「アキュパンクチュア」とはなんなのか?(ボカコレ2022秋)
皆様お久しぶりです。なすなす央です。ボカコレ2022秋、お疲れ様でした。私はボカコレ2022秋ルーキーに「アキュパンクチュア」という曲を出しました。この記事ではその「アキュパンクチュア」について、説明したいと思います。
この曲はボカコレ2022春が終わったあたりから、子育て中でもボカコレに曲が出せるように、ちまちま作り始めていた曲でした。その結果、約半年近く少しずつ改変を繰り返し、制作期間だけでいうと個人的には大作の部類に入る作品となりました。
曲のコンセプト
この曲は元々「典型的なボカロ曲だと思わせておいて、実はくだらないことを歌ってる曲をボカコレにランクインさせて、ボカロキッズを泣かせる」ということを目的に作成しました。
作品の全体の作りとしては
意味を知らずに聴くと病み系ボカロ曲っぽくなるような歌詞である
でも本当は「アキュパンクチュア」の言葉通り、「鍼治療」を受けたいということを語る歌詞である
動画も途中まではいかにもボカロ曲っぽくしておく
動画の途中でネタバラシをして、以降はどう聴いても歌詞が鍼治療のことを言ってるとしか思えなくなる
という曲の「アハ体験」的なことが感じられるようにしてみました。(ただ、これは狙ったわけではなく、結果的に上記構成になってしまいました。理由は後述します。)
歌詞のこだわり
歌詞は以下の通りです。
「痛くないとこ」は、「痛まないとこ」としていたのですが、ミクさんに歌わせた時に「痛ま」が「今は」に聞こえてしまい、アクセントを変えたり色々やったものの改善できなかったため、歌詞を変えました。「ボカロあるある」歌詞をボカロに合わせる、です。
silhouette〈シルエット〉は綴りがかっこよくていつか歌詞で使おうと思っていたので、無理やり使いました。ほぼこれの影響です。
サビの「核心を突く」「核心を刺す」「核心を突け」「突き刺せ」はどれも最後の2文字の一文字目に強烈にアクセントを付けてサビに入るというイメージで書きました。
また、サビは全体的に言葉として響きのいい「アキュパンクチュア」を連呼する形にしました。
全体的に「まだイケるわ」だの、「刺激足りないわ」だの、「こっちにも頂戴♡」だの、ちょっとえっちな感じがする言葉選びをしてるのは、ボカロっぽいってこんな感じかなと思ってやりました(偏見)
作曲のこだわり
今回はコードをメモってなかったので、キーだけ書いておきます。
あと、たしかサビは丸サ進行にしたと思います。なぜならボカロっぽいから。
今回いろんな方に「転調が多くてボカロっぽい」と言っていただけて、意識はしていたので嬉しかった(ありがとうございます)のですが、どのあたりの転調のことをいってくださったのだろうか?とは思っています。実は私は曲を聞いてる限りでは半音転調とか余程の転調じゃないと気づかないタチなので、転調に気づくという感覚がなく…教えていただけると嬉しいです。あとどのくらい転調すると転調多い!と思うんでしょうか。確かにABメロ、サビでそれぞれ転調してたら多いのかもしれません。
Bメロからサビへは、G→G#で、半音上げてるつもりでしたが、メジャー→マイナーになってるのでそういう感じは出てないかもしれません。個人的にはラフで作ってた時はGメジャー→Gマイナーに転調してたのを、半音上げたという気持ちがあるので、半音上げだ、と思っています。サビで半音上がるのは、嵐のLove so sweetとかでやられてるらしく、半音上げないのを比較して聴いたら、盛り上がりが全然違って、すごい!と思ったのでやってみました。
そしてラスサビからさらに半音上げてます。最近こればかりなので次の曲では半音上げやめたいです。
編曲のこだわり: ギター編
今回は今までいつかやりたいと思いながら踏み切れなかったギターロックをやってみたいと思っていました。踏み切れなかった理由としては、そもそも私はギターが弾けない(なんなら何の楽器も弾けない)ので、ギターロックを作ろうとするだけでハードルがたくさんあったからです。
まず音源など、ギターそのものの音を用意するところから苦労が始まり、どんなリフがギターっぽいのか、音作りはどうするのか…完全に手探りの毎日でした。
音源の問題はギター音源のsession guitarist をフル活用し、なんとかギターロックっぽくできたかと思います。session guitaristは決まったパターンを選択していくのが主ですが、単音も出せるので、今回は単音の打ち込みも行いました。
イントロのリフについては一番最初に浮かんでいたので良かったのですが、メロの裏でなるリフについては、もうどうしていいかわからず、悩みに悩んで、最後には油性さん(Twitter: @u_say3_v)の曲「テレキャスティック×テレスコープ」のはかめ(Twitter: @ktnazm0702)さんのギター弾いてみたを死ぬほど聴いて、イメージを膨らませました。その結果がサビのリフです。油性さんハカメさんごめんなさい。
音作りについても同じ弾いてみたを参考にさせていただきました。(聴いた瞬間かっこよすぎてふおおおおおってなったんですよ、絶対真似してやろう、と思いました。)が、全然あんな感じにならないんですよね。全然ならないので、パクリにもなれませんでした。どうせならパクリになりたかった。あの金属的?な突き刺すような音何ものなんですか?ギターが違うから?アンプが違うから?エフェクト?EQ?
編曲のこだわり: その他
曲のだいたいの骨組みができた後、カッシー(Twitter: @Kascy4869)さんに聴いていただき、かなり助言をいただきました。カッシーさんありがとうございます。
特にサビにもっと盛り上がりが欲しいと、「riser」(サビ前とかでぐぅーんと盛り上げるやつ)「impact」(スパーンってなるやつ)を教えていただき、即採用させていただきました。また、サビでなってるベル的なものも、サビのコーラスもカッシーさんに教えていただきました。カッシーさんとの合作みたいなものですね、これ。
ギターソロの最後につけたクワイヤは、つけるか最後まで悩んだのですが、付けました。
環境や使ったプラグイン
基本は毎度、いつものやつです。
GarageBandからcakewalkへのmidiデータの移行はGarageBandからmidiを出力でやりました。
大まかな作り方の流れは、最近は
GarageBandでメロとコードを打ち込んでdrummerでドラムを付ける
メロとコードをmidi化、ドラムをwav化、cakewalkに持ってくる
コードmidiをsession guitarist、ezbassに食わせてそれぞれのリフを決める
残りの楽器を打ち込む
みたいな感じで作っています。
ギター、ベース、ドラムについては完全にプラグイン、GarageBand頼みです。いい感じに作ってくれます。毎度言いますが素晴らしいですね。ギターベースドラムが弾けなくてもこのくらいは作れてしまいます。個人的には満足です。が、弾ける人にはなんだこれ?って思われてるかもしれないです。でももうこの部分ではこれ以上勝負できない気持ちでいます。
動画のこだわり
動画は当初、なるべく最初から最後までボカロっぽく、を意識して作り始めました。
ボカロっぽいといえばテキストアニメーションだと思い、調べながら作っていきました。
以下サイトを参考にしました。
フリーフォントをたくさん新調しました。
また、今回初めてpiaproから絵をお借りしました。素敵なチャイナドレスミクさん。鍼治療の曲にぴったりです。新葉 になさん(Twitter: @2727mikumirano )ありがとうございました。
あとはこのまま全編ボカロっぽく…と思っていたのですが、慣れない文字動画編集は思うように進まず、ボカコレに間に合わない気配がしてきました…そこで急遽後半からいらすとやを投入。
どうしてこうなった…
雑学を入れることでモミアゲヲ投稿祭への参加も忘れない抜け目のなさ
いらすとや部分を作り始めてからはあまり記憶がなく、なんとか全編動画で埋めようとして、気がついたらゲッダンしてて
気がついたらシューティングをしてて
気がついたらストリートファイターⅡのパロディやってました。
動画が完成してみたら、最後までボカロっぽい動画にするという当初の構想からはかなりずれてしまい、どこからどうみてもネタ曲という感じになってしまいましたが、結果的には「これはネタ曲なんですよ」というのが伝わりやすくなったので、よかったかな、とは思いました。最後に私のことをネタ曲ばかり作る人だと認識してくださってる方から「ついに日和ったかと勘違いして申し訳ございません」と言っていただけたのがすごく嬉しかったです。自分のことを認識してくださってる方だからこそのコメントで、続けてきてよかったと思わされました。
最後に
今回の作品では珍しく曲自体にも好意的なコメントをいただけて、とても嬉しかったです。ただ、他の方のガチ曲と比較すると、調声だったり、MIXマスタリング辺りがまだまだなんだなあと改めて思わされました。この辺りを何らかの形でレベルアップしていきたいですが、そろそろ「ボカロっぽい曲作る」みたいなのは個人的に満足してきたので、ネタ曲全振りとか、個人的に好きな感じとか、今後はちがう路線に行きたいですね。とりあえずまずは「ボカロ作ってる」から、マジでボカロを作るということで、UTAUになろうかなと思っています(本当にどこに行くんだ)