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ワークライフマーブルな私たちが思うこと

港福一夜城VOL28ワークライフマーブルな私たちが思うこと

先日、こちらに参加させていただきました。
令和を生きる女性たちがワークライフマーブルをキーワードに語る、現在地のクロストーク。

子育て当事者であり子育て支援にそれぞれの立場から関わる登壇者&モデレーターの4名(ろくろを回している左から2人目が私)

育休パパもいれば、パラレルワークのフリーランスママもいる。
保活だけじゃない、育休中にはリスキリング、休んでなんかいられない
ますます忙しい子育て家庭の状況。
平成7年に地域子育て支援センター事業が定義されてから30年目、
​あの頃生まれた人達が親になっていくいま必要な子育て支援って?
ユニークに自分軸で今を生きる女性たちから、今の横浜で思うこととは?

イベント紹介文より

少子化時代の子育ては誰もが困りごとを抱えている

インプットトークはモデレーターの畑中祐美子さんから。両親(祖父母)世代の価値観・時代性、世の中の動きと出生数の変遷に触れ、少子化・共働き・高齢出産・アウェイ育児など、なにかしら困りごとを抱えながら育児をしているのがいまどきのママ世代。横浜市の統計データを元に100人のマンションに例えた表現でわかりやすく可視化して説明されました。

スライド資料提供:認定NPO法人びーのびーの畑中祐美子さん

その後は登壇者の3名それぞれから自己紹介を。働き方への価値観、家族観、生き方、といった話題に触れたのち、今晩のキーワードへ。

ワークライフマーブルな私たち

多くの方に耳馴染みのあるワークライフバランスは仕事と生活のバランスを取って両立する考え方ですが、ワークは生活の糧であり、ワークとライフは別のものという発想です。

一方、ワークライフマーブルは仕事(ライフ)や生活・生き方(ライフ)が混ざり合った在り方を表しているのだそう。水面に絵の具を垂らしてマーブル柄が生まれるようなイメージが浮かびます。

ドラマ「虎に翼」のモデルとなった三淵嘉子さんが初の女性裁判所長になったのが1972年。それからおよそ50年。「24時間働けますか」とワークアズライフの時代からワークライフバランスへ。

女性が独立してフリーで働く、女性が会社経営をする、育休後の女性が所属企業に留まるだけでなく転職する、かつてはないように見えていた選択肢もより一般的になってきた。

好きでやってるライフワークは本業の仕事や主婦業と並行しているから、子どもが寝静まった夜中に Slack で議論が進む。そんな「あるある」も飛び出します。

ママといっても多様だから、コミュニケーションコストは高い現実

専業主婦、フリーランス、会社員。ママたちの置かれた状況は十人十色。祖父母を頼れるか、パパの働き方・家事/育児の担い方、などの条件の違いはよく言われますが、働き方の面でも溝がある、という話がありました。

会社員といってもスタートアップとJTC(日本的な大企業)では文化も制度も大違い。フリーランスの中には子育て90%、仕事10%の人もいるし、子育て30%、仕事70%の人もいます。

子育てと仕事の時間の割合、それに伴う生活スタイルは人それぞれ。ラベルだけでは実態をつかみきれない多様さがあります。

だから子育て支援拠点での交流も、「この人は何を話せる相手かな?」と探るジャブから始まります。探る時間が7割、楽しく話せる時間3割。試されるコミュ力。「ああ、話せてよかったな」と思える心地良さにたどり着くまでの時間は短くありません。

公共施設として誰もに開いた拠点は、コミュニティというよりは不特定多数が出入りする公共空間の性格がより強くなりがちです。「拠点がもっと独自色を出しても良いのでは?」という提言もありました。

いま起きているギャップは何か?

今どきのママたちは子育て支援への利用意向が低いようです。「国や行政へ期待してないからかな」とコメントもありました。
一方、支援者の立場からは「拠点の中にいると来てくれる人のことしかわからない」という声もありました。

スライド資料提供:認定NPO法人びーのびーの畑中祐美子さん
グラフは第3期横浜市こども子育て支援事業計画ニーズ調査より

子育てママ向けマッチングアプリを使ってみた話もありました。
アプリでマッチしたママさんとチャットで話をして、居住地域の情報を求めていたので拠点を勧めてみると「勇気を出して初訪問」された方がいた話。

アプリから拠点へ、デジタルで得た人との接点が地域の入り口に。行政の施設よりインターネットの方が身近にアクセスできる時代性を感じるエピソードでした。

地域の子育て支援が不要なわけではなくて、ただ形が合ってないということなんだと思います。
ギャップが大きいなら、フィットするように変化すればまたハマるんじゃないか。そういう未来を見てみたい。

越境から変化を起こしていこう

世の中はどんどん変わっていくけれど、似たような人が集まって、同じ業界、同じ場所に何十年もいたら、変化は生まれない。だからこそ、外に出て、立場の違う人たちと議論の機会を持つ。
越境して学びを持ち帰るから、時代に合わせて変化し続けられるんだという話がありました。

会場からは「地域にコミュニティは実はたくさんあるんだよ。みんな身近なジャンルにしか行かないだけで」という声も。

拠点など子どもの場所にもっと幅広い人を受け入れる方法もあるのではという話もありました。
地域貢献やプロボノのような関わり方に関心を持つ人はいるけれど、いまは地域社会への入り口がいま子連れの人にしか開いていない。

結びにかえて

様々な立場からのお話がこのレポートでどこまで伝わるのか……ですが、思わず記録を残したくなるぐらい、とても面白い会でした。

会場の様子をちらり

企画・主催は子育て支援に取り組む認定NPO法人びーのびーのとTEAM SASUKEのみなさん。


会場は横浜駅東口のコミュニティ型コワーキングスペース ヨコハマホップ。木のぬくもりある会場で卓を囲み、終始一体感のある雰囲気でした。

港北区の子育て支援拠点から西区の個人事業主のコミュニティ拠点へ
地域も属性も越境し、子育て支援者、フリーランス・会社員など様々な立場の男女が会場&オンラインに集った、なんとも珍しい「一夜の城」でした。

最後はモデレーター・畑中さんの言葉をお借りし、結びに変えて。

ジェンダーとか、教育とか、福祉とか、いろいろ一夜城では皆さんのお話をきいてきました。結局のところ、それを聞いて、私たち、ひとりひとりはどういきるか、生きていきたいのか、みたいなことになっていくように思います。そんなことが今回のお話からも浮かび上がってくるのなかと思います。

港福一夜城 Facebook 投稿より

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