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「また伝わらないものを開発してしまった」となったときのための備忘録(前編)

この記事はあくあたん工房アドベントカレンダー12月9日の記事です。

どうも、野生のプロトタイパーという名前で、大学の講義もろくに理解できてないままテクノロジーのうまい汁だけを吸おうとしてる者です。

サイト見なくてもいいように説明すると、出来るだけ物理世界上のプロダクトを作るようにしています。ですが、そういった思考態度でモノづくりに向き合ってると、どうしても実物を見て触らないとわからないものばかりアウトプットしてしまいがちなんですよね。

この問題の原因としては、個人的には視聴覚以外の情報手段で入出力することが多いからな気がしています。

じゃあどうやって解決するか。先に結論の一つを言うと、こんなスライドをデモの直後に入れることです。

デモでは伝えきれない

ね?簡単でしょ?でもこれがなかなか自分一人では気づけない。

なので、今回はこの問題で死ぬほど滑り倒したあと、その傷が癒えないうちになんとかして克服しようと奮闘した話を頑張って書こうと思います。

方向音痴を克服するもプレゼン音痴に陥る

事の発端は今年のヒーローズリーグという開発コンテストに「方位自身」とを応募したことでした。

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この作品、バイブでネックレス作って、北の方向を常に振動で首元に伝えることで方向音痴を直せるはず…!と思って作ったものになります。それと、こんなデバイスを子供に持たせて、親のいる方向と距離を振動で示せば迷子なくせるかも、などの応用もできるかなって。

一応、触覚系の作品なので、応募用動画も紹介よりは「なにこれ気になる」って思わせる意図を持って撮影・編集して発表に臨みました。

そして迎えた最初の発表。この日はオフラインの会場で

1. 動画中心のプレゼン
2. デモ
3. タッチ&トライ
の流れだったのでまだ良かったのですが、

東京での審査に進み(この時点でありがたい)、大阪の別会場からオンラインでのプレゼンになったときに、

大阪の僕「ファミマWi-Fiしか入ってこない…。しゃーない、動画をその場で撮って送るか」
動画を見た東京の会場「何が言いたいんだろうこの人」

ってなって質疑応答も何言ってるかわからないまま。デモ機を東京に送った努力も虚しく終わり、ここからプレゼン音痴というかイップスみたいになりました。

評価のありがたさと自分の至らなさ

それでも、実際に触っていただいた方には概ねポジティブな評価をいただけました。それはそれですごく光栄なことなのですが、そのときにも

「触覚で伝えるの面白いね」
みたいな感じで言っていただけることが多く、本来の作る目的である「方向音痴を治す」とは違う点が評価され、予想外の反響に戸惑いながらも調子に乗ってたのです。

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その結果、決勝や受賞プレゼンの際にも、それを勝手につまみ食いしてプレゼンに組み込み、勝手に滑り倒す始末。触覚系なので、プレゼン中にデモをするにも限界があって舞台に立つ度に凹んでました。ヒーロー賞のマントも心なしか寂しげ。

後編に続く

狂ってるよね。