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「親の会」やフリースクールのつくりかた

こんにちは。
D.Liveの田中洋輔(@ytapples613)です。

この頃、「フリースクールをつくりたいです」「親の会をはじめたいのですが、どうすればいいですか?」というご相談をうけることが増えてきました。

子どもや保護者さんの居場所がたくさん増えることは、とても喜ばしいものです。

ただ、「やりたい」と言ったところでどんなふうに初めていけばいいのか?

なにをすればいいのか?

分かりませんよね。

そこで、今回は『親の会をはじめるマニュアル』をつくりました。

この記事を参考にぜひ取り組んでいってくださいね。

ゴールは、どこ?

人は具体的な目標や期限がないとどうしても後回しにしてしまいます。

「いつかニューヨークへ行きたい」と思っていても、そのいつかは来ません。

自分で決めて、行動していくしかないのです。

そこで、とりあえずのゴールを決めましょう。

ゴールは、「〜までにイベントを開催する」です。

親の会やフリースクールを定期的におこなっていくのは難しいし、ハードルが高い。

まずは、どんな小さな会でもいいのでイベントを企画して、開催させましょう。

そのイベント開催がゴールです。

一度イベントを開催すると、自信にもなるし、これからなにをしていけばいいかも見えてきます。

自分にプレッシャーをかけるためにも、いつまでにおこなうか期限も決めましょう!

おすすめは、3ヶ月です。

これ以上短いと大変だし、長すぎると「まだ時間あるから大丈夫かな」と思います。

まずは、だいたいでいいので期限を決めましょう。

難しそうだったら、やっていきながら修正すればいいのです。


ゼロからイベントを立ち上げるために必要なステップは、4つです。

仲間をつくる
企画をつくる
広報をする
イベントを実施する

この手順通りにやっていけば、イベントは開催できます。

まずは、仲間を作る


デレク・シヴァーズ氏は、3人いれば社会的なムーブメントをおこせると言います。


なので、あなたも3人のチームを作るところから始めましょう!

とにかく、仲間づくりです。

一緒にやってくれる人。
同じ志を持つ人。
同じような価値観を持つ人。

まずは、二人目、あなたの相棒を見つけるところからです。

「別に大きな会にするつもりないし……」
「私、一人で始めたほうが早いから……」

そんなふうに思うかもしれません。

仲間集め、なんだかめんどくさそうに感じますし、「ほんとうに意味あるの?」と思いますよね。

でもね、考えてください。

二人いれば打ち合わせが出来るのです。

一人で考えているだけだと、なかなか動けない。

しかし、二人だと話しているだけで前に進んでいる気持ちになるし、やることも見えてきます。

一人だと、「これをやろう」と決めても、ついつい先延ばしにしてしまう。

二人なら、「やるって言ったからやらないと」という良いプレッシャーがあるのです。

会をつくりたい、なにか団体をつくりたいと思ったら、一にも二にもまずは二人目を見つけることです。

コナンには阿笠博士が。
のび太くんには、ドラえもんが。

みんな相棒がいるからこそ、なにかができるのです。

二人目の見つけ方

二人目を見つけるために必要なことは、狼煙(のろし)をあげることです。

「ここにやりたい人がいるよー」と大声で叫ぶのです。

言わないと誰にも見つけてもらえません。

とにかく、至る所に狼煙をかかげ、まだ見ぬ仲間に気づいてもらいましょう!


〈狼煙をあげる場所〉

◇ ブログ
とにかく、ブログを始めましょう。オススメは、アメブロです。横の繋がりも作りやすく、コミュニケーションも簡単です。

SNSは、流れていきます。しかし、ブログは残ります。ずっと前に書いた記事も検索すると見ることができます。

まずは、発信していきましょう。

「ここにいるんだ!」と伝えるのです。


◇ SNS
余裕があれば、SNSもやりましょう。おすすめは、TwitterとFacebook。

ただ、Facebookは少しハードルが高いので、気軽にできるTwitterから始めましょう。仲間が増えて、チームになれば、そこからFacebookページなどを作れば良いです。

◇ リアル
近くでやっている親の会や不登校に関するイベントに参加しましょう!
そして、リアルな場で狼煙をあげるのです!
「私、フリースクールやりたいんです」「親の会をやろうと思っています」と。

主催者にお願いして、30秒だけもらってスピーチをしても良いです。

「やりたいです。仲間欲しいです」と想いを伝えましょう。

なぜ? を伝える


ブログやSNSを始めるのは良いけれど、なにを伝えたらいいのか? どんなことを書けばいいのか悩むと思います。

書く内容は、「なぜ?」です。

なぜ、やろうと思ったのか?
なぜ、親の会が必要なのか?
なぜ、私がやるのか?

内容や企画などは、あとからいくらでも作ることができます。

「この人と一緒にやってみたいな」
「あっ、こんな考え方ステキだなぁ」

読んでいる人に私を知ってもらい、仲間になりたいと思ってもらいましょう。

詳しくは、下記の動画をご覧ください。

ただ、思いばかり書いていてもネタがなくなってくるので、他にもいろいろ書いていきましょう。


不登校ニュースについて思うこと
わが子のことで感じたこと
活動日記

特に活動日記が重要です。
他の団体のイベントに行って来たらそこのレポートを書く。自分がやりたい企画を考えたら、その内容について書いてみる。

ブログで重要なのは、完璧さではなく、その人の成長ストーリーです。

「前は企画あんまりできていなかったのに、少しずつ出来てきているぞ」

そんな前を向いて進んでいるあなたを見たくて、ブログを読むのです。

失敗も停滞も悩みも迷いも、できるだけ開けっぴろげに出してみる。

すると、人間性に誘われて、ファンや一緒にやりたいという人が出てくるのです。

未来食堂日記などは、とても参考になります。

名刺をつくる

手書きでもなんでもよいです。名刺を作りましょう!
名刺があることで名前を覚えてもらえます。連絡をもらうことが可能になります。

名刺にも、「〜で親の会を開こうと準備中」や「フリースクールやりたいので仲間募集」と書いておきましょう。
いきなりビラをつくるのは大変だけど、名刺なら簡単につくれます。

ネットプリントなら、1000円ほどで出来ます。

他のイベントに参加したとき、グループの人に渡す。
告知をして、「興味ある人は名刺持って帰ってください」とビラのように使う。

いろいろ使えます。

名前を覚えてもらう。
自分を知ってもらうためにも、ぜひ名刺をつくりましょう。

企画をつくろう

二人目、三人目が見つかったら、いよいよ企画づくりに入ります。

このときに、まず始めにすることは、「開催日の決定」です。

いつやるのか? を決めてしまえば、やらざるを得ません。

会場との兼ね合い。
メンバーのスケジュール。
参加者の予定。

などを考えながら、開催日を決定しましょう!

場所を決めよう

日程が決まれば、場所を予約できます。

ここで気を付けるのは、できるだけ低予算でおこなうこと。

参加費をとるかどうかに関わらず、お金がかかりすぎると、余計なプレッシャーになります。

「良い緊張感になる」という人もいますが、できるだけリスクは減らした方が良いでしょう。

市民センターや公民館などの公共施設を探してみましょう。

安いと人気がありなかなか予約できないこともありますが、いろいろ探しながら低予算で借りることができる場所を見つけてください。

具体的なイベントの作り方

いきなり本気のイベントをおこなうのは難しいでしょう。

まずは、「プレ開催」ということで、少しゆるく始めてみるのも一つの手です。

フリースクール準備会やお悩み相談会みたく、イベントイベントしていないほうが、開催しやすいです。

ただ、企画内容があいまい過ぎると、参加者は集まりにくいことがあります。

「なにするんだろう?」と思い、なかなか参加するまでには至りません。

このあたりは、試行錯誤をしながら、見極めていってください。

直接誘える人が多いのであれば、声をかけただけで興味を持ってくれるので、ゆるい企画でも大丈夫です。

ブログにファンがついていると、「会いたい」と思ってきてくれます。

もし、そういう呼べる人がいないならば、広報はWebやビラになります。

そうなると、企画内容や広報についてもしっかりと考える必要があるでしょう。

詳しい企画のつくりかたや広報の仕方は、こちらの記事をご覧下さい。

イベントを実施する

いよいよイベント当日。
ここまでよく頑張ってきましたね。

参加者数が少ない。
準備不足だ。
なにかが足りない。

不手際もあるかもしれません。
「もっとできた……」と思うこともあるでしょう。

でも、開催できたことを喜びましょう!

たとえ参加者が数名であっても、この一歩が重要なのです。

「イベントを開催した」と「やろうと考えている」には、大きな大きな溝があります。

あなたは、「開催した側」に立つことができたのです。

反省や後悔、学びは次につなげましょう。

振り返り、改善していけばいいのです。

さいごに

正直、不登校支援はまだまだです。


相談できる場所は少なく、理解してくれる人も多くはありません。
だからこそ、あなたのように「やりたい」「作りたい」「手伝いたい」という気持ちは、大歓迎です。

しんどいという気持ちを誰かに話すだけでも気持ちはラクになります。

その「誰か」に、あなたがなってあげてください。

知識がない。
経験がない。
能力がない。

言い訳は、探せばいくらでも見つかります。

しかし、今も悩んでいる子どもや保護者はたくさんいます。

あなたが動くことによって、この人たちは笑顔を取り戻すことができるのです。

上手にやる。
ちゃんとやる。
計画的にやる。

そんなことを意識せず、ただ、出来ることをやってみてください。

きっとあなたの背中を押してくれる人。一緒に進もうと言ってくれる人が出てきます。

さいごに

僕がD.Liveという団体を立ち上げて10年になります。

当時、僕は飲食店で働いていました。社員として、結婚式のパーティー運営やシフト作成、接客などをしていました。

教育の仕事は、一切していません。

けれど、教育に関わる仕事がしたいと思い、この団体を立ち上げました。

この記事にも書いたように、まずは仲間集めから始めたのです。

mixiというSNSを使って、僕がやりたいことや思いをとにかく発信しました。

掲示板に書き、友達に「この文章を教育系の友達に送って」とお願いしました。

そうして、興味を持ってくれた人、一人一人に会いました。

「こんなことがしたいんだ」
「僕はこんなことを思っている」

熱を込めて、語ったのです。

そうやって、一人また一人と口説いていき、気がつけば20人くらいになっていました。

そこで、みんなであつまりイベントをすることにしました。

はじめのミーティングは、「なにをしよう?」からのスタート。

まったくなにもきまっていないゼロからの船出でした。


(当時の模様などは、下記のプロフィールに書いています)


始めて企画したイベントは、反省だらけでした。
けれど、そこからたくさんのことを学んだからこそ、今があります。

あのイベントがなければ。
mixiで発信しなければ。

なにかがなくても、きっと今はないでしょう。

あのとき、たくさんの人に相談にのっていただき、僕はイベントをおこなうことができました。

そのときのお礼を少しでも返すことができたらと思い、この記事を書きました。

ぜひ、行動してください。
新しく作って下さい。

そしていつか、「この記事を読んで、始めました」と声をかけてもらえると嬉しいです。

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田中洋輔(NPO法人 D.Live)
たくさんの方々に届くように、マニュアルや資料などをどんどん作っていきます。できるだけ無料で公開できたらいいなと思っているので、「役に立つ」「参考になった」と思ったら、投げ銭お願いいたします。