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意味を形にし、命を吹き込む

島根県浜田市の手漉き和紙を使った、千年残る婚姻届を作っています。

ずっとずっとこのプロダクトにロゴをつけてあげたいと思っていました。

別になかったらなかったでも良いかなと思っていた頃もありましたが、実際にロゴをつけてもらうと、なんというか、「命が吹き込まれた」というような、すごく"存在感"がはっきりするようになって、自分でもびっくりするほど、ちょっと涙がでるほど嬉しかったのです。

ロゴデザインは、自分も所属しているクリエイティブチームで結婚式向けプロダクトを作ったときにもデザインを担当された坂 祐哉さんにお願いしました。
コンセプトを一生懸命ヒアリングした上で、オリジナルアイデアも入れてデザインしてくれるめちゃくちゃ頼りになるデザイナーさんです。
(ポートフォーリオサイトなどはこれから作成されるそうなので、公開され次第こちらにもリンクしたいと思います。)

『ロゴを発注する』ということ自体が個人的には初めての事だったので、楽しみな気持ち9割と、どんなものが出来上がってくるのだろうという「不安な楽しみ」が1割でした。

そんなこんなで本日、渋谷某所で初稿ロゴのお披露目をしていただきました。

どういうイメージでデザインしたかという説明を冒頭に簡単に説明してもらい、ドキドキしながら見せていただいた本命のロゴがこちら。


上質な紙に印刷されたメインロゴ。一発で一目惚れしました。


以下、このロゴの制作意図についてデザイナー坂さんの解説付きです。

1300年続く日本の伝統技術。
1000年残る男女の永遠の愛の証、家族の証。
1000年という言葉から感じる、畏怖の念や神秘的な雰囲気。

繊細で美しい古来日本の美と、現代的な大胆さを
掛け合わせてデザインしました。

ロゴ制作の発注時にじっくりとプロダクトコンセプトをお話しました。

「1300年続く日本の伝統技術」「1000年残る愛の証」を特に大切なコンセプトとしていたため、そういった意味を含むロゴにしてほしいとお願いしていまいました。

1000という数字をロゴマークに使用しています。
1は漢数字の「一」で、これは連綿と受け継がれてきた、長い長い悠久の歴史を表現しています。
下の3つの円はゼロが3つ、日本では平安時代から3という数字は縁起の良いものとされています。
2つに分けることができな数字であり、婚姻届のロゴマークには最高の数です。

特に驚いて嬉しかったのが以下の意味合い。

それとともに、この3つの円は、この和紙を表す重要な3つのことを表しています。

1. 楮。
2. 美しい水。
紙づくりには楮を水にさらして洗うことでかわについたゴミを落とす「川晒し」の作業が必要になるが、
この作業にはチリ一つない無い清らかな水が必要となる。
3. 約1300年もの間、技術を受け継いできた幾人もの職人さん達。
そして縁結びで有名な出雲大社の大しめ縄を連想させる形をしています。

出雲大社のしめ縄まで表現してくれてるなんて。


おそらく、この婚姻届を見つけてまず気に留めてくれるのは女性だと思い、「女性に親しんでもらえる雰囲気、でも可愛すぎないように。」という難しいオーダーをしていました。

「年」の文字は約1000年前の平安時代のかな文字で、女性的な柔らかさと悠久の歴史を表現

かな文字の「ねん」。ぐっとくるかわいさと綺麗さ。

使用したフォントにまで意味がある。

欧文ロゴタイプには、
未来という名前のFuturaを使用。
1000年先の未来も残る婚姻届にぴったりです。

試行錯誤の中から洗練されたもの。

自分がもっとも大切にしている価値基準は「意味があるかどうか」です。

どれだけ時間をかけても、どれだけお金をかけても、穴をほって埋めることを繰り返すような意味の無いものには誰も魅力を感じない。だからこそ、自分が創るものには全て意味を持たせてあげたいといつも強く思っています。

「意味」を形にしてくれるデザインに心からの敬意と感謝を。
そして創られたものにたくさんの愛情を注いであげたいと思います。

今日はこの子を何度も眺めてニヤニヤしてます。


(追記)

ロゴ中にどうしても生産地である「石州」という文字を入れたいと希望し、その後もいろいろ修正を入れていただき、最終的にはこんな感じのロゴが出来上がりました。


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