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⑥バイリンガルへの学習内容:アウトプットの基礎『英語の論法』

YouWorldの指導論の根底にあるのは、英語はコミュニケーションツールであるという視点です。

言語はそもそもがコミュニケーションツールであり、コミュニケーションツールには非言語であらわされる『笑顔などの表情』『声色』『ジェスチャー』も含まれるわけです。ですので、言語もまた表情と同じようにコミュニケーション手段の一つとなるのです。

そしてこの記事では、表情やジェスチャーに使い方があるように、言葉にも使い方がある事、そしてその学習方法を紹介していこうと思います。

まずは言語以外のコミュニケーションツールの話をしてみましょう。例えば表情の場合、笑顔をまとっていれば少なくとも『敵意が無い』という事は伝えられるでしょう。声色も相対的に高く、軽やかなトーンで話せば『こちらの気分が良い』ことは伝えられるでしょう。ジェスチャーも握手の合図である手を差し出せば、そしてハグのサインとなる両手を広げれば『友好的な関係を築きたい』という意図は使えられるでしょう。

ここで少し文化の違いからくるコミュニケーションの違いを考えてみましょう。

欧米では挨拶の際に、握手やハグ、地域によっては頬を合わせるような挨拶方法も見られますね。肌を触れ合わせるという挨拶方法ですね。アジア諸国では手を合わせて、首を垂れるというような挨拶の方が一般的なのではないでしょうか?

食事の際はどうでしょう?日本は残さないのが礼儀ですが、例えば香港では私は「残す」という礼儀もある事を学びました。これはもてなす側が「もてなしの量」をケチらなかったという事のジェスチャーに繋がるそうです。

このように挨拶やテーブルマナーをとってもコミュニケーションの文化は様々ですね。すなわちこれが文化の差と言われるものになります。そしてこの文化の差を知らずにいると、間違ったジェスチャーを使ってしまい、相手の気分を害してしまう事にも繋がってしまうわけですね。すなわち、ジェスチャーの使い方を知らなかったということがコミュニケーションのすれ違いを引き起こしたという事になります。

それでは言葉の使い方はどうでしょう?言葉もジェスチャーと同じように文化による使い方の差、すなわち文化の差があります。

少し専門的な言い方をすると言語文化は『ハイコンテキスト』と『ローコンテキスト』という分類があります。日本語に直訳すると、『行間が多い』と『行間が少ない』ということになります。行間とは日本語で言う『空気』と理解できるので、もっとわかりやすく言えば、『空気を読む文化』と『空気は読まなくても良い文化』というような分類があると言っても良いでしょう。

これを少し視点を変えて説明すると、日本語のコミュニケーションの場合、相手が空気を読んでくれるという前提で言葉を使っています。すなわち、言葉のキャッチボール(=会話)をしています。逆に、ローコンテキストは相手は文字通りの情報を求めているので、文字通り明確でわかりやすい説明が必要になります。

簡単な例え話を用いて説明してみます。

『夕方になり、そろそろ井戸端会議をお開きにしたい場合』の例えから。

ハイコンテキスト流:(京都)「お茶漬けを召し上がりますか?」
ローコンテキスト流:(英語)「もうそろそろお開きにしよう。なぜならば午後5時になり、私は夕食の用意をしなければならないからね。」

極端な例である事は否定しませんが、イメージしやすいと思います。

ビジネスの場合は実際の生徒さんの例を挙げてみましょう。

生徒さん(化粧品メーカー):「○○の筐体の色を少し濃くして下さい。」
相手(タイの工場関係者):「かしこまりました。サンプルを作ったので画像を見てください。」
生徒さん(化粧品メーカー):「濃すぎます。。。少しって言ったのに。。。」

言葉の使い方の差が少しわかりましたか?

ビジネスのケースでは『少し』という表現が「空気を読む相手」と「文字通りの情報を読む相手」ではとらえ方が大きく変わってしまう事が理解しやすいケースだと思います。

この体験を共有してくれた際、私の生徒さんは「少し濃くしてくれって言ったのに違う色レベルの濃さになるんですよ。日本の工場でこんな色変えたら怒られますよ!」と言っていたのですが、これは「空気を読む日本人が相手」である場合です。すなわち、空気を読もうとする相手にこちらの意思を伝えるので、『少し』という表現を用いた場合、聞き手は相手にとっての『少し』を考える、すなわち空気を読み、『少し』の量を理解しようとするのです。

しかしながら、文字通りの情報を受け取ろうとする相手は「少し」という表現は自分の尺度で考えを巡らせるので、相手の『少し』へは気が回らないわけですよね。また色の変化があるかないかくらいの違いだと「何をやってんだ!」と怒られるとも思ったかも知れませんよね。

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上記の例で言葉の使い方の差は少しご理解いただけたでしょうか?

さて、ここからが学習課題になるわけですが、英語を学習する人は、英語を使ったコミュニケーションを行いたいわけです。すると相手は当然日本人では無くなるので、ほとんどの場合、空気を読む相手では無くなり、むしろ文字通りの情報を理解しようとする相手になります。その為、英語を使う場合、文字通りの情報を相手に伝える表現をしないといけなくなるわけです。すなわち、日本語と英語では言語の使い方が変わるので、英語流の言葉の使い方を学ぶ必要があるという事になるのです。

先ほど紹介した私の生徒さんの例を挙げると、私の生徒さんは「少し」は本当に色が変わっているのか変わってないのかわからないくらい「少し」と言っているのですが、タイの工場は彼が考える少しという程度で色を濃くしたわけですね。

私が行ったアドバイスはタイと日本の『少し』は違うという事。そして「少し」という表現を使わず、「○○ml、○○色を足してください」や相手が理解できる数値を使って説明するようにと助言しました。

そして、学習課題は英語のコミュニケーションになったとき、自分でこの修正を出来るようにならなければならないという事になります。そうなれなければ、いつまでたっても英語でのコミュニケーション力は上達しないことに繋がってしまうのです。

英語の論法を学習するという事は英語の使い方を学ぶという事です。そしてこれは英語のコミュニケーションでは必須課題であり、その習得を行う事が、「英語の論法を学ぶ」というプロセスになるのです。

すなわち、「お茶漬けを食べますか?」そして「少し」という表現ではなく、「もうそろそろお開きにしよう。なぜならば午後5時になり、私は夕食の用意をしなければならないからね。」そして「○○ml、○○色を足してください」と言葉の使い方を自分の判断で変えられるようになるという事が、「英語の論法を学ぶ」という事になるのです。

英語の論法は『主張、理由付け』というシンプルな構造になります。そしてこの論法の習得が『英語の論法を学ぶ』ゴールとなるのです。

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