見出し画像

つながる、はかどる。

ひとりだけど、いっしょ。Shut Up & Write

コロナのために、私の大学も春からずっと立ち入り禁止が続いています。秋学期もオンラインでの講義が主流になるとの連絡がありました。大学での勉強の醍醐味って、授業中のディスカッションだったり、学食でのおしゃべりだったり、研究室でのちょっと尖った議論だったりと、コミュニケーションを伴うものが大半で、それがバーチャル&一方通行になるととっても味気ないです。まるで、日の丸弁当。海苔でもいいから彩りが欲しいなと思い、オンラインならではの勉強方法を探してみたところ、いろいろありました。代表的なのは、YouTubeで勉強風景を流しつつ「一緒に勉強してる」感を味わうもの。

 例:はじめしゃちょーの 【作業用】オレと1時間勉強する動画

お、なかなかいいじゃん!と、さっそく試してみたものの、取り残された感が否めない。それは、はじめしゃちょーが有名YouTuberだからという格差の距離感かもしれないし、どうせ録画じゃん、という時間的な距離感からかもしれない。

じゃあ、バーチャルだけどリアル(?)に一緒に勉強している感が味わえるものはないのか、ということで探してみたところ、見つけたのが、Shut up & Write(以下、SU&W)。名前の通り「黙って書け!」という団体です。

発祥はアメリカのサンフランシスコ。サイエンスフィクションの作家が、誰かと一緒に書くことでモチベーションが上がることに気が付いたことから、物書きの人たちが集まってひたすら書く、という趣旨の団体を立ち上げました。もともとは、地元のカフェや図書館に集まって静かに作業をし、その後しばらく談笑する、といった、いわゆるサークル活動を行っていたようです。しかし、コロナの影響で集まることができなくなったため、次第にオンラインで会合が開催されるようになりました。世界に316あるチャプター(注:グループの呼称)のうち、半数以上がオンラインで会を開催しています。

調べたところ、日本にも東京チャプターなるものがあるようで、さっそく参加したところ、とてもいい!なんといっても、同じ時間にどこかの誰かも頑張っている感がひしひしと伝わってくる点。みんな頑張っているのよね、辛いのは私だけじゃないのね(涙)というのが、Zoom越しとはいえ、非常に励みになります。

SU&Wでは、初めに今やっている作業の簡単な紹介と今日の達成目標を宣言します。それからはパソコン・スマホをミュートにして、1時間から2時間程度、ひたすら作業!慣れないうちはカメラが気になりますが、そのうち気にならなくなります。時々、画面に映るほかの人たちの作業風景をチラ見して「私も頑張ろう!」と自分を鼓舞。オンラインでつながっていることをすっかり忘れて、画面に向かってしかめっ面しながら集中している最中に聞こえる「時間ですよー」。え?もう?終わった後は、今日の成果をみんなと共有。「はかどりました。ありがとう!」のうらやましい報告から「いやー、途中で面白い動画を見つけちゃってさー」の言い訳まで、みんながそれなりの達成感を味わって、終了です。

SU&Wの一番いいところは、同じ曜日の同じ時間に、だいたい同じようなメンバーが集まって作業するところでしょう。仲間意識が芽生えます。会の初めの目標宣言を毎回聞いていると、「あ、あの人進んでるなー」とか、「あの人はまだ同じ事やってるな、大変そうだなー」とか、ほかの人の作業の進捗がなんとなくわかるのです。私の場合、リサーチやってます、を3週続けて伝えたら、いい加減書き始めないといつまでたっても終わらないよ、と笑われたり、論文(ドラフトだけど)書きあげた!と報告したら、みんなが手をたたいてお祝いしてくれたりしました。こういう連帯感って、大学にいけない今こそ必要なものだったりします。

というわけで、東京チャプターに4月から週2回、半年近く通ったのですが、一点だけどうしても残念な点が。それは、会の進行がオール・イングリッシュ。こんないいシステムなのに、日本人には敷居が高すぎる。ということで、日本人のための会を立ち上げました。それが、Shut up & Write@つくば。はじめた動機は、一人だとどうしてもパソコンに向かうのが億劫、気が付いたら動画ばっかり見ちゃって全然はかどらない、という負の習性から抜け出すのを手伝ってもらいたい、という情けない理由。だけど、そんな人いっぱいいるよね、私だけじゃないよね。ということで、ただいま仲間を募集中!やる気が出ない、モチベーションが上がらない、締め切りが怖い、なんて思ってるみなさん、その仕事、いっしょに黙々とやりましょう!

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?