見出し画像

システム導入に成功する企業には共通したことがあったなぁという話

プロフィールにも書いている通り、私は長年エンジニアでした。前職では、企業のIP電話システムを設計したり構築するということに関わっていました。

そして、ものすごくたくさんの企業の通信システムに関わることもできました。

そういう経験を通じて、「この会社はシステム導入成功したなぁ」と思える企業には共通点がありました。

私が感じた共通点は、こんな感じです。

・「ソフトウェアに不具合はつきもの」という認識をもっている
・新しいシステムの機能と仕様に運用プロセスを寄せていく柔軟さをもっている
・システムに特別仕様のカスタマイズを行わず、極力標準仕様で活用する

それぞれ見ていきましょう。

「ソフトウェアに不具合はつきもの」という認識をもっている

そもそも、世のソフトウェアは完璧にテストをしたものが売りに出されるものだという意識を持っている人が多すぎる気がします。

もちろん少しでも不具合を無いようにテストをしているのですが、バグを完全に取り去るためにはテスト&修正の期間をかなり長期間確保しなければなりません。それだけ完全に検査して世にリリースしていると、世の中の技術のスピードに乗り遅れてしまうのです。

特に海外企業のソフトウェアは、ある程度のテストを実施したらリリース。お客様先でバグが見つかれば即座に修正してパッチを更改し、品質を高めていくというやり方ですね。

多少の不具合があっても、いち早く新機能を世に届ける方がよい、という考え方なのです。これは、もう思想の違いなのですよね。

このスタイルに慣れていない昔ながらの思想が強い、主に日本企業は、

「お客様に提供するソフトにバグが存在するなんてもってのほか。期間がかかろうが、世に売り出す前にバグテストを完璧に取り去ってからリリースする」

という方針だったりします。

それはもちろん立派な方針です。ただ、テストにかける時間が長ければ長いほど、前者のスタイルの企業のソフトからしたら時代遅れのソフトになってしまうのですよね。

これはむしろマーケティング戦略に近いものなのかもしれません。

さてソフトウェアを導入する側の立場に戻りましょう。

ある程度バグというものは存在するんだ、ということを当たり前のことと捉えて導入される企業は、それを前提とした運用体制を構築するので、発生したときのインパクトが小さくて済むのですね。

後者のスタイルに固執してしまうと、

「なぜバグが出たんだ!責任を取れ!」「原因を報告せよ!」

という、後ろ向きな対応で時間を費やしてしまうのです。

画像2


新しいシステムの機能と仕様に運用プロセスを寄せていく柔軟さをもっている

新しいシステムを導入するときは、企業のプロセスを見直す機会になります。

ところが、旧態依然昔の慣習ややり方にこだわり、新しいシステムを昔のプロセスに合わせさせるという考え方で取り組むと、だいたい成功とはなりません。

柔軟な企業は、システム側になんとかさせるのではなく、自分達が変わるという事を実行できるのです。

画像3


システムに特別仕様のカスタマイズを行わず、極力標準仕様で活用する

これも既存の慣習やプロセスを実現させたいが故に発生することが多いのですが、標準パッケージのようなシステムに特注のカスタマイズを入れてしまうと、それ専用の運用体制が必要になります。

カスタマイズした部分で障害が発生した場合、切り分けや改修に時間がかかったりしますし、ソフトウェアのバージョンアップができないといった制約が発生したりします。

こういった制限は運用コストにものしかかってきます。

出来る限り標準パッケージのまま活用することで、開発元のソフトウェア更新のスケジュールなどにそのまま乗っかることができ、結果的にはコストがかからなかったりするのですね。


3つほど特徴を上げましたが、全体的にいえることは、

自分達が変わることに抵抗が低い

というのがキーワードになってきますね。


大企業になればなるほど自分達が柔軟に変化していくことに抵抗が出てくる傾向にあり、自分達の既存のプロセスにシステム側が対応するよう求めてくることが多いです。

システムなんかツールにすぎないじゃないか、といわれればその通りなのですが、少なくとも私が見てきたお客様の中で成功している人達はそうだった、ということです。

なにかの参考になれば幸いです。

それではまた!

画像1

日々感謝 m(_ _)m

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?