間が5/30人ほどいるため)であるほど、この時期の構築としては良質であり、結果的に世界大会に持っていく構築の原案となりました。
実際全国大会もトルネオーガザシアンツルギバレルランドが優勝しております。

3月予選: グラザシ(リンヤパ)との出会い

構築: リンヤパ
結果: 3月予選1850↑(世界大会開催が確定したため、日本ロムで出場せず)
テキスト: https://pokepast.es/0f2bfa481c172e5f

このようにライチュウザシオーガは良質でしたが、一つ重大な欠陥があり、それが数を増やしていた「対身代わりザシアン」でした。
ライチュウ・メタモン・バレルが全てこのポケモンの前ではゴミになってしまうので、この構築を捨てることにしました。
同時期にリンヤが暴れている話を聞いていたので、自身も使ってみてある程度話ができるレベルに到達してから立ち回り案などを共有、この構築への理解を深めました。
今回掲載しているのは、4月予選で片ロムで使用したタイプです。
ワイボザシアン: リザ・オーガ意識
ロンゲ・グラ: 特に黒バドやバナ・ルナを意識した調整
※3月のみミラーを意識してガエンはしっと型
この構築はいわゆる全対応型ですが、環境を意識して技を調整することが重要でした。
世界大会まで全く崩れることもなく、本当に素晴らしい構築でした。

4月・5月予選+EUIC: パルバドとの出会い

構築: エレキ(物理)採用レヒレパルバド (原案: じーん 調整: YT)
結果: BO3出場全大会で予選通過(JCS予選通過、EUIC22位、VR大会ベスト4など)
テキスト: 

※EUICはトリック入りHD眼鏡で使用 
なぜリンヤパの使用を辞めたかというと、当時の知識レベルではミラーだけはどうにもならず、またリンヤパの数も非常に多かったためです。
当初はザシオーガに戻ることを考えていたのですが、なぜかじーんが3月予選を抜けた構築が転がってきたので、それを回しました。
じーんが組んだパルバドは特にパルキアの調整が秀逸であったことで立ち回りの習得はすぐに終わり、すぐに会話できるレベルになったため、レヒレ部分をどうするかだけ話し、上の構築ができあがりました。
パルバド自体の記事は、別記事で詳細を書こうと思っていますが、簡単に意図だけは書いておきます。
襷バレル: パルキアと並べてトリルが確実に打てるように
風船ガエン: 対グラ+白バドミラー(シュカは発動しない)
エレキ: 耐久無いダイマオーガを確1、雨乞い+パルキアのダイストで粉砕
パルキア: 色々な場面で確実に攻撃を耐えてトリルを打つ配分
レヒレ: 対ゴースト伝説+パルキアレヒレによるダイスト濁流でグラザシ破壊
EUIC・JCS予選での感触が非常によく、ソルガレオ以外には勝てる可能性がある構築だったため、以後はこの構築を基本線として調整しておりました。
実際、BO3大会での予選落ちが全く無いなど、非常に安定感の高い構築だったため、このまま世界大会まで完走することを考えてました。

6月JCS: Crystal Rainとの出会い+調整法の失敗

構築: Crystal Rain (原案: SNOW 配分調整のみYT)
結果: てるオフ準優勝
テキスト: https://pokepast.es/36f12fac4c649945

(※てるオフではジンゴサンダーを使用)
当初はパルバドで全国大会に挑む予定でしたが、直前のVR大会の準決勝でCrystalに敗北したことで、耐久オーガの強さを再認識しました。
その後、てるオフの朝にSNOWに教えてもらうことで、この構築を初めて使うことにしました(配分は自分で決定)。
結果は準優勝で、この構築を全国大会に持ち込む事も考えましたが、何を考えたのか、全国大会の特殊フォーマット(予選BO1/トップカットBO3)にビビって他の構築も回し始めました。
ーCrystal Rain、リンヤパ、パルバド、ちゃんなーパ…
そう、いわゆる迷走期です。

その後、前日になって、パルバドを使用することにいたしました。
ピッピ型: https://pokepast.es/5db00a64f59d41d6
バレル型: https://pokepast.es/eec5176dbd5fe3f0
※全国大会では、バレルの攻撃技としてイカサマを使用
EUIC/JCSで使用したものからは、エレキを特殊型にしつつ、怪電波+特殊基調DSとしており、主に対ザシオーガ・パルバド・ディアルガを意識しておりました。(怪電波が入った場合、火力増強によりダイマ技でしかエレキを倒せず、その場合こちらのみダイマを温存できるため)

このアイデア自体はよく、これ以後の大会も全て予選は通過し続ける要因になりましたが、全国大会で敗北した原因は大きく分けて3つあります。
①当日まで、バレルかピッピか決定できなかったこと
⇒全国大会のフォーマットを考えればピッピが正解だった可能性が高い
②ヌケニンを無駄に意識した技を入れて構築のパワーを落とした
⇒そもそもTODで勝てばよく、花粉団子がないことで初戦のSNOW戦を落とす大きな原因になった。
③そもそも直近一週間で色々な構築を回しすぎて練度を落とした
⇒自分を信じきれなかった
(④Day1権利が確定していたため、やる気は怪しかったかもしれない)

この全国大会の反省を活かし、WCSではパルバドを使用することを決定しておりました。

8月WCS: 直前の決断で得たものと失ったもの

7月末にTPCiよりWCS Day1の出場決定の旨、連絡が届いたのでそこから本腰を入れて調整しました。
正直バレル型のパルバドで、延々に成績は出ていたので、これで世界大会で突っ込んで良かったのですが、以下の理由で、辞めることを決断しました。
①比較的全対応寄りだが、ザシオーガを除けば5:5の試合(=プレイ依存)であり、またソルガレオには絶対勝てない。
②3/7、運負け2セットでマッチを落とした(直前のてるチャレ)
⇒Day1を抜けるには、6-2or7-2が必要。オフとはいえこのレベルで運負けする構築を持ち込むのは非常に危険であり、上から叩くことで運負けを回避できる構築を持ち込むことが必然と判断

その後の変遷は
①「上から叩けるパワーを持つ全対応構築(Day1を意識)
⇒ちゃんなーパ
~考えが一致したKTとここから共同で調整(以下も参照)~

②ちゃんなーパvsエルフ黒ザシのマッチアップで、前者が勝つことが必要に厳しい(=ザシアンがミラーにおいて非常に協力)
+オーガがいないと、単純に相手のガエンが厳しい
⇒「エルフ、オーガ、ザシ」の確定

以後は、以下記事のとおりなので詳細は省きます。

このように調整意図が完璧だったこともあり、世界Day2進出(15,18に次ぐ3度目)という最低限の結果は得ることができました。
ただ、この構築をDay2でも使ってしまったことで、一番欲しかった「トップカット」を失いました。
KTからもパルバドを使うように言われましたが、結論として、Day2では絶対にパルバドを使うべきだったと考えております。その理由を、Day1とDay2の違いに焦点を当てて説明します。

世界Day1とDay2の違い

構築・運(大会目標)というそれぞれの視点で違いを見ることができます。

①存在する構築の違い

Day1: 様々な構築がいる(特に海外CP制における上位者、つまり強者がおらず、特に海外プレイヤーについては弱者が多いため)
⇒全対応構築が望ましい
Day2: 上位構築が多い(強者が多いため)
⇒特定メタを予測した構築を使うのが望ましい

②運(大会目標)に対する考え方

Day1で目指す目標: 6-2or7-2を達成し、Day2に進出する
⇒9マッチのうち、3マッチで2セット運負けしうる構築は使用できない。
Day2で目指す目標: 優勝
⇒そもそも運が悪ければ優勝は不可能。最初から上振れるものと考えて、ある程度運のリスクが高い構築も使用する。

つまり、
「Day1において、全対応かつ運負けしにくい構築としてエルフザシオーガを使用した」判断は正解で、
「Day2において、全対応かつ運負けしにくい構築としてエルフザシオーガを使用した」判断はこの基準に沿っておらず、不正解です。
「ザシオーガ」がDay2で多いのは明らかだったため、パルバドを使用すれば、運が悪くない限りはトップカットに行けたと思われます。

終わりに

年齢を重ねていく中で、今年は「色々な構築」を使えるようになったという点では収穫がありました。
一方、日本で最も経験を持っているプレイヤーの一人なのにも関わらず、学習能力がないとしか言えない惨状(トップカットに行けなかった)に終わったことで、今年も後悔の残る結果になってしまいました。
来年こそは、トロフィーを獲得すべく、精進しますが、正直日本のフォーマットは全く好きではなく、絶対に世界大会に行けるようなものではないので、世界大会権利を獲得するまではかなり怖いです。
まあ、世界大会への出場が決まれば、Day2にはどうせ行けるのでそこは心配してません。

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