環境

 将来どんな大人になるかに大きく影響を及ぼすのは、周りにどんな「いい大人」がいるかどうかだと思う。何か根拠や調査があるわけではない。ただ自分の今までの経験を踏まえた考えである。

 この考えは中学生の時から持っていた。当時バスケ部の部長だった私はチームメイトの親と話す機会が多々あったが、まともなコミュニケーションが取れない人や、練習態度が悪い人、先生に対する態度が悪い人、一言で言えば人として出来てない人の親はやはりそれなりの人間であった。もちろん全員に当てはまることではないが、多くの場合には当てはまることのように思う。親の顔が見てみたいとはよく言ったものである。

 私は人に恵まれた人生を送っていると思う。

 特に1人挙げるとしたら中学の時の生徒会の担当だった先生。学年の他のクラスの先生でもあった。また、駅伝の担当者としてもお世話になった。この先生は唯一どんなことでも話せる先生であった。

 中学3年間を通して、部長をやったり、生徒会長をやったりと自分で言うのもなんだが目立っていたと思う。それが気に入らない人もいるだろう。中学3年のある時期毎朝のように上履きを隠されている時期があった。学校での朝は自分の上履きを探すところから始まっていた。

 正直そこまで重く考えていなかったが、時々早く飽きてくれないかとうんざりすることはあった。なぜあの時作業的に上履きを探し、何事もないかのように教室に入ることができたのか。仲良い友人がいたことも大きな理由である。しかし、もし本当に耐えられなくなった時に、助けを求めることのできる大人がいるという安心感が大きな支えになっていた。

 今までの人生で人間関係の大きなトラブルにあったことがない。もしかしたら今述べたようにただ気にしていないだけかもしれない。ただその私の性格を考慮してもそれでも平和な人生を送っていると思う。それは私の親、そして周りの「いい大人」のおかげだと思う。

 私は今小学生、中学生の前に立って偉そうに授業をしている。どうせ私が話した国文法のことなど少し経てば誰も覚えていないだろう。だから、私はもちろん教科の授業もするが、生徒たちにとっての「いい大人」でありたい。私が子供達の前に立てる時間はあと数年だが、自分がもらったものを今度は自分が与える側になりたい。授業でどんなことを教わったかは覚えてないけどでもあの人は「いい大人」だったと将来言われるような。

 私は人に恵まれた人生を送っている。

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