見出し画像

「僕の痛みを君は知らない」とは何なのか

こんにちは、なすなす央です。
7/28開始の「無色透名祭」にこっそり曲を出してました。「僕の痛みを君は知らない」という曲です。

この曲は「無色透名祭は匿名で曲が出せるので、せっかくだからいつもと違う真面目な曲を出そうかな」と思い、無色透名祭が発表された2022年の2月ごろから作り始めた曲です。

残念ながら最後まで真面目に突っ切ることができず、微妙にネタ感のある歌詞がついてしまいましたが、テーマとしては結構重めのテーマにしたつもりです。

出す側として無色透名祭はどうだったか→自分の曲のレベルが浮き彫りになりました

全体の運営がどうとかはあまり言うつもりはないです。ニコニコの仕様などである程度再生に偏りが出たりするのは仕方がないと思ってますし、自分の曲が上位に来ないのはおかしいとか言える実力がないのもわかっているし(その辺はいい曲聴くとわかってしまうので)そういう気持ちは全然無いです。
それとは別に、自分の曲を初めて聴いてくれた人のうちの誰か数人が「この曲いいな」と思ってくれるという形の出会いがこのイベントであったらいいなと思っていました。ところが蓋を開けてみるとその「誰か数人」さえ居なかった、という状況でした。
多分想像するに、私の曲に流れてきた人は全曲リスナーの方や再生数低い順に聴いてる方がほとんどなのではと思われ、その場合普段より更にシビアに曲のよしあしを判断しているように思われます。(音楽サブスクで曲前半を聴いて聴き続けるか判断する、といったような聴き方になっているのではないかと思われます)
普段ボカロをよく聴く耳が肥えた人たちにこの聴き方をされた時に、自分の曲がいいと言ってもらえるかと考えると、まあ無理だろうなという気がしてくるので、結論「この曲いいな」と思ってくれる誰かは現れない、ということで、私の曲はそのレベルに達してないということだろうな、と思ってます。

…と、1日目の段階で書いてたのですが、その後素敵なコメントなど頂いて、概ね当初の目的は達成できたのでは無いかと今では思っています。本当にありがとうございます。

聴く側からみて無色透名祭はどうだったか→めちゃくちゃ面白いです

じゃあ聴く側からみたらどうかというと、もう曲の話とは離れてしまうので簡単に書くとめちゃくちゃ面白いです。普段ガチ曲を書く人が作風を外した曲を敢えて出していたり、普段の作風を貫いていたり、新しい曲に出会えたり、とにかく面白いです。改良したほうがいいことはたくさんあるのかもしれませんが、イベント自体はこれからも続いて欲しいですね。

話を戻して曲のテーマ

今回投稿した「僕の痛みを君は知らない」は、「多くの人たちが側から見ると何も問題なく生きてるようにみえるけど、本当は何かしらの苦しみを抱えているし、それは言葉にしないから気づかれない。伝えたいなら声を出そうよ」ということをテーマに曲を作りました。日常というありふれたものが急に牙を剥くことがあって急に命を落とすことさえある。そんな時に心の中で(俺は辛いんだぞ…)って主人公ごっこやってても誰も助けてくれませんよ、ということをメッセージとして込めました。

歌詞のこだわり

歌詞は以下です。

当然のことをいうけど
君の痛みを僕は知らない
この言葉に君が傷ついても
僕は何も感じない

当然のことをいうけど
僕の痛みを君は知らない
ヘラヘラ 平気な顔してれば
誰かに気づかれることもないや

所詮この世は見た目が9割
アピールした者が勝者
ここが痛い これが辛い
のたうち回る 僕 ねえ 回る

僕がこのコーヒーでむせたときも
君にその辛さは伝わんない
本来入っちゃいけない気管(ところ)に
忍び込む黒い悪魔
黙って見つめる君に届かず
僕の辛さは引きつった笑顔に隠して
消える

言葉にしない想いは誰にも伝わらない
餌を待って口を開けてても
誰も君を救わない あぁ

僕が寿司のわさびで死にかけたときも
君にその辛さは伝わんない
効かないやと爆盛りしたところに
いきなりフルテンで来やがった
黙って見つめる君に届かず
僕の辛さは引きつった笑顔に隠して
消える

僕がこのコーヒーでむせたときも
僕が寿司のわさびで死にかけたときも
「日常」に潰されて死にたいと思っても
誰にもその辛さは伝わんない
ふっとした瞬間あなたの精神(ココロ)に
忍び込む暗い悪魔
黙って俯くだけでは
君の言葉は引きつった笑顔に隠れて
消える

Aメロを二回繰り返す形にしましたが、まずは「君」の痛みを「僕」が知らないこと、次は「僕」の痛みを「君」が知らないことを対比にして伝えています。

Bメロは「所詮この世は見た目が9」という世の中で流行った強めのキャッチコピーを使って惹きつけることを目指しつつ、自分で痛いと伝えた人が勝つよ、ということを伝えてます。なお、この件とネ○マールさんは一切関係ありません。(この辺りで真面目に曲を作るという面で暗雲が立ち込めてきてます)

サビは「コーヒーで咽せる」という日常のワンシーンですが、それで本当に辛くても、辛かったと言わないと案外大丈夫そうに見えてしまうよね、という内容です。

次のサビは「寿司のワサビ」です。なぜ寿司のワサビを自分で盛ってるかというと、僕が行く回るファミリー寿司屋はだいたいそうだからです。

そしてラスサビで突如現れる「日常」
いつもそこにあるものだけど、だからこそ無意識のうちに重さにやられ、潰れていくことがあるかと思います。

ふっとした瞬間あなたの精神(ココロ)に
忍び込む暗い悪魔

本来入っちゃいけない気管(ところ)に
忍び込む黒い悪魔
の対比がお気に入りです。
(お気に入りというわりに音声がどちらも黒い悪魔になってたことにこれを書いてる時に気づいたのは内緒です)

作曲のこだわり

イントロ・Aメロ
キー:C♯マイナー
C♯m | B | D/A | G♯7 B |
 Ⅰm | ♭Ⅶ | Ⅱ/♭Ⅵ | Ⅴ7 ♭Ⅶ 

ベースがC♯ から一音ずつ下降して、ドミナント→ B→C♯m でループする進行です

■Bメロ
キー:Aリディアン
A | G♯m/A | A | B/A|
A | B/A | A | G♯ |

特異音のD♯が目立つコードをならべてリディアンっぽさを出して、場面転換感が出るようにした。

■サビ
キー: Aメジャー
F♯m/C♯ | D/B | A | E7/G♯ B F/C | 
F♯m/C♯ | D/B | A | B7 E7/C♯ | 
キー: Aマイナー
Dm | C | G♯dim/B | Am |
B | C | G♯dim/B |   |

6415進行?途中でマイナーへ。
ラスサビは最後の行が

D | C | G♯dim/B |   |

となっています。(実際は半音上げ)

ラスサビ前のイントロでは
メロはそのままに、コードだけ全音上げて変化をつけてみたり、いろいろ遊んでみました。

編曲のこだわり

基本はいつものやつです。

DAWははじめGarageBand、あとcakewalk。
ボーカルトラックにはnectar、他トラックにはneutron、音量バランスをtonal balance control でみてマスタリングはozoneです。
その上でギターはsession guitarist electric vintage。ボカロはmobile vocaloid editorの初音ミクさん。シンセサイザーはGarageBand。

ドラムはGarageBandの drummerを使いました。一部キメを作りたくて、iPhoneGarageBanddrummer midiトラック化するをやりました。

GarageBandからcakewalkへのmidiデータの移行はGarageBandからmidiを出力でやりました。

リリカピアノは私が作った曲の中で最高の曲である「17JKボカロPGarageBandだけで神曲作ってみた」と同じKORG Module のNatural Grandです。自分史上一番ウケた曲の要素の焼き直しで二匹目のドジョウを狙ってました。

そして今回はサビの最後にウィスパーボイスを入れたくて、いろいろ試してみたのですが、最高のツールを見つけたので紹介します。

KISSというツールで、通常の声のwavを読み込むだけで囁き声に変換してくれます。神ツールですね。今回はこれを見つけた時に勝ったと思いました。(何に)

動画のこだわり

なんか普段より書くことないなと思ったら、動画作ってないからですね。(いや、作りましたが。)1時間かからないくらいでできたのではないかと思います。本当に素晴らしい祭ですね。

最後に

今回の曲は結構よくできたと思ってたのですが(いつもこれ言ってますね)曲単体で誰かの目に留まるには技術が足りないということがはっきりしました。個人的にはネタ曲ではあるけどいい曲だよね、と言われるようになりたいので、まだまだ精進なのだと思います。次回はボカコレだと思っていて、これまたちょっと真面目よりのネタ曲を出そうとしているので、再生数とかは望めないんでしょうけど、奇跡的にラッキーパンチが当たるようにできる限りクオリティあげたいです。
その後はそろそろネタ曲ネタ曲したネタ曲が作りたいですね。くだらないネタ歌詞は溜まってきていますか曲が足りてません。もしかしたらボカコレ前に何か曲出せるかもしれません。

いいなと思ったら応援しよう!