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”すべての日本人が英語を話す時代をつくりたい” 英語講師 小川彩美さん

◆小川彩美さんのプロフィール◆
1987年大阪府出身。
立命館大学経営学部卒業。
一般企業に就職・勤務後、27歳でイギリスのワーキングホリデー・ビザを取得し、ロンドンに2年間滞在。
ロンドンの観光中心地、コベントガーデンにあるデザイナーズブランドのブティックにて勤務。

現在、フリーランスの英会話講師として大学、企業で活躍。
イギリス、ヨーロッパ各国、アメリカなど様々な国のお客様の接客経験をもとに現地でリアルに使われている英語を、英語初心者向けに提供。

記者:イギリス留学を経て、今英語講師をされてらっしゃいますが、今後どのような夢やビジョンをお持ちですか?
小川彩美さん(以下敬称略):みんなが自分の好きな人たちと快適に過ごせる世界になっていったらいいなと思います。英語はそのためのコミュニケーションツールなので、義務教育で日本人が英語を話せるようになり、自分を表現しながら発信したいことを発信できるようになることが必要だと思います。

あと、日本人は、日本のことをあまり知らない人が多い感じがします。私もイギリスに行ったときに、他の国の人たちは自分の国の自分が住んでいる都市の人口の話などを普通にするのに、私は聞かれても大阪の人口を答えることができませんでした。日本人がもっと自分の国に興味関心をもってそれを世界にちゃんと発信していく。そのためにも、日本人から英語への劣等感を取り払い、堂々と世界で勝負していける日本になっていったらいいなと思って、この仕事をしています。

記者:夢を具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?
小川:将来的に、英会話スクールがなくなれば良いと思って仕事をしています。英会話スクールだけではなく、自分のような英語講師の仕事をなくすために仕事をしています。
 イギリスで他のアジア諸国の人たちに会うと、みんな普通に学校に通っただけで、英語が喋れるようになっています。でも、日本は義務教育で全員が英語を勉強するのに全然喋れるようになっていません。フィリピンやシンガポール、台湾出身で、私と同じくらいの年代の人たちは、みんな英語がペラペラです。私より下の世代はもっとペラペラです。日本人の現状は、駐在で仕事をしている人も英語が出来ないので、通訳をつけて仕事をしています。ものすごい危機感を感じました。日本人も、英語が特別なものではなく、日常使えるコミュニケーション手段になるといいなと思います。

記者:その目標や計画に対して現在どのような活動指針を持ってどのような基本活動をしていますか?
小川:みんなが今やっている仕事に、英語をプラスしていきたいと思っています。今は大学、専門学校、個人、企業に英語を教えていますが、本当は義務教育だけで英語が喋れるようになればいいなと思います。

そして、英語を話せない日本人をなくしていきたいので、最初は英語を教えることしか入り口がなかったけれど、今は書籍(「いつになったら英語話せるの?」2019年8月出版)の出版などを通して入り口を増やしています。

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私は授業を始める前に必ず聞くことがあります。「Do you speak English?」です。日本人は、「Do you speak English?」と聞かれると、ほとんどの人が「No,I don’t」と答えます。英語を理解して英語で答えているにも関わらず、このように答えてしまう人が多いのです。何故かというと、日本人は完璧主義なので、イギリス人やアメリカ人のように話せて初めて英語が喋れるという認識でいるのです。でも相手からしたら、自分とのコミュニケーションを断っている、と理解されます。誤解されてしまうのです。

日本人の英語ができない、という思い込みを取っ払い英語に劣等感を持つ人がいない時代になっていってほしい。英語への劣等感をなくすことで、日々の出会いのチャンスが増えることにも繋がります。そうしたら、多くの人の人生が、もっともっと彩り豊かになっていくと思います。誰もが出会いのチャンスを大事にして、人と人の繋がりを広げていけたらいいなと思って、日々活動しています。

記者:彩美さんが今の夢やビジョンを持つようになったきっかけを教えてください。どのような発見や出会いがありましたか?
小川:私は、イギリスに行く前、日本はアジアで一番の国だと思っていました。でもロンドンでは、PanasonicもSonyも看板を見ないし、日本食のレストランの経営者はみんな韓国人か中国人でした。そのとき、「あ、日本が一番じゃないんだ」と気が付きました。そして日本人の英語能力の水準を目の当たりにしました。イギリスには、ワーキングホリデービザで行ったのですが、香港や台湾や他のアジアの国の人は英語ができるので、すぐ仕事を見つけられるんです。でも日本人はまず最初の数か月は語学学校に通わないと、仕事ができるレベルの英語力が身についてないんです。この差を見た時に、「正直、日本やばいな」と思いました。

それと同時に、日本の素晴らしさも感じました。イギリスで出会ったいろんな国の人の話を聞くと、国によっては、財布を盗むときに手首ごと切られたり、脇道には死体があるのが当たり前だったり・・・、内戦中なので自国に帰ったら殺されるかもしれないという恐れがあったり・・・、それぞれの国の状況は様々でした。でも、日本は安全なのが当たり前になっています。撃ち殺される恐怖とは無縁の暮らしができています。私は、その有難さをしみじみ感じ、日本人で生まれてきたことに感謝することができました。日本人にこそ、日本の良さをもっともっと知ってもらいたい。そして世界に発信していってほしいと思うようになりました。

記者:最初、イギリスに行こうと思った背景には、何があったのですか?
小川:もともとヨーロッパが好きだったのと、日本が窮屈に感じたのもあってイギリスに行ってみたというのがきっかけです。

そこで分かったのは、メイドインジャパンは好感を持たれているし、日本はとても人気がある国だということです。でも日本には英語力を含めて発信力がない。みんながそのうち誰かがやるだろうと思っている気がします。しかし、英語は完璧である必要はないんです。そもそも母国語である日本語も完璧に使えてる人は、ほとんどいない現状があります。もし言葉をちゃんと使えていたら、自分の意図はまっすぐ相手に伝わるはずです。それができないからケンカにもなる。実際は母国語もちゃんと使えていないんです。だから英語に完璧を求めなくていい、そこに壁を作る必要は全然なくて、日本人が英語でもっと気楽にどんどん発信していける土台を創っていきたいと思いました。

記者:多くの日本人が英語を話すという壁を高くしてしまっているのかもしれないですね。お話を伺って、近い未来、発信力、表現力をもった多くの日本人が海外で活躍する時代がくると感じました。本日は、素敵なお話をありがとうございました。

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小川彩美さんの詳細はコチラ↓↓
◆ayaminglishホームページ
http://ayaminglish.com/

◆ayaminglish ユーチューブチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCHCJ9-jSaDLMGqdiPCF4aNw

◆インスタグラム
https://www.instagram.com/ayaminglish/

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【編集後記】
インタビューを担当した泊です。彩美さんのフレンドリーで親しみやすい雰囲気に癒されながら、インタビューさせていただきました。英語のハードルを下げて、グローバルに活躍する日本人をつくっていきたいという思いに共感しました。今後の益々のご活躍を祈念しております。本日はありがとうございました。

この記事は、リライズニュース・マガジン「美しい時代を創る人達」にも掲載されています。