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Z世代をターゲットとしたブランディングの攻略ヒントは「親子」?

こんにちは!YRK&note編集部ライターのジャスミンです!
Z世代にターゲットを絞ったブランディングやマーケティング施策はどのように進めていくのが良いのだろう…?と、お悩みの方も多いのではないでしょうか。

ジャスミンはぎりぎりZ世代なのですが、自分以外のZ世代の特長や購買行動はどうなっているのか…また、どのようにして心を動かしていったら良いのか…!改めてちゃんと考えてみよう!

ということで、ひとつのコラムを紹介いたします!

■自分らしさ・多様性を重視する価値観

WEB検索での情報収集やSNSコミュニケーションが得意な「デジタルネイティブ」の、現在10代〜20代半ばにあたるZ世代。ネットリテラシーが高く、これまでの世代よりも「新しい価値観を持つ」とされています。幼少期から情報のインプット量が多く、インターネットで多様な価値観や文化に触れてきたことから「自分らしさを大切にする」「多様性を重視する」というダイバーシティ&インクルージョンに配慮がある世代とも言えます。

*ダイバーシティ&インクルージョンとは、性別、年齢、障がい、国籍などの外面の属性や、ライフスタイル、職歴、価値観などの内面の属性にかかわらず、それぞれの個を尊重し、認め合い、良いところを活かすこと。

■「コト消費・イミ消費」といった消費行動

そんなZ世代の消費行動としては、「物質的なモノの価値」よりも、体験や経験という「コトの価値」を重視することがよく取り上げられ、さらには環境配慮や社会的・文化的意義といった「意味的価値」を重んじる「イミ消費」と呼ぶ消費行動もめだちます。
これらのことからZ世代に共感を生み出すため、事業の社会的意義や持続可能性を整え、MVVを明確にすることを前提とした企業ブランディング・商品ブランディングに投資をする企業が、ここ数年で飛躍的に増えてきています。

■「仲良し親子」が多いZ世代

さらに、団塊ジュニア世代の親を持つZ世代は親との距離間や価値観が近く、一緒に買い物や旅行へ行ったり、母親と娘で同じ服をシェアするといった消費スタイルが注目されています。「家父長制」が残る一世代前の親世代とは異なり、家事や育児を家族で分担する現代では、仲の良い家族構成が割合多く、恋愛や就活についても親に積極的に相談する方も多いようです。
また、株式会社ネオマーケティングの独自調査(15歳~41歳の男女995人を対象に「Z世代・ミレニアル世代のリアル」をテーマにしたインターネットリサーチ)によると、「商品購入時の相談相手として、44.4%が商品購入時に親に相談する」という結果が出ています。これはミレニアル世代と比べても12.8ptも高く、Z世代の購買行動において、「親の存在」が非常に重要であるということが解ってきています。

■Z世代の「親子関係」を上手く取り入れたマーケティング

このようなZ世代の購買マインドを分析し、上手くマーケティング戦略に取り入れているのが、薬用ニキビスキンケアの「プロアクティブ」です。同社は戦略として、「ニキビに悩む子どもと保護者」という“親子”に向けてのコミュニケーションしています。例えばTVCMの、父親が息子に商品を買い与える体験談や、WEBサイトの、親子コミュニケーション診断など、子どもの悩みを親子で一緒に解決するためのサポートツールというポジションを上手く形成しています。

また、パナソニックから販売されている10代Z世代男子をピンポイントに狙った電気シェーバーの開発においては、Z世代の子どもを持つ母親にグループインタビューを実施し、子どもと母親が普段会話している肌に関するトラブルや悩みの内容を、開発段階から積極的に取り込んでいたようです。結果、同商品は発売直後から大反響だったようです。

■最後に

Z世代をターゲットとしたブランディング・マーケティングの戦略を立てていく上で、デジタルネイティブ世代だからこそ、“SNSやバズマーケティングを起用したWEBマーケティングに積極投資を行う”、といったある種の「戦術的思考」は非常に重要です。しかしそれと同時に、Z世代の消費行動や親との距離感といった世代に顕著な心理状況や本質的価値観を見極めて、コミュニケーション戦略を立てていく必要があります。
先述した、Z世代が重視する「自分らしさを大切にする」「多様性を重視する」という点からも、Z世代を一括りにまとめることは難しいため、「Z世代の、どの領域の琴線に触れるマーケティングを行うのか?」という戦略の上に「どのような手段で実施するのか?」といった戦術を走らせることが、Z世代とのコミュニケーションで重要なポイントになると思います。

                                Writer:越野 浩平


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