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H.U.グループ 竹内CEOに訊いた「清く、正しく、誰よりも早く先陣を切る企業の経営戦略」
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H.U.グループ 竹内CEOに訊いた「清く、正しく、誰よりも早く先陣を切る企業の経営戦略」

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2022年1月4日、東京都あきる野市に巨大な施設が誕生しました。「H.U.Bioness Complex」は、検査・関連サービス事業と臨床検査薬事業を有するH.U.グループホールディングスがヘルスケアの発展に貢献する企業グループとして、さらなる飛躍を目指し、持続的成長の実現に向けた一歩を踏み出すの中核拠点です。コロナ禍で世界中の人びとがわが事として実感した医療と健康の大切さ、そして未来への期待。それに応えるのは「人びとの医療の入口」となる検査事業を担う企業の役目だとH.U.グループホールディングス 竹内成和社長は語りました。

山下PMC機関誌『unsung heroes』vol.26
H.U.グループホールディングス株式会社 代表執行役社長 兼 グループCEO 竹内成和氏
1976年、CBS・ソニー(現 ソニー・ミュージック・エンタテインメント)に入社。2006年、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント代表取締役会長に就任。2009年、エイベックス・グループ・ホールディングス(現 エイベックス)に入社、上席執行役員に就任。2010年、(同社)代表取締役CFOに就任し、子会社の統廃合などの企業組織を再編。2016年、みらかホールディングスに入社。代表執行役副社長を経て代表執行役社長 兼 グループCEOに就任。2020年に現在の社名に変更。

医療の入口である検査を止めない責任

山下PMC 川原秀仁(以下・川原) 完成した「H.U.Bioness Complex」で竹内社長のお話を伺えることにワクワクしています。山下PMCは、本施設のプロジェクト事業計画成段階からPM/CM業務を担当。私自身も何度か現場を訪れ、竹内社長の施設づくりへの熱意を間近に感じ、多大な感銘を受けました。本日はあらためて、なぜこの施設が必要であったのか、その誕生の経緯からお聞かせください。
竹内成和さん(以下・竹内) 当社は臨床検査、それに必要な臨床検査薬事業を柱に、全国に大小50のラボを展開。2020年に創業70年を迎えましたが、一般の方が「ああ、あの会社」と意識されることはなかったと思います。
川原 コロナ禍で、世界規模で「検査」というものをわが事として実感したと思います。私自身もその重要性を感じる機会となりました。
竹内 経済新聞の一面大見出しに「検査」の二文字を見たのは、私たちの業界にとっても衝撃でした。検査は平時においても、とても身近なものです。皆さんの健康、コンディションを計測し医療現場に伝える。私たちの検査業務とは、言わば「医療の入口」なのです。
臨床検査そのものは、成熟市場といわれています。しかし、検査業界では人手不足や災害時での継続など、さまざまな課題が指摘されていました。
川原 BCPの側面ですね。身近な医療施設はもちろんですが、検査業務のストップは医療全体に影響を及ぼす。
竹内 そうです。「検査を止めない」ことが大原則。新施設の立地を、あきる野市に決めたのは、地震や水害に対して盤石な地域であることと、「検体を受け取る」ための交通条件の良さでした。
川原 ここは、常磐、東北、関越、中央、東名の高速道路とつながる結節点ですね。各地から検体を運び込むルートが確保しやすい。
竹内 従来からの大規模検査施設は八王子市にあります。移転後も練度の高い人財が通勤可能であることも大きな条件。JR五日市線の駅から徒歩2分の立地は代え難い好条件でした。

山下PMCが建設プロジェクトのPM/CMを担当した「H.U.Bioness Complex」
施設の一番大きなロゴは、縦5m×横25mと巨大。
これは高速道路から社屋を望んでもハッキリ見える大きさとなるように検討したもの。

会社を変える。業界を変える
そのための「ワオ!」が必要

竹内 課題への対策は、現状を維持できるだけでは半分の達成でしかありません。10年先、20年先も会社が走り続けている。業界の先陣を切っている。そのための準備をし、スタートを切っておくまでが対策です。それを担うのが、経営責任者の役目だと私は常に思っています。
川原 竹内社長は、CBS・ソニーに入社後、エンタテインメント業界で活躍され、現在のエイベックスのCFOに就任。企業再編成での手腕を買われ、6年前にH.U.グループに来られた。医療・検査業界では、異例の経歴と言われていますね。
竹内 ストレンジャーとしての、見方・発想・発信が求められたのだと思います。グループCEOに就任して2年は経営再建に取り組み、まずは現状の課題を解決。そこから未来に目を向け、将来における持続性と成長を展望したときに「絶対的なサプライズ」が必要だと確信しました。
川原 私もさまざまな施設づくりに関わりましたが、竹内社長自らコンセプトを語り、その未来像を示されたときに、まさにサプライズを感じました。既存の枠ではなく、枠組みそのものを変えるゲームチェンジャーの話を聞いている感覚になったのです。
竹内 私は、会社を変える=業界を変えることだと考えています。当然、その発想は理解を得にくい。そこで提案時にはコンセプトを明確にすることと、社員が見ても、業界から見ても「ワオ!」と感じる仕掛けも必要です。
1つは自社の研究設備の充実、検査ラインの自動化、業務・情報管理・セキュリティなど、すべての面でのDXの推進です。未来に向けての投資、業界を変える「ワオ!」です。もう1つは、社員を刺激する「ワオ!」です。業務や会議などの施設・設備だけでなく、福利厚生スペースの充実、さらに中庭や外構に自然を取り入れた広々とした景観づくりにこだわりました。
川原 光井純 アンド アソシエーツ 建築設計事務所を交えた初期の打ち合わせのときに、竹内社長自ら描いたラフスケッチを見せていただきました。検査施設、医療施設をつくると聞かされ集まった私たちは驚きました。これは? まさに「ワオ!」と。
竹内 光井先生が、目を輝かせて「ぜひ、やらせてほしい!」と言ってくれましたね。
川原 チャレンジ精神やイマジネーション、そして熱意が沸き上がったのだと思います。その後の意気込みもすごく、それが周囲に伝播し、建設段階も持続して薄まることなく完成まで続いた。あのラフスケッチが、見事にコンセプトの共有を果たしたからだと思います。

建築デザインを担当した光井純氏と中庭のモックアップで水盤の景観を確認する竹内社長

世界中から人が集まる世界にここにしかない場所

川原 竹内社長が、当初から話されていたことがもう1つありましたね。ここに世界中から人を集めたい。世界中のインテリジェンスを集める場にしたい、と。すごい発想だなと思いました。
竹内 今後の目標のひとつに「海外展開の加速」があります。施設の中にも国際中継が可能な会議室や、同時通訳ブースを設け、国際会議を開催できるホールも造りました。さらに、日本庭園風な中庭は、風景の奥から水が湧き出し、せせらぎが水の音を奏でながら池に注ぎ込み、生命の息吹を象徴する噴水となって湧き出る演出効果も狙っています。この場所で、世界の最先端の医療が語られ、発表される場にしたい。そういう「ワオ!」です。
川原 今、世界中で会議に付加価値を持たせるMICEやユニークベニューといった施設や景観の活用が注目を集めています。そうした最先端の価値が、企業の施設に組み込まれているのは、エンタテインメント出身ならではの発想ですね。
竹内 実際、この施設を見たいという問い合わせが海外からもたくさん来ています。

国際会議のできるホールでは、2022年度の新入社員の入社式を開催。
「新入社員たちは感動していました」(竹内社長)

誰よりも早く未来を先取りして変わる

川原 2020年に社名をH.U.グループホールディングスに改名されました。ヘルスケア領域への事業拡大を念頭に「Healthcare for You」を表しています。
竹内 グループ全体では、従来から介護用品の取り扱い、訪問介護など高齢化時代の健康サポートをすでに担っています。検査も、病気への事後対策だけでなく、未病や健康増進の指針や計画にも活用されていくでしょう。
先ほど、会社を変える=業界を変えると言いましたが、未来に向けて「変わる」ことは必然です。「清く・正しく・美しく」。これは誰もが理想とする社会規範です。コンプライアンスが強く求められる企業においても「清く・正しく」は正解です。私はそこに戦略としての「早く」が必要と考えます。その選択と決断、実践がこの「H.U.Bioness Complex」です。
川原 湧水から命の息吹が吹き出す。中庭で見た景色には、まさにこれからの社会に必要なヘルスケアサプライチェーンの全てのイメージが包含されていました。この施設づくりへの参画は、ハッとさせられることばかりです。

H.U.グループホールディングス 竹内CEO × 山下PMC 川原
「会社を変える 業界を変える」ヒント

  1. ストレンジャーの視点で発想する 
    すでにあるカルチャーを変えるのは難しい。2割、4割の変更ではなく、まったくの別物を提案する。

  2. 企業の絶対的価値は「利益」ではない 
    検査では正確性と社会性こそが企業の存在価値。「検査を止めない」ことは売上げや利益よりも優先する。

  3. 現在の延長線上にないものは社長が考える 
    現状のこと、目先のことは、責任者に任せる。10年、20年先に何をしているのか。そのコンセプトをつくるのが役目。


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山下PMCは、日本初のPM(プロジェクトマネジメント)/CM(コンストラクションマネジメント)専業会社。現在、総事業費3兆円以上の施設建築プロジェクトを担当。100名の一級建築士をはじめとする、建築のプロフェッショナル集団です。 https://www.ypmc.co.jp/