見出し画像

Digることで「新しいアイデア」が生み出される

アイデアは偶然の産物ではなく、生み出されるべくして生み出された方程式があります。

アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない。

ジェームス・ウェブ・ヤング (James Webb Young)
『アイデアのつくり方』より引用

アイデアとはゼロから何かを創り出すことではなく、すでにある要素を組み合わせることであるとコピーライターのジェームス・ウェブ・ヤングは述べています。

「既存の要素」の引き出しの多さと、物事を抽象化し要素と要素を結びつける「組み合わせ力」が良いアイデアを生み出す発想法のベースとなります。

ただし「既存の要素」×「既存の要素」と言う方式を持っていれば良いアイデアが想像できる訳ではなく、組み合わせの元となる「既存の要素」の引き出しを増やすことと、異なる二つの要素の関連性を見つけ出し組み合わせる能力がなければ「アイデア」を創造する事はできません。

元ネタになる要素を多く収集し、要素の持つコンテキストや特性などを理解したり、要素自体を抽象化してみることで「異なる要素同士の共通項」を発見することができるのです。

アイデアを生み出すために必要な2つの要素
①アイデアの元になる「既存の要素」を多く保有する
②要素と要素の関連性を見つけ繋げる能力

アイデアを生み出すためにはアイデアの元になる「要素を集めること」「要素を理解すること」が必要になるのですが、これらの要素は「Digる」ことで補うことができます。


Digるは「既存の要素」の深掘りである

Digることで「世界の解像度が上がる」でも述べたとおりDigるとは「能動的に知ろうとする行為」です。

Digるとは「自主的に調べて深掘りしていく」ことで、探究心を持って深い部分までしっかりと掘り起こす行為を指すため、深度が深ければ深いほどDigの精度は上がっていきます。

Digることで「世界の解像度が上がる」より抜粋


「Dig」とは主に趣味の世界で使用されることが多いスラング言葉で「探す」と言う意味で使われます。

Digることで現在関心を抱いている要素を更に深く知ろうと掘り下げていくことになります。物事を掘り下げれば掘り下げるほど「関心ごとと関連するが全くもって異なる要素」を見つけることがあります。

Digることで<「既存の要素」×「既存の要素」=アイデア>を因数分解することができ、アイデアの元になった2つの要素を理解することができます。

事柄に対する本質を掴むことで、他の要素の関係性と結びつきやすくなり、新しい視点で物事を見ることができる様になるため「解像度」が上がり、広い視点で世界を見ることができる様になるわけです。


「Dig」とは既存の要素に対する理解の追求であると同時に、新しい「既存の要素」との出会いと言う一面もあります。

Digることで「新しい出会いが訪れる」で述べたとおり、Digることで視野が広がり「別の要素への関心」が生まれやすくなります。

すると一つの要素を介して別の要素へと興味関心が広がることで新しい「要素」と出会うことになります。

現象に対する知識の増加、歴史的背景が結びつくこと、関連する現象を知ることで物事を見る角度が増え、多角的な視点で見ることができるようになることで変化が発生します。

そしてDigることによって「知らなかった世界」と必ず出会います。

Digることで「新しい出会いが訪れる」より抜粋

解像度が上がり、視野が広がると見える世界が変化するため今まで関心のもてなかった領域に「惹かれる要素」を見つけることができ、関心の範囲が広くなり「既存の要素」の引き出しは増加していきます。

Digることで「要素」に対する縦の理解だけでなく、関連のある横の「要素」にも手を伸ばし、気がつけば広い範囲でDigっていると言う経験をしたことがある方もいるかと思います。

音楽を例にすると、a君は「バンド A」が好きになり、バンドAについて調べていると「バンド A」の曲や世界観を構成する要素に行き着きます。

すると、バンド Aが属する「ジャンル X」や影響を受けた「音楽」、メンバーの「パーソナルな部分」へと関心が広がり、別の要素をDigり始めます。

気がつけば「ジャンル X」に対して理解が深まり多くのバンドを知ることになりました。そしてその中に「ジャンル X」の要素に「ジャンル Y」の要素を組み合わせた「バンド B」の存在に気がつきました。

バンドBにハマったことで「ジャンル X」と「ジャンルY」を組み合わせた「ジャンル Z」に興味を持ち「ジャンル Y」と「ジャンル Z」をDigり出します。

その後、ライブパフォーマンスや歌詞の世界観の元ネタ、思想や環境など関心の幅は広がり、現在a君は「楽器 α」に夢中になっています。

a君は過去にハマった「バンド A」と「ジャンル Z」の音楽要素と「楽器 α」の特性やコンテキストを組み合わせて「新しい音楽 Ω」を演奏しています。


a君はDigることで興味範囲の幅が広がり続けた結果「既存の要素」のストックが溜まっていき、「要素」に対する理解が深まっていきました。

そして現在熱中している「既存の要素」に対して今までDigってきた「要素」のもつ特徴や特性に共通点や関連性、類似性などを見出し新しい組み合わせとなる「新しい音楽 Ω」にたどり着きました。


Digることで「アイデア」は生まれやすくなる

Digとは深掘りすることであり「アイデア」を生み出すための方法ではありません。

好きなものに対して「追求する」知的好奇心の冒険である「Dig」は「生み出す」ことよりも「知る」という欲求の方が強いため「Dig」だけではアイデアが生まれる事はないでしょう。

しかし、Digることによって確実に世界を見る視野が広がり、解像度は上がっていきます。

そして物事の本質を掴みやすくなり、気になる領域が拡張されていきます。

新しい出会いがDigった事柄を起点に拡大されることで新しい要素と出会い更に解像度は増加していきます。

そして蓄えた知見はDigるほど抽象化されていき、要素の中にある本質や性質が見えやすくなり、異なる要素同士の関連性に気付ける様になり、「二つの要素は組み合わせできるのでは?」と言うアイデアになります。

Digは知的好奇心を満たす冒険ですが、冒険の先には新しいアイデアを生み出す可能性が広がっています。

自分の好きなものに対して「無駄」とは思わず、とことん追求してみる事で「新しいアイデア」に巡り合えるかもしれません。

Digを初めてみてはいかがでしょうか?



この記事が参加している募集

最近の学び

最後まで読んでいただき、ありがとうございました! もしよろしければスキやシェアをしてくださると嬉しいです! また、サポートしていただけましたら、より良い記事を書くために活用させていただきます。