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必要なのは「弱さ」を見せることだった

今の自分に必要なのは、弱さを見せることなんじゃないかと思う。「できないから助けて!」「これ手伝ってほしいんだけど」というような、ささいなことばを言い出せない自分は、自分で自分の首をしめているんじゃないか──。そんなことを、「北欧、暮らしの道具店」のイベント『FIKA NIGHT』に参加した帰り道に、歩きながら考えた話です。

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昨日参加した、「北欧、暮らしの道具店」のイベント『FIKA NIGHT』のメインテーマは、「私らしさをつくるもの」。

うっとりするようなムードたっぷりなイベント装飾、スタッフさんの細やかな気配り、中川さんと佐藤さんの2人の楽しい掛け合いなど、いつの間にか2時間が経っていた。トークセッションがはじまる前の「ぷちおしゃべり」の時間で、隣になった人と少し話して、お客さんも自分とおなじく「北欧、暮らしの道具店」が好きなんだなぁということを感じました。好きなものが同じ人たちが集まる空間は、居心地がいいです。

・つい没頭してしまうこと
・これをすると元気になること

この、「私らしさ」をひもとく2つのテーマについて2人が話している最中、自分だったらどうだろうかとあーだこーだ考えてみました。

考えながら、ふと思いました。自分らしさを考えることも大事だけど、「これはできない」という弱さを明らかにすることも、今の自分は考えたほうがいいんじゃないかと。

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自分は昔から、人に何かお願いすることが苦手でした。

分からないところがあったら自分で調べるし、後で見返したときにすぐに探せるようにきちんとメモをしておく。他人の時間をお邪魔してまで、自分が聞くことは大事なのだろうかと思うくせがあって、できるだけ迷惑を掛けまいと、ひとりでできることは自分でやるよう努めてきました。

文章も、写真も、誰か特定の人に教えてもらったわけではない。必要に迫られていたけど、誰に聞いたらいいのか分からないし、やらないことには何も始まらないから。

「大丈夫です!」
「たぶんできます」
「とりあえずやってみます」

そう言って、試行錯誤してきました。

まず、周りの人たちがどういう風な書き方をしているのか、どんな構図の写真を撮っているのかを手当たり次第に見て、それを真似して、何度も繰り返しました。どうしたらこんなことができるんだろう、そんなふうに考える時間は楽しかった。誰かができるのであれば、そのやり方・設定を真似て数をこなせば、ある程度までできるようになるはず。確かに、ある程度のレベルまではいけた気がする。

でも、その分野の解像度が上がれば上がるほど、次のレベルに上がるには、自分の力だけで越えられる壁は高く、前に進めず、かといって後ろにも戻れず、立ち往生してしまうことが増えてきました。

そんなことを薄々感じながらも、誰かに教えを乞うたり、苦手なことをお願いしたりすることは、相変わらず苦手でした。

「できないやつ」だと思われるのがいやだったし、他人ができることが自分にできないと悔しいと思ってしまうから。苦手なことであってもそれから逃げるんじゃなくて、自分でできるよう努力した方がいいと思っていたから。

でも、最近はそうじゃないなと思いはじめました。自分の弱さは、「強くあろうとすること」そのものにあったから。

誰しも、弱さや悩みをもっているということにやっと気づきました。

小説を読んでいると、そのことをよく感じます。端から見たら完璧に見える登場人物だって、その人にしか分からない弱さ・悩みを抱えている。完璧な人間なんてありえない。人間誰しも、凹凸がある。

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クラシコムジャーナルで、こんなことばがありました。

自分が一緒に仕事してみたいって思った時、相手に凹がないと、凸としてはアプローチしにくい。凹が見えれば「ここは僕がやりますよ!」って言えるから。

ほぼ日のインタビューで、こんなことばがありました。

サッカーのチームなんかの強さをあらわす、レーダーチャートってありますよね。あれって、できあがったチャートの形が「円」に近ければ近いほど、バランスが取れているんだってことですけど、わたしのように「技術」パラメータは、まあまあ3目盛りくらいとしても、「時間厳守」パラメータが1目盛りとかだと、チャートは、デコボコの、いびつです。でも、その子は、それで、その子の真円を保っていると思うんです。

BuzzFeedのインタビューでも、こんなことばがありました。

必要だったのは、弱さをみせること。周囲を信頼して頼ることだったんです。私の弱さは、強くあろうとすることそのものにあった」「家族だから、娘だから、どうせわかってくれないからと蓋をしていたんです」

大好きな、写真家の三浦咲恵さんも、Facebookの投稿で「『甘えるのは、相手に対する礼儀』だと知った」と投稿していました。

助けが欲しい時 寄っ掛かりたい時、相手を信頼して、ちゃんと助けを求める。自分のことを大事に思ってくれている相手なら尚更だ。(中略)それが迷惑になるかどうかは、相手が決めることであって、ハナから頼らない/言わないっていうのは、相手の気持ちを無視した失礼な態度なんだと。

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「できます!やります!」と声を張るよりも、「自分にはこれができるけれど、これはできない」と伝えられることの方が大事なんだなと、最近の自分は思います。

来週には、6月に入ります。そして、12日には27歳になります。

そろそろ節目の時期に差しかかっている今だからこそ、自分の思う「弱さ」とか「できないこと」を認めて、書き出してみる良い機会だなと思っています。「できないからダメ」なんじゃなくて、「ダメなところもあるのが当たり前」なのだと分かったから。

自分らしさについて考えるイベントだったのに、結果的に考えるきっかけをつくってくれた「北欧、暮らしの道具店」のイベント。参加できてよかったなぁ。土曜の夕方、というタイミングが最高でした。

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記事を書いた後、すごくいいツイートを見つけました。適材適所になるためには、まず自分の弱さを認めることが必要だと。

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▼ 以下、イベント中に「Noteshelf 2」でとったメモ


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