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ひやあせめまい



毎日お腹が痛い、吐き気がする、目眩がする




家を出る前腹痛でポロポロ毎日泣くようになった

その頃には抗不安薬を飲み始めていた

飲んでいたのはレキソタンという薬、8年ほど経つ今も毎日飲んでいる


駅に向かう、心臓がドキドキする



人の目線が怖かった。

毎日足が浮くくらいの通勤ラッシュの中を登校していた

ぎゅうぎゅうで簡単には降りられない電車の中、駅につくたび 

ごめんなさいごめんなさいと唱えるように謝りながら電車を降りた、人の目線を浴び続けながら。

気が狂いそうだった。

電車を降りると駆け足でトイレに向かって、個室で泣いて息を整えて。


まるで戦場の向かうかのような形相をしていたのではないかと思う


一駅乗っては電車を降りて駅のトイレの個室で息を整えてまた電車に乗り直す事を繰り返す。


学校に行くまで全部で5駅、毎駅、毎駅トイレに篭って泣いて、息を整えていた。



そんなことを毎日毎日毎日毎日毎日毎日、中学に入ってから完全に不登校になる中3の後半まで

毎日 毎日  まいにち まいにち まいにち

繰り返した

行きも、帰りも。




授業中は上下がわからなくなる程の不安感と目眩に毎時間毎時間苦しんだ

夏も近づくのに長袖のカーディガンを羽織った、冷や汗でカーディガンはぐっしょりになり体が冷えてしまって暑いも寒いもわからない

でも身を覆うものがないとなんだか不安だった

クラスの中にいるだけなのに「自分が今にも死ぬのではないか」という強い不安感


シャーペンを握ってみても汗と手の震えでノートなんて取れない

冷や汗で手のひらがぐしゃぐしゃに滑った

教室でも人の目線が、話し声が、動作一つ一つが怖かった

全ての目線が自分に集中し、私の噂をし、指差しをしているように感じた


ぎゅっとバックやマフラー、教科書を胸に抱きしめて不安感に耐えた

耐えて、耐えて、不安感に負けて授業を抜ける 


教室を抜けるとまたトイレに走って個室で泣いた

トイレで唾液で抗不安薬を流し込んで授業に戻った



次第に人前でご飯を食べたり水を飲むことが怖くなった

小さいお弁当箱に具材をふんわり詰めて、皆と同じ量食べてるように見せかけた


味はしない

箸を持つ手が震える、噛まずに飲み込む

食べた不安感から吐き気と腹痛に見舞われるのも毎日のことだった



人が怖かったので、朝休み、昼休みはずっとトイレにいた

迷惑をかけないように人があまり使わない和式の個室で壁にもたれたりしゃがんだりしていた

ないていた

体を自分で抱えてさすって、薬を唾液で流して。




今思うと中学時代、教室よりもトイレで圧倒的に多くの時間を過ごしたように思う



派手に気を失って倒れたりすることはなかったけれど くるしいくるしいまいにちで

精神がじわりじわりと紙がチリチリと端から燃えるように削り取られていった


文字に起こすことで精算しているような気持になります