コロナウィルス後の飲食店の在り方について徒然に書いてみる (その1)


僕はテキストを書くのがめちゃくちゃ苦手で、どちらかと言うと喋る方が得なので普段こういう長い文章は書かない。

だけど今日はなんとなく書きたくなったので書いてみる。

お題の通り、コロナウィルスで未曾有の事態になった経済だが、今後この状況を乗り超えて飲食店の在り方がどうなっていくかを自分なりに考えたり、周りの有識な方々の発言を受けて感じたことを連々と書こうと思う。

未来なんて誰にも当てることはできないけど、大きな方向性はそう大きくはズレないはずだ。

まあどう受け取るか最後は読み手の皆様にお任せします。

1.飲食店のデジタル化

これを僕が言うと圧倒的ポジショントークになっていしまうが※、現実的にこの流れは止められないだろう。

※僕は飲食店以外にもU&I株式会社という経営支援とITサービスの会社もやっています。最近FastPickというテイクアウトアプリもリリースしました。

日本でもここ20年くらいずっとIT化だ、やれDXだと騒がれて続けているが、情報技術を使ってビジネスを効率化しようという流れはどんどん加速している。

そんな中で実は飲食店はかなりデジタル化が遅れていると言っても過言ではなく、できたての美味しい料理、物理的な空間(店内の内装)や接客など、アナログな接触による付加価値を出す側面が強いためデジタル化するインセンティブが弱い部分もあったと思う。

最近、NewsPicksで落合さんも言ってたけど「物理的にアナログやアトムで付加価値を出すのはデジタルonlyで価値を出すより簡単」なのだ。

ただ今回のコロナ騒動を機にそうは言ってはいられなくなった。

なにせ三密禁止。つまり「集まっちゃダメよ」ということ。

物理的な空間や接客で価値を出せなくなってしまう、この状況は飲食店というビジネスモデルを根幹から揺るがしてしまう。

"集客"ができないのだから。

もちろん完全に飲食店がなくなるなんて極端なことはないと思う。

しかしそれだけで成り立つというのも難しくなりそうだと思う。そうなると集まらずに価値を届けるためにデジタルは必須になる。

スマホという顧客の入り口に対してお店を出すイメージで、テイクアウトやデリバリー、通販という形で違う収益の窓口を複数同時に持たないといけなくなるだろう。

僕の見立てでは飲食店に限らず今後、全てのリアル店舗を持っていたビジネスが50%はデジタルを通じたビジネスに変わっていくだろう。

そうすると家電などで既に起こっている※「ショールーミング」のような購買行動の変化はいたるところで起こっていくだろう。

※店舗では実際の商品を見るだけで、買うのはネットで買う購買行動のこと

今までは"お店=リアル店舗のみ"というイメージが

"お店=リアル店舗+ネットの店舗+通販"のような形になるのだ。

なのでまずその変化を受け入れていかなければいけない。

それぞれリアル店舗以外のチャネルについて考察してみる。

まずはデリバリー

▶デリバリーについて

UberEatsや出前館、他にも色々あるとは思うけど飲食店のデジタル化みたいな話でいの一番に来るのがこのデリバリーだ。

僕は率直に言うとデリバリーは日本においては、相当無理ゲーだと思ってる。

正直、UberEatsも出前館もそこまで儲からないビジネスモデルじゃね?って思ってる。

なぜか?それはデリバリー自体がめちゃくちゃ労働集約型モデルで、デリバリーの配達員のコストが変動費として付いて回るのでやってもやっても儲からないのだ。

中国のような国で人件費が格安で労働力がいくらでも手に入るような国ならば成り立ちやすいが、少子高齢化で人手不足かつ人件費の高騰がどんどん進む日本では非常に厳しい。

もしそれで儲かろうと思うえば、ドライバーと飲食店両方からガッツリ搾取する以外ない。

実際、UberEatsも出前館も飲食店への手数料率が30%を超えると言われていて飲食店からすると非常にエグい手数料率だ。

UberEatsは自社ドライバーではなく外部に配達員として委託してて、そこからも手数料を取っているであろう。

そうなってくるとお店もそれを商品価格に転嫁せざる得なくなる。

なのでUberEatsはやたら高めの価格設定になっているし、それを問題なく買えような所得層が多い、都心の限られたエリアでしか展開しない。

あとは集積度が高くないと効率よくデリバリーできないってのも要因だと思われる。

そこまでして本当にデリバリーを飲食店はやるべきなのか?それを良く考えたい。

UberEatsを使う層とUberEatsに使われる、その格差はますます広がるだろう。

「いやいやうちは自社でやるよ」ってところもあるとは思う。

ただデリバリーはそんなに甘くないのだ

1hあたり配達員を確保するのに、時給+社会保険料+車両代+保険代+ガソリン代なんかを加味すると¥1,500/h〜くらいのコストがかかる。

そうなると配達料¥500をもらっても最低1hで3件は回らないといけない。

同時に同じ時間に同じ方向の顧客へ向けてデリバリーできればよいが、そんなに都合良くお客様は注文してくれない。

オーダーが入ってからお店に受け取りにいって、A'さんの自宅まで届ける

オーダーが入ってからお店に受け取りにいって、B'さんの自宅まで届ける

オーダーが入ってからお店に受け取りにいって、C'さんの自宅まで届ける

それぞれを20分以内でこなしてもいただく配達料と配達コストは損益分岐点。

料理は本当に時間通りできるのか?

道は混んでいないのか?

受け渡しの住所は合っていて、一回で正確な住所に届けられるのか?

さらに注文はいつ入ってくるか分らない中で配達員はスタンバイしないといけない。もし注文が入ってこないとその分のコストはダダ漏れでどこかでそれを回収しないといけない。

それらを考えた時に半径3kmを超えてくると配達はなり難しくなるし、それをやれる立地は日本国内にどの程度あるのだろうか?

それでもデリバリーが飲食店に必要なのだろうか?

始める前にそこをしっかり考えて電卓を叩いて計算することが大切だ。


と書いてて疲れてきたのでその2へ続きます。

(多分、いつか書きます。)





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