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学級内通貨

現在、小学3年生の学級で実践しています。

教室と社会を繋げることが目的です。

狭い箱、狭いコミュニティで生活する子どもたちの生きる術になりますように...

そして自律していけますように。
そんな想いで取り組んでいます。

※通貨のデザインはU先生
実践のアイデアは葛原先生を参考にしていますので完全オリジナルではありません。


❶従来の係活動ではなく係活動を会社活動に変える。

本質的なものは変わりません。

保健会社、整理整頓会社、学級通信会社などたくさんあります。

子どもたちは係活動の時と同じようにクラスで活動をしていきます。

そもそもなぜ会社活動にしたかというのは、係活動だと子どもが受け身になっていたからです。

①子どもから意見を出してもらう。
②黒板に係を書き出す。
③係ごとで人数を割り振る。
④希望を取り人数が偏れば話し合いで解決する。

昨年度まではこれでした。
今考えると恐ろしいです。
やりたくない係に入ったり、友達がいるから流れたり...仲がいい友達とは違う係になってしまったり...

活動していくうちに問題が出てきました。

「○○さんが仕事をしていません。」

「係が違うのに仕事を奪ってきました。」

「めんどくさい、他の仕事をしたい。」

この受け身である係活動を変えたいと思ったのが始まりです。

❷会社活動のルール

会社ですが好きな時に誰とでも設立することができます。
そして兼業、脱退もいつでも可能です。

Aさん〜Eさんがいたとして

1月7日 A・B・Cでチェック会社を設立する。


9日 Bがチェック会社を脱退する。
その後、Dと保健会社を設立する。


といった感じです。

会社を設立する時には1ドル(1通貨)が必要になります。
何人で立ち上げようと必ず1人1ドルを銀行に支払わなくてはいけません。
脱退する時は1ドルは返却されません。

銀行は僕が現在行っています。

(現在は銀行も子どもに受け渡しました。1月13日追記)

設立後は各自でポスターを作ります。

メンバー、仕事内容、企業理念を書いていきます。
ここは係活動と変わりませんが企業理念だけは少し違うかなと思います。

完成後は掲示します。
写真付きで掲示するので誰が何会社に所属しているかは一目で分かります。


❸通貨の入手方法

通貨ですがいくつかの方法で入手できます。

①学期開始時

必ず全員に1ドルずつ配布します。

②1回目の小テストで満点が取れたとき

葛原先生のけテぶれ学習を取り入れ、毎日漢字や計算の小テストを行っています。

ドリルのページごとで4回ずつテストをします。
その1回目で満点をとることができれば1ドルを入手できます。

ですが、これだと努力しても満点が取れない子がいつまでも貰えないですよね。

1回目の小テストより4回目の小テストの点数が伸びれば渡すようにしています。


③日々の仕事の頑張り

休み時間などに子どもの活動を見て頑張っている子には銀行が声をかけ通貨を渡します。

この時に考えられるのが通貨の入手のために仕事を行うのではないか? ということです。

通貨導入の時の語りで

「他の人にはできない、他の人がやっていない仕事を見つけれる人が素敵だよ。」

「先生が見ていない時(見てもらえず通貨を入手できない状況)でも積極的に導入できると最高だよね。」

と伝えています。
僕のクラスでは通貨が目的で仕事を行う子はあまりいません。

もちろん少数はいます。そして通貨欲しさに急に頑張り出す子もいますが同じ人間として構わないかなと思っています。
そこも人の行動として面白いかなといった感じです。

※ここの考え方は実践する人で違うと思いますので一見解です。

④株券

通貨制度には株も導入しています。

株券は銀行が保有しています。

子どもたちは銀行から好きな時に好きな株を購入することができます。

Aさん 所属:チェック会社

①お楽しみ会社の株を購入したい。
②銀行に現在の資金を公開し相談する。
③認められれば通貨と交換する。

株の金額ですがホワイトボードに記入し教室後方に掲示しています。
1週ごとで株の購入金額が変動させます。

株を持つメリットですが

①優待を受けられる。
②給料会議で上位に保有株の会社が入れば通貨が手に入る。

この2点です。

優待は学級通信会社の株を持っていれば
学級通信の内容に意見が出せる。

自分を学級通信に多めに登場させてもらえる。

など子どもたちで優待の内容を決めます。

給料会議については次に書きます。

❹給料会議

3〜4週間に一度学活の時間で給料会議を行います。
事前に今回は会社の資産が合計〇〇ないと給料会議に参加できないと伝えています。

①黒板に会社ごとでその期間行った仕事を書き出します。

②株券を保有している子はその会社名の上に自分の名前を書きます。

③司会を中心に会議を始めます。最初は全員の頑張りをたたえて全員で拍手でスタートです。

④会社の代表が1分で仕事について説明します。
これを全会社が行います。

④質問タイムに入ります。気になることを挙手でどんどん聞いていきます。

「○○会社さんに質問でその仕事はどんな意図があって行ったのですか?」

「その仕事、とてもいいと思います。参考にしてもいいですか?」

「その仕事はやっていなかったように思いますが、いつ頃やりましたか?」

と進めていきます。

⑤全員が納得したら投票タイムです。

投票用紙を配り投票していきます。
投票できる数ですが会社数によって調整してください。

僕のクラスでは現在13社あるので5〜7票にしています。

用紙に選んだ会社、なぜ選んだかを一言で書きます。

回収後は司会が読み上げ、他の子が正の字で黒板に書いていきます。

全て出揃った後は順位を確定させます。
ここまでは僕の出番はありません。
基本的には何も話しません。

⑥表彰

順位ごとに表彰をし通貨を渡します。

例えば...チェック会社は3人所属しています。

1位30ドル貰いました。
人数で割り1人の分け前は10ドルです。

決めた順位まで渡していきます。

入賞できなかった会社にも1人1ドル支払うようにしました。(1月13日追記)

この後に銀行特別賞を発表します。
基本的には選ばれなかった会社を選びます。

それが終われば僕から各会社に日々の頑張りやアドバイスを伝えます。

子どもたちからも上位に入れなかった会社にどんどんアドバイスをしていきます。
あくまで嫌味ではなくクラスをよくしていくためのアドバイスです。

その後、株を保有していた子にも通貨を渡します。

Aさん:チェック会社の株を保有

チェック会社の順位は2位で1人の分け前は5ドルだった。
この5ドルをAさんも貰えます。
この支払いは発行者である銀行が行います。

給料会議の一連の流れはこんな感じです。


❺通貨の使い方

通貨は教室内の色んなものと交換することができます。

給食おかわり優先券 2ドル
席替え優先券 3ドル
銀行からのアドバイス 5ドル

といった感じです。ここは通貨の流通により変動させます。

他には

CM券があります。

僕が力を入れているところで

1分×1ドルで購入できます。
帰りのミーティングに使用することができ
例えば

「新しく○○会社を設立しました。よろしくお願いします!」
「○○さんが○○会社に入りました。頑張っていきます!」
「現在、こんな仕事をしています。」
「今度○○というイベントを業間休みにしようと思っています。」

などCMの内容は任せています。

時間の大切さを感じてほしくここに通貨をあてました。

購入した時間きっちりで止めるので1分購入して1分以上話すことはできません。
途中でも必ず止めます。
この時の僕は容赦ないので子どもたちは予め自分たちでプレゼンの練習を何度も行っています。

通貨の使用は相談にも応じます。

「3ドルで自学ノートにコメントをたくさん書いてほしい。」
「○○をやりたいので投資してもらえませんか?」

などなかなか凝ったアイデアをもってきます。

通貨の使用については学級に応じて変えてみてください。


❻税金

子どもたちは毎週金曜日に銀行に税金を支払わなければなりません。
1度につき1ドルです。

Aさん 所属会社 3社

この場合は3ドルです。
全員が所属する会社の数だけを支払います。

会社ごとで全員が支払うとクリアです。
1人でも払っていない会社があると存続の危機です。
翌週まで支払いは待ちますが2週間支払いがなければ倒産してしまいます。

税については他にも試しているところです。

税金ですが給料会議の順位が上位ほど多く支払うようにしたところ上手く通貨が回るようになりました。(1月13日追記)

❼子どもたちの変化

会社活動、通貨を取り入れてから驚くほど子どもたちに変化がありました。

「○○さん一緒に○○会社やらない?」
「いいよ!○○会社で違う仕事があるけどいいかな?」

「Bさん今の仕事落ち着いたら私と○○やってみない?」
「それ面白そう!」

とかなり主体的です。
仲がよい友達が他の会社を作ってもまた誘って違う会社を作ればいいので揉めることはなくなりました。

それどころか新しい交友関係を持ち子どもたちも今まで以上にたくさんの友達と話すようになりました。

「○○さん5ドルで○○会社に来てくれない?」

と言ったヘッドハンティングや

「○○会社の仕事やりたいから3ドルでマネしてもいいかな?」

みたいな著作権的なこと。

「○○会社はこのアイデアを売ります。」

と言ったオークション。

あげるとキリがないですが日常的に行われています。

そして日々アイデアを出し合いながらクラスをより良くしていっています。

休み時間だけでなく登校後や帰りのミーティング終了後も頑張る子が増えました。

さようならをした後に10分経つと黒板もピカピカ、机椅子は整頓されている、明日の予定は記入されてある、各自のイベントはホワイトボードに書いてある。

と今まででは考えられない光景が広がっています。

学級通信でさえ子どもたちで書くようになりました!

子どもたちの自律に向けてぜひいかがでしょうか?

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3年目、教育界にいます。誰かに刺さる文章を書き続けます。