臆病だって、いいじゃない
「野々村さんは、助産院をやっていて怖くないですか」
「コウノドリ」のシーズン1の第7話目。助産師の小松さんが、助産院を運営する野々村さんにこう聞くシーンがある。
小松さんの母親も助産師で助産院を営んでいたが、先天性横隔膜ヘルニアだった赤ちゃんを死なせてしまい、責任をとり廃業したという経緯があり、小松さんにとってお産は恐いものであり、自分を“臆病者”だと思っている。
それをふまえた、この質問。野々村さんは、こう答えた。
「私は自分のことを優秀な助産師だと思ったことはないけれど、40年事故なく助産院を続けれてこられたのは、あなたと同じで臆病だったからだと思うの。お産ってひとりひとり違うでしょ。経験に頼って慣れてしまうと、いつかきっと何かを見落とすことになる。
(中略)
だって、助産院は一度の失敗も許されないでしょ?生まれたいと頑張る赤ちゃんにお母さんが力を貸して、それをとりあげるのが私たちの仕事。誰かの命に寄り添うには、臆病なくらいでちょうどいいのよ」
こう言われた小松さんの顔が、涙であふれる。
「あぁ、すごくいいなぁ」と思った。臆病であることを少し悩んでいた小松さんが「私は臆病であることは間違っていなかったんだな」とホッとする瞬間がすごく好きだ。
たぶん、これは誰にでも言えることだと思う。臆病だからたくさん準備する。大事なことは事故なく続けることなのだ、と。
「コウノドリ」は、僕には分からないことばかりだったテーマだし、出産は僕にはできない。だけど、毎回考えさせられる。本当にいいドラマだなぁと思う。
※ ちなみにシーズン1は、Amazonプライムビデオで見ることができる。
▶ コウノドリ(2015) - TBSオンデマンド
シーズン2は、今7話目。そろそろクライマックスに近づいていく。今回は、ペルソナという病院で働く人たちにフォーカスが当たっていく。来週も楽しみだなぁ。
(Photo by Nevin Ruttanaboonta on Unsplash)
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