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「教える技術」を教える

早稲田大学オープンカレッジで「教える技術」の講座がはじまった。この講座を受講するのは、今回で5回目を迎える。5回も受講すると、もう学ぶことはないだろう思うかもしれないが、そうでもない。それは、1年もたつと忘れてしまうしまうことと、何かと関連付けて覚えないと記憶があいまいになってしまうので、繰り返し違うアプローチで認知を深めないと、本当の意味で学んだことにならないのだ。

そこで、自分自身に学んだかどうかを試す意味と、今回のリフレクションを兼ねて、「教える技術」を誰かに教えて、どこが曖昧なのかを確認することにする。

実際に先日の講座の中でも、「実際に理解していないと人には教えられない」「他の人に説明して、自分の分からない所が分かる」と向後先生も仰っていた。だから今回、あえて自分の言葉で説明してみよう。


教える技術とは

まず「教える技術」とは、言葉のとおり、教え方を教える技術である。

次に、教え方を教える?とは、どういうことなのかというと、学校の先生に例えると、学校の先生は、教え方を教わっていない。正しくは効果的な教える技を科学的な技術、即ち工学的に学んでいないケースが多いのである。

ここで、教育学と教育工学の違いについて少し述べたい。大まかに教育学とは教育理念、言い換えるなら、こういう人に育てたいという理想を目的に、教育しましょうという規範についての学問であるのに対して、教育工学は、理想は兎も角、生徒が理解したか、しなかった、だけに注目し、手段を問わず、科学的に分かりやすい技を追求する学問である。

だから、「社会に貢献できるひとに育てよう」とか「ひとにやさしく自律の精神を養おう」とか教育目標は関係なく、ひたすらどうやったら伝えやすく分かりやすいのか、に特化して考えるが教育工学の特徴だ。

では、科学的に体系立てて何を教えるのか?


教えることは3つの技能

「教える技術」で教えることは、運動技能・認知技能・態度技能の3つ。

まずは、テニス・水泳・スキーなどの運動技能。

次に、漢字を覚える・問題を解決する・文章を書くなど脳を使って考える認知技能。

最後に、自分の感情をコントロールして、無意識に行動する態度技能だ。


何ができるようになるのか?

つまり、運動技能は、テニスで言えば、ラケットの握り方から、ボールの打ち方まで、身体の使い方。認知技能は記憶を使って漢字を覚えたり、式を使って計算すること。態度技能は、意識しなくても、身の回りを綺麗にしたり、人に親切にできることである。


この3つの技能を効果的に取得できれば、スポーツが上手く、頭もよく、自律した人になれるのだ。文武両道・聖人君子も夢ではない。

聖人君子はともかく、「教える技術」は、理想の自分に近づく技術ともいえる学問だ。


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