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男尊女卑について

最近、特にTwitterのタイムラインで
女性の権利獲得についての記事や投稿を良く目にする。

子育てを旦那が手伝ってくれない…。
仕事先でセクハラされてるけど誰も助けてくれない。
女性と男性ではこんなに収入格差が!

などなど、書き出すとキリがない。

前提として、僕はこの意見には全面的に賛成
男女間で格差が生まれるだなんて本当にしょうもないし、もっと女性にとって生きやすい世の中になるべきだと思う。
というか、僕がそういう思想を持っているからタイムラインで目にする機会が多いのかもしれない。

ただ最近少し違和感というか、思い出した事があって
僕が子どもの頃って、世間の声って逆だったよなーって。

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僕が小学生の頃見てた大人というのは
男性はいい会社に入って高い収入をもらうのがいちばんの成功。仕事の内容は入ってから覚える事で、楽しいかどうかよりも給料や社会的ステータスが一番大事。上手く成功出来れば良いが、ほとんどはそうはいかない。一般的な男性の日々はこんな感じだと思ってた。

朝早く起きて、満員電車に揺られ会社へ。やりたくない仕事をせっせとこなし、上司にいびられながらも逆らえない。残業は当たり前で、夜遅く帰ったら奥さんと子供はもう寝ている。冷たくなった晩ご飯をひとりレンジで温め直し、唯一の楽しみの発泡酒と共に食し、1日を終える。
奥さんと子どもには虐げられ、家庭内に居場所は無い。給料はお小遣い制で、コツコツ節約しながら毎日を過ごす。一方妻はこそこそへそくりを溜めながら、仲のいいママ友と週に2回豪華なランチに行けるほどの余裕があるのだ。

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小学生の頃、男性と女性は女性の方が優位なんだと僕は思っていた。亭主関白な家庭はもう古く、多くの家庭でお金の管理を含む全ての実権を妻が握っており、男性は虐げられ、影で妻から"ATM"呼ばわりされる。それが一般的な家庭なんだと僕は思っていたし、多分同級生達もそうだった。

当時の女の子達もみんなそれぞれなりたい職業を持っていたが、最終的には30までに結婚して、子どもを産んで、専業主婦になる事を想定していた。

そう、少なくても僕の周りの多くの女子達は、"専業主婦"を夢見ていた。
もちろん子育てをしながら仕事をする事に寛容な職場は少なかったし、仕事と家庭の両立は今以上に厳しかったと思う。
でも当時の小学生の認識としては、仕事というのは辛く、我慢をしながらお金を稼ぐものという事が大きかったと思う。
誰かが代わりにやってくれるなら、それに越したことは無いのだ。

僕はそんな環境をズルいと思っていた。
良いよな女の子は。夢破れても、最終的には結婚して家庭に入れば良いんだから。なんて、真剣に思っていた。

今考えれば随分的外れなのは重々承知だけど
実際にそう思っていた子どもは多いと思う。それは女子も例外ではなく。
だからこそ世間はお一人様、行き遅れと呼ばれる女性たちに風当たりが強かったんじゃ無いかな。今はどうなんだろうか。

思えば、いつから目にしなくなったんだろう。「理想の男性は年収1000万以上。最低800万以上じゃないと結婚とか無理!」そんな女子達をメディアが囃し立てて番組や記事にするのが流行っていた時期、あったよね。

あれがメディアが作り上げたフィクションなのかどうなのかは分からないけど、高校時代僕の周りには数人似たような事を言う女子が確かにいた。彼女達の幸せとは、高収入でイケメンの男性と結婚して、一生を優雅に過ごす事なのだという。
逆のこと、つまり「年収の高い美女と結婚して主夫になるのが夢」と男子が言った所で、社会は受け入れてくれなかっただろう。

つまり何が言いたいって
社会的に男尊女卑は確かに存在していたし、今もしているけど
その環境を存分に利用して、甘んじていた人たちがいた(今もいる?)事も問題だよね
って事。

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ちなみに今では、女子ズルいって考えはすっかりなくなった。
理由は自分のやりたい職について好きに働いてるのも一つあるけど、そもそも働くのってめっちゃ楽しいよなって事に気付いたから。

今はショーアーティストとしてドイツで生きてる僕だけど、18歳の頃に東京でバイトしてたカフェはめちゃ楽しかったし、生涯接客業も悪くないかもと少しだけ考えてた。
20歳の頃短期で働いたコールセンターの仕事もなんだか向いてたらしく、社員さんから長期的に働いてみないかと提案された。サーカス学校在学中だったからお断りしたけど、仕事に行くのは毎日楽しみだった。

今でも、僕には他にやりたい事が沢山ある。
世の中にはこんなに楽しい仕事で溢れているのかと、子どもの頃には気付けなかった。
前にも何かの記事で書いたけど、子どもに対して「今が一番良い時だから、楽しんどきなよ」なんて言う人には僕はなりたく無い。「超楽しいから、楽しみにしときな」って言うようにしてる。実際そう思うし。

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話が少しそれたけど(そもそもこの記事は脱線しまくりだけど)
そんな超楽しい"働く"という行為
男性と比べて、身体的にも社会的にもプライベートと両立しづらい女性に対して、僕たちも国ももっと考えを改めるべきだと思う。今ではね。

20年前に僕が抱いていた思想を今でも引きずってる人達がまだ沢山いるから、男女間の認識の違いと格差が無くならないのかもね。

誰もが自分の仕事に誇りを持ち、楽しく働ける社会に少しでも近づきますように。

Naoto

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