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少し疲れたら絵本の中を旅しよう。

安野光雅さんの本が好きです。

旅の絵本は特に好きで、

言葉がなく、

細かい繊細な線で描かれた絵が、
ページ一面に広がる絵本です。

どこかの国の
ある街の風景。

見る度に新しい発見があり、

しかし
それを誰かに伝えるでもなく、

自分のスピードで
ゆっくりと
ページを進めていきます。

広大な海。

ある男がボートで
岸に辿り着きます。

その男は旅人でしょうか。

馬に乗り、
丘を越え
街へと進んで行きます。

学校では子供達が遊び、

突然、
大人達の徒競走が始まる。

ヨーイ ドン!

で走り始めた大人達は
ページを跨ぎ、
一生懸命走って行きます。

旗を振り応援する観客。

ペンキ塗りのおじさんは
刷毛を振るから、

飛び散らないかと
心配しちゃう。

床屋さんは仕事の途中で
店から出てきて仁王立ち。

お仕事しなくて大丈夫?

大工さんも手を休めて
皆で応援。

なんて平和な風景でしょう。

お昼過ぎの市場は賑やかで、
遊園地は人が溢れています。

きっと今もどこかにあるであろう
人々の暮らしが丁寧に描かれ、
ふとした所にユーモアも。

ある絵画が絵本の中に登場していたり。


あれはもしかして
『大きなかぶ』のお話かも…?

赤ずきんちゃんが
お花を摘んでる?

なんて、

自分の曖昧な記憶と
陳腐な知識を
絵本の中で照らし合わせる。

この間は、
ヴェートーベンを
見かけた気がしたんだけどな、

今回は見つけられない
おかしいな…笑。

なんて、
絵本の中で迷子になったり。


どんどん
どんどん、
絵本の世界へ
吸い込まれていく。

私があれこれ見つけて
喜んでいる間にも、

旅人は歩みを止めずに
淡々と旅を続けていきます。

人々の暮らしも続いていきます。

絵本の中は、
外の世界と流れる時間が違うから、

安心して居られる。

少し疲れたら、
絵本の中を旅してみては
如何でしょうか?

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